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「チェリまほ」「リーガルビート」本間かなみPのモノづくり (前編)「あかりサーチ一本」第17回2026/08/14 12:00

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「チェリまほ」「リーガルビート」本間かなみPのモノづくり (前編)「あかりサーチ一本」第17回

 TVガイドWeb特派記者の佐藤あかりです。今回はテレ東系で放送中のドラマ「リーガルビート ―逆転の法廷―」(金曜午後9:00)の本間かなみプロデューサーへのロングインタビューをお届けします。

「チェリまほ」「リーガルビート」本間かなみPのモノづくり (前編)「あかりサーチ一本」第17回

 派遣社員ながらドラマ「チェリまほ」(「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」)を企画プロデュースして、映画化までされる大ヒット作品を世に送り出した注目のクリエーターの本間さん。どんなお話が伺えるのかとっても楽しみに取材日を迎えました。どうぞお楽しみくださいね。

 それではいきましょう!

「あかりサーチ、一本!」

異業界からの転身とバラエティーのAD時代の原体験

――どうぞよろしくお願いいたします。さっそくですが、この業界を目指したきっかけを教えていただけますか?

「もともとテレビドラマや映画が好きだったんですが映像業界ってハードそうだし、自分には無理だろうなと思って、最初は全然違う業界に就職しました。でも、やっぱり『自分の好きなことを仕事にしたいな』という思いが出てきて、テレビ業界に入り直しました」

――特に印象に残っている作品はありますか?

「とにかくたくさんの作品を見ていましたけれど、『オレンジデイズ』(TBS系)とか『白夜行』(TBS系)は印象に残っています。あと、坂元裕二さんが脚本を書くドラマは追いかけていました」

――いいドラマですよね。最初はバラエティーの制作会社に入られたとお聞きしました。

「そうなんです。転職する時にテレビ業界のことをなにも知らなくて。どの会社に入ったらいいのかもよく分からないので、転職サイトの一番上に出てきた会社に応募しました。雇用形態も分からず応募したので、後で派遣会社だったことを知りました」

――一番上だったんですか。詳しく調べたり話を聞きに行ったわけではなく、直感で一番上に出たところを選んだんですね。

「はい、一番上に出てきたところでしたね(笑)。そこがバラエティー番組にスタッフを派遣している会社で、AD(アシスタントディレクター)になりました」

――バラエティー番組のお仕事はいかがでしたか?

「ドラマって割と分業制なんですよね。ロケ地を仕込むのは制作部さん。演出の小道具や準備をするのが助監督さん、というように効率的に分業して進めるんですよ。でもバラエティーのADってそういうのを全部やるんです。ロケ地の仕込みも、ディレクターの演出に合わせた準備も編集も、ディレクターがやることに全部ついていく」

――え、すごく大変じゃないですか。

「私がADだった時は、とにかくADがなんでも全部やる時代だったと思います。だからこそ、どうやってコンテンツが作られていくのかというプロセスをゼロから全部知ることができたのは、すごくためになったなと思います」

テレビ東京ドラマ部への参加とプロデューサーとしての躍進

「チェリまほ」「リーガルビート」本間かなみPのモノづくり (前編)「あかりサーチ一本」第17回

――そこから「やっぱりドラマに携わりたい」と思って転職されたのですか?

「派遣会社の人に『ドラマをやりたい』とずっと言い続けていたら、『テレビ東京のドラマ部がスタッフ募集してるみたいだから行ってみる?』と言ってくださって。派遣スタッフとしてテレビ東京のドラマ部に行きました」

――派遣スタッフとしてプロデューサーをしながら、社員プロデューサーへと立場が変わっていく中で、ご自身の中に変化やきっかけとなるポイントはありましたか?

「私が派遣された当時のドラマ部の部長が『企画が通れば雇用形態関係なくプロデューサーをやらせる』という方針で企画選定をする人だったんです」

――それはすごくやりがいがありますね!

「いつクビを切られちゃっても、ドラマで食べていけるようにしたいなって思ったので、とにかく一作品だけでもちゃんと自分でプロデュースしたという『名刺』になるような実績がほしいと思って、ひたすら企画を出し続けました。その結果、いくつかの作品を経て、社員になれたという感じでしたね」

――でも企画を作るのってすごく大変だと思うのですが、どのくらいの時間をかけて作られていたのですか?

「もちろん大変ではあるんですけど、企画書だけで言えば、頑張れば誰でもできると思いますよ。他局は分からないですけど、テレ東のドラマ部って他の人が提出した企画書を見ることができるんです。だから採用された企画書を見て、『あ、こういう書き方をするんだ』と先輩たちの企画書からコツを盗ませていただいて学びました(笑)」

「チェリまほ」の世界的ヒットと大切にしているブレない軸

「チェリまほ」「リーガルビート」本間かなみPのモノづくり (前編)「あかりサーチ一本」第17回

――テレビ東京で本間さんが制作した「チェリまほ」(「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」)は日本トレンド1位や世界トレンドにも入る大ヒットとなりました。作品を作っていく上で、ご自身の中でブレたくない軸みたいなものはありましたか?

「お仕事を続ける上で大切にしているのは、いろんな人たち(監督、スタッフ、役者、カメラマン)と一緒に作品を作る中で『できるだけ、納得した形で進めていく』ということです。中途半端が一番よくないので、譲る、押し切る、ってことも当然生じるけど、みんなが納得して進めていけることが理想だなって意識は持つようにしています」

――難しいけれどとても大切なことですね。ほかにも大事にしていることはありますか?

「『チェリまほ』で言えば同性愛を題材にしている作品ですが、それ以外の作品でも『マイノリティーの人を描きたい』という思いはいつも自分の中にあったと思います。単なるエンタメ消費にならないよう、ドラマの地続きには今を生きる当事者の方がいること、その方々へのリスペクトを大切にしたいと思って作っています」

――「マイノリティーを描きたい」と思うようになったきっかけや出来事はあったのですか?

「自分にとってのエンタメって『孤独に寄り添ってくれるもの』だったんです。この世界のどこにも自分の席がないように感じていても、エンタメが席を与えてくれることがある。マイノリティー性や痛みに、味方してくれるもの。時には、日々のノイズを跳ねのけて吹き飛ばしてくれるパワフルなもの。なので、自分で作品を作る時も、自然とそういうものを目指しているのかもしれません」

――ターニングポイントになった作品や出来事はありますか?

「やっぱり『チェリまほ』が大きかったですね。テレ東の深夜ドラマというニッチなマーケットでも熱量高く受け取ってくれる人たちがいて、『こんなに多くの人に届けられるんだ』と体感として得られたのは大きかったなと思います」

監督、キャストへのリスペクトと理想のプロデューサー像

「チェリまほ」「リーガルビート」本間かなみPのモノづくり (前編)「あかりサーチ一本」第17回

――「チェリまほ」でいうと、この連載で以前、風間太樹監督にインタビューをさせていただきました。

「そうなんですね!」

――本間さんは風間監督とは現場でどのようなコミュニケーションを取られていたのですか?

「いろいろな話をしたと思います。お互いに好きな映画の話とか。私は風間さんの狙いが明確な画作り、すかさない潔さや、観客を楽しませようとする遊び心が好きで、『チェリまほ』でもその良さを発揮してほしかったので、風間さんの好きなところとか。『チェリまほ』を映像化するにあたって、どんなふうにパッケージしたいかとか、なるべく伝えられるものを伝えて、聞かせてもらえることを聞くってことをしていました」

――風間監督を起用された理由は?

「どんな世界観で映像化するのが、一番原作の良さが広く伝わるのかを考えました。『チェリまほ』ってある種、安達くん(赤楚衛二)の青春物語でもあるなと思ったんです。今まで殻に閉じこもっていた青年が、心の声が聞こえる魔法を手に入れたことで人との関わりが広がり、世界が色づいていく。主軸であるラブストーリーを豊かにするためにも、その『青春性』や『人間の心の躍動』を瑞々しく捉えられる人がいいなと考えた時に、風間監督の映画『チア男子!!』を見て合うんじゃないかと感じ、風間さんにオファーしました」

――作品をしっかりご覧になってキャスティングをされているのですね。インプットとして普段から多くの作品を見ているのですか?

「仕事として作品はたくさん見なきゃいけないとは思うのですが、自分のストライクゾーンがそんなに広い方ではないので(笑)、楽しくないと身にならないんですよね。だから仕事というよりは、自分が純粋に興味をそそられるものを見ているという感じです」

――女性プロデューサーの活躍も増えていると思うのですが、本間さんが理想として意識していることはありますか?

「なんでしょうね。意識しているのは『舐められないようにする』ということとかかな(笑)」

「ファイティングポーズを取るってことではなく、ジェンダーバイアス的ななめられに遭遇した時に『私は許容しません』の心構えというか。あとは『言いすぎない』。脚本作りや編集で『もっとこうしたら良さが生きるんじゃないか』と思った時、昔は一生懸命に全部を伝えようとしていたんです。でもそうすると自分が正解になりすぎてしまって、自分の想像以上のものが返ってこないことがある。私はボールを投げてみるだけにして、相手がどう解釈して消化して打ち返してくれるかを大事にする。その方が作品としての膨らみが出るんじゃないかと思います」

――すてきな考え方ですね。

「ありがとうございます」

――ストレス解消法はありますか?

「友達とカラオケに行くことです(笑)」

――え~、意外な感じがします。何を歌うんですか?

「Juice=Juiceが大好きなのでよく歌っています。最近はちゃんみなさんやHANAさんの曲を歌ったりします。ちゃんみなさんのオーディション番組(『No No Girls』)もずっと見ていますよ」

――私も見ています! 普段はオーディション番組はあまり見ない方なんですが、なんか初めて涙がでちゃいました。面白いですよね!

あかりサーチ後記

「チェリまほ」「リーガルビート」本間かなみPのモノづくり (前編)「あかりサーチ一本」第17回

 前編はここまでです。AD時代の経験を糧に、企画を出し続けプロデューサーへの道を切り開いた本間さん。超大ヒット作「チェリまほ」を世に送り出し、今も数々のすてきな作品を届け続ける、その確かな実力と情熱の源にあるのは、

「誰かの孤独に寄り添いたい」

「みんなが納得した形で進めたい」

という、作品や人に対する誠実な思いでした。

 本間さんのお話を伺っていて、私が何より強く感じたのは、「人に対する温かさ」です。作品への情熱はもちろんですが、インタビュー中も、どんな質問にもニコニコ答えてくださり、まるでぽかぽかの陽だまりにいるような、周りの方々が心地よく、幸せな気持ちになる空間を自然と作ってくれました。私もそんな温かい人でいたいなと思いました。

 後編では、現在放送中の「リーガルビート ―逆転の法廷―」について、作品に込めた思いや制作の裏側をさらに深く伺います。ぜひ後編もお楽しみください。

 それでは最後にもう一度♪

「あかりサーチ、一本!」

【番組情報】

「チェリまほ」「リーガルビート」本間かなみPのモノづくり (前編)「あかりサーチ一本」第17回

「リーガルビート ―逆転の法廷―」
8月14日放送
第4話あらすじ
 泰地(鈴鹿央士)が鳥飼(前原瑞樹)の店で出会った少年・颯太(嶋田鉄太)の母・美咲(橋本マナミ)が店先で倒れてしまう。シングルマザーの美咲は、一人息子・颯太の親権を巡って義母と対立中で、心労が重なっていた。話を聞くと、親権争いのキッカケは美咲の望まぬ妊娠だという。相手は、IT企業の社長・須崎(大貫勇輔)。泰地らは、避妊の約束を破った須崎を自己決定権の侵害で訴えるべく動き出すが、須崎は全く応じない。その裏には、美咲がひた隠しにする過去があった。

【プロフィール】

「チェリまほ」「リーガルビート」本間かなみPのモノづくり (前編)「あかりサーチ一本」第17回

本間かなみ(ほんま かなみ)
ドラマプロデューサー。1990年9月22日群馬県出身。派遣社員としての勤務を経て2022年にテレビ東京に入社。これまで「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」「うきわ―友達以上、不倫未満―」「今夜すきやきだよ」「SHUT UP」「晩餐ブルース」をプロデュース。現在、「リーガルビート ―逆転の法廷―」が毎週金曜夜9時より放送中。

佐藤あかり(さとうあかり)

「チェリまほ」「リーガルビート」本間かなみPのモノづくり (前編)「あかりサーチ一本」第17回

1996年2月23日生まれ。大分県出身。特技は剣道(3段)。インターハイ3位、全国大会優秀選手賞受賞。渡辺正行さん率いる剣道普及番組「剣道まっしぐら!」(YouTube/2020年~配信中)にレギュラー出演中。雑誌「B.L.T.」に「日本一かわいい剣道女子」としてグラビアに登場以来、剣道タレントとして注目を浴びる。B.L.T.Webにて「あかりくらぶ」連載中。

【Information】
「あかりサーチ、一本!」のスペシャル動画が公開中! インタビュートークに加えて、即興質問に5秒で答える「一問一本!」など見どころいっぱいです。YouTube「東京ニュース通信社チャンネル」でお楽しみください。

「チェリまほ」「リーガルビート」本間かなみPのモノづくり (前編)「あかりサーチ一本」第17回

2024年からレギュラー旅人として出演している「秘湯ロマン」(テレビ朝日)が8月14日(金)に放送になります。「おんせん県おおいた」出身の私にとって、温泉を紹介できるこの番組はとても大切で幸せなお仕事です! TVerでも見られるのでぜひご覧ください!

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