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伊藤沙莉☆主演するアニメーション映画で男の子役に挑戦!2020/09/20

 9歳で子役としてデビューし、現在26歳にして芸歴17年の女優・伊藤沙莉。数々の映画やドラマに出演している彼女は、今年、アニメ「映像研には手を出すな!」にも出演し、7月には「第57回ギャラクシー賞」テレビ部門の個人賞を受賞。女優としてだけでなく、声優としても注目されている。そして、10月2日に公開される映画「小さなバイキング ビッケ」では、10歳の男の子・ビッケの声に挑戦。1970年代にはTVアニメとして放送され、「ONE PIECE」のモチーフにもなった「小さなバイキング ビッケ」をCGアニメーションとして映画化した本作に対する印象や、新たに感じた声の芝居の魅力、そして自身のSNSにもたびたび登場している“お兄さん”の近況についても語ってもらった。

――本作はオリジナルストーリーとのことですが、台本を読んだ時はどんな印象を受けましたか?

「大海原へ冒険に出る、すごく壮大なスケールの物語で、“この作品が伝えたいメッセージは私たちの身近な物事に置き換えられることばかりだな”と感じました。例えば、ビッケはすごく子ども扱いをされているのですが、私自身3きょうだいの末っ子なので「末っ子だから」「まだ早いよ」と、やりたいことや成長したいことを止められてきたんです。たぶん、親や家族は止めるつもりはなかったと思いますが、進みたいのに進めないもどかしさはビッケと共通しているところ。それもあって、自分にとっても身近に感じられる物語でしたね」

――これまで映画「ペット2」(19年)やアニメ「映像研には手を出すな!」(20年)でも声優をやられていますが、少年を演じるのは今回が初めてなんですよね。

「そうですね! 『ずっとやってみたい』と言っていたのですが、こんなに早くやらせていただけるなんて、本当にありがたい気持ちです。だからこそ、“この作品を見る皆さんに失望されたくないな”と思っています。期待を裏切らず、少しでも作品に貢献したいと思ってアフレコに臨みました」

――演じる際、どんなことを大切にしましたか?

「最初に声を当てた時に、『年齢が上に聞こえる』と言われました。男の子ではあるんだけど、青年っぽいというか…。ビッケは10歳なので『もうちょっと小さな男の子だということを意識してほしい』と演出をいただいて、声の出し方に気を付けました。上向き加減でしゃべると声に張りが出て若く聞こえるようになるので、常に少し上を向きながらやっていました」

――それは、アドバイスがあったのですか?

「そうです。あとは『性別より年齢を意識してほしい』とも言われました。声のお仕事は声だけで表現するので、表情や姿勢はバレないじゃないですか。だから、思う存分上を向いてやりました(笑)」

――「映像研には手を出すな!」は1クールのTVシリーズでしたが、今回は劇場版です。収録に違いは感じましたか?

「『映像研〜』は毎週1回アフレコをしていましたが、“来週までに声を忘れてしまったらどうしよう”と緊張してしまって…。全話のアフレコが終わるまでずっと“吐きそう!”みたいな感じだったんです(笑)。だけど、今回は1日ですべてを録り終えたので、緊張の時間が短かったのは大きな違いでしたし、個人的には安心できました。それと、『映像研〜』の場合は映像が出来上がっていない状態で録っていたので、ちょっとしたオリジナリティーも入れやすかったですが、今回は完全に作り上げられた映像に声を当てていきました。これも大きな違いです。ある意味、不自由で難しい部分もありましたが、その中でどう自由にできるか考えるのは楽しかったです」

――出来上がった映像の場合、動きの多いシーンでも完璧に映像とタイミングを合わせなければいけないですよね。読み込むのに時間が掛かりそうです。

「私はどちらかというと“反射”で生きている人間なんです(笑)。お芝居もそうで、『うわっ!』とリアクションするシーンの場合、“これから『うわっ!』が来るぞ!”と思いながらやるのは楽しくなくて…。『うわっ!』となった時に口をついて言葉が出るほうがリアルで面白いと思うので、そういうアドリブ色が強いシーンはあえて読み込まずに、あまり練習しないですね」

――そこで急にわざとらしい芝居になるのも違いますもんね。

「そうなんです。直されたら『すみませんでした』と言って整えればいいですから」

――では、ビッケの見どころを教えていただけますでしょうか。

「ビッケは、自分の目標を信じて疑わない姿勢を持っている子。その姿はきっと人の胸を打つと思うので、大人の人たちが見たら懐かしい気持ちになると思います。大人になればなるほど、世知辛い世の中だと実感して“夢なんて語ってられない”となってしまうと思うんですが、忘れかけていた感情とか冷めていた感覚を再び燃やすことができる作品です。小さい子も、“もっと大きな夢を見ていいんだ”と安心できる作品だと思うので、そういうキラキラした魅力がより多くの人に届くといいですね」

――ありがとうございます。ちなみに、この作品ではビッケと父母の絆が描かれます。そこで、伊藤さんのご家族の近況もお聞きしたいです。お兄さん(お笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介)とのエピソードはネットでもニュースになっていますが…?

「兄が私と2人で住んでいた部屋から引っ越していく時、『バスタオル、持って行っていいよ』と言ったら全部持っていかれた話とかですよね? まさかニュースになるとは思っていなかったんですけどね(笑)。最近は…何かあったかな? あっ、兄の引っ越した家が、私の生活圏内なんですよ。徒歩で会いに行けるくらいご近所で!」

――そうなんですね!

「『別々に暮らす意味がないと思うんだけど』と言ったら、『でも、心配だし。災害とかがあった時、近い方が安心じゃん』と言われて、“実際、何ができるの?”と思うんですよ(笑)。近くに住んでいるマネジャーさんの方がよっぽど頼りになるので、私はたぶんそっちに行きますね(笑)。あと、私の家の鍵を返してもらおうと思ったら、頑なに返してくれないんです。だから、『持っていてもいいけど、いきなり来ないでね。私にもプライバシーがあるから』と言ったのですが、この前、家で1人でくつろいでいたら突然『ガチャン! ドン!!』って玄関から音がして…。恐る恐る行ってみたら兄がいました。かけておいたドアチェーンが引っかかって、鍵が開いても中に入れない状態で…。何でも、自分が出ていた『M-1グランプリ2019』のDVDを取りに来たらしいです。だけど、DVDは家族に渡していたので『今はないよ』と言ったのですが、なぜか上がり込んできて、自分の部屋だったところに入って『何もねえな…』と言って帰っていきました。久々に会えてうれしかったですけどね(笑)」

――あらためて、すてきな関係ですよね。あと、伊藤さんといえばInstagramのストーリー機能の質問コーナーも話題ですよね。拝見していて、フォロワーさんの質問に対する返しが秀逸だと感じます。まるで大喜利みたいですよね。

「“何でああいう形になったんだろう?”といつも思います。基本的に、私に来る質問は“どうしたの?”というものばかりなんです(笑)。『沙莉さんって男だったんですか?』とか『昨日、フラフープを回していましたよね?』とか。そういう質問にもちゃんと返していたら、いつの間にか『大喜利だ』『面白くないと採用してもらえないんですよね』とか言われるようになりました」

――上手に返してくれるから、フォロワーさんたちもうれしいんでしょうね。

「そういえば、久々にラジオの現場に行った時、ドラマ『ペンション・恋は桃色』(20年)で共演したリリー・フランキーさんとお会いして、質問コーナーのことを褒めてくれました。『返しが秀逸だよ。いい感じだよ。いやらしいアカウント以外で見ているのはお前のアカウントだけだ』って(笑)」

――リリーさんまで夢中にしているんですね!

「ははは! 『楽しみにしてます』とも言ってくれました(笑)。リリーさんにそう言われるのはうれしいですね」

――今後も楽しみにしています! では、最後に役者としての展望もうかがいたいです。ますます活躍が期待されますが、今後はどんなお仕事をしていきたいですか?

「はっきりしたことは分かりませんが、“伊藤沙莉にやらせたらどうなるだろう”と思われる役に挑戦したいです。想像がつかない役ほどやってみたいですし、“やらせたい”と思ってもらえたらうれしいです。最近は、どちらかと言うと明るい後輩や普通の女の子の役が多いです。そういう役も大好きですが、一方で想像がつかない役もやってみたくて…。ミステリアスな役やぶっ飛んだ役なんていいですよね。キャスティングをされる方には、ぜひとも勇気を振り絞って声を掛けていただきたいです(笑)」

【プロフィール】

伊藤沙莉(いとう さいり)

1994年5月4日、千葉県生まれ。牡牛座。A型。映画「蒲田前奏曲」が9月25日、「十二単衣を着た悪魔」が11月6日、「タイトル、拒絶」と「ホテルローヤル」が11月13日公開。

【作品情報】

「小さなバイキング ビッケ」
10月2日全国ロードショー
配給:イオンエンターテイメント、AMGエンタテインメント

「SING/シング」(17年)のスタッフが描く冒険ファンタジー。ビッケ(伊藤)の父・ハルバル(三宅健太)ら海賊団の戦利品「魔法の剣」の力で、ビッケの母・イルバ(矢尾幸子)が黄金になり…!?

【プレゼント】

サイン入り生写真を2名様にプレゼント!

応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/tvguide_enquete
(応募期間:2020年9月23日正午~9月30日午前11:59)

ハガキでの応募方法は「TVガイド」10月2日号(P98)をご覧ください。
「TVガイド」の購入はコチラ→https://honto.jp/cp/netstore/recent/tokyonews-book/01.html

取材・文/松本まゆげ 撮影/尾崎篤志 ヘア&メーク/弾塚 凌 スタイリング/吉田あかね 
衣装協力/ヴェントリロクイスト、ドレスアンレーヴ、ラナスワンズ

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