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「東京24区」榎木淳弥&内田雄馬&石川界人 インタビュー2022/02/16

「東京24区」榎木淳弥&内田雄馬&石川界人 インタビュー

榎木「そもそも俺たち友達だよね? ただの仕事仲間じゃないよね?」

内田「最少人数でとはいえ一緒に録れたのはありがたかったです」

石川「3人ともお芝居のタイプが違うので、正直やりやすくはないです(笑)」

 東京湾に浮かぶ架空の人工島・通称“24区”を舞台に、幼なじみの3人の奮闘と友情を描くオリジナルアニメ「東京24区」(TOKYO MXほか)が放送中。本作にメインキャストとして出演しているのが、シュウタ役の榎木淳弥、ラン役の内田雄馬、コウキ役の石川界人の3人だ。世代が近く仲良しでもある3人は、どのようにこのアニメと向き合っているのか? 直撃すると、にぎやかに、そして和やかに語り合ってくれた。

――「東京24区」では、お三方がメインキャストを務めています。最初にこの3人だと知った時はどう感じましたか?

榎木 「勝手知ったる仲の3人だなと思いました。雄馬くんとは最近散々共演しているので、“またか…”って…」

内田 「ちょっと! うんざりするなよ(笑)」

石川 「ははは! 『またか』の後に、『うれしい!』が付くんでしょ?」

榎木 「ははっ(笑)。そうかもね。で、界人くんはレギュラーで一緒になることってそんなに多くないんですよ」

石川 「ないわけじゃないけどね」

榎木 「そうそう。だから昔から知っている2人ですけど、組み合わせとしては新鮮だなと、僕的には思いました」

石川 「僕は、雄馬くんとも久々なんです。以前は結構共演していたんですけど、最近はあまりないので…。だから、俺、この2人と共演するって聞いた時は怖かったんです。榎木さんとガッツリ掛け合ったことはなかったので、こういう作品でどういうお芝居をする人なのか分からなかったし、雄馬くんも久々なので“どんなふうになっているんだろう”って思ったし…」

榎木 「あぁ。お芝居が変化しているだろうからね」

内田 「分かる。久々に現場で会うとドキドキするよね。いくらプライベートで会っていたとしても、現場で会う時の雰囲気は全然違うから。それは僕も感じました」

――では、実際に掛け合ってみてどうでしたか?

石川 「3人ともお芝居のタイプが違うので、正直やりやすくはないです(笑)。それは、役どころによる部分も大きいです。コウキは真面目で頭が固くて、自分で描いた理想像から外れることを嫌がる人なので、お芝居も固くないと成立しないんです。だけど、シュウタとランは性格的に自由にできるんです」

榎木 「確かに崩していますね、僕は」

石川 「そんな中で僕も崩してしまうと、成立しなくなるんです。2人はどんなことを考えてやってる?」

榎木 「シュウタの行動理由の大半はアスミ(石見舞菜香)なので、アスミの存在を自分の中で作る作業が大きかったかな。この作品はアニメですけど、僕はキャラクターを脳内で思い浮かべる時、アニメだと感情移入しにくいタイプなので、1回人間に置き換えるんです。そうして、アスミがどういう顔をしているどんな人物なのかを毎回意識してやっていますね。そうすれば、シュウタの感情を考えなくても勝手に行動できるんです。ランとコウキを思い浮かべることももちろんありますけど、その時は2人(内田&石川)の顔を思い浮かべるとやりやすいです」

石川 「自分が2次元に行くという人はいるけど、2次元のキャラクターをリアルの人間に置き換えて芝居をするっていう人、なかなかいないよね。僕が知るところだと、入野(自由)さんはそうだったけど、ほかはなかなかいないと思う」

内田 「確かにね」

榎木 「そうなのかな。アスミは、途中まで顔が浮かびにくかったんですけど、現場で石見さんとすれ違うことがあって…。その時に“ああ、こういう顔ね”と思うことができたので、やりやすくなりました」

――本当にいろんなお芝居のやり方があるんですね。では、内田さんはいかがでしょうか?

内田 「一緒にいる人たちによりますね。僕、“こんなふうに演じよう”と思って現場に持っていかないんです。もちろん、台本は読むし流れも分かっているけれど、収録当日に掛け合う相手の声や温度感から何を受け取れるかによるんですよね。言うなれば“人依存型”です」

石川 「じゃあ、僕と榎木さんと一緒に収録していた時はどうだったの? 全然やり方が違う2人だけど」

内田 「そういう時は、間(あいだ)を取ればいいんだよね。ランはシュウタっぽさもコウキっぽさも持っているから、特にそれがいいと思ってる。2人の間にいれば、自然とランの人間性を表すことができるというか…」

榎木 「なるほどね。確かに、そう言われると、それがランっていう感じがする」

内田 「その上で、細かい修正をしてもらうことでランが作られていきました。だから、一緒に録れて本当によかったよ!」

石川 「しかも1話(1月5日放送)は1時間の放送だったから、収録時間も長くてつかみやすかったよね」

内田 「本当にそう。“人依存型”の僕にとって抜き取り(個別収録)は恐怖だから、最少人数でとはいえ一緒に録れたのはありがたかったです」

榎木 「もし掛け合う相手がいなかったら…」

内田 「大変だったと思うよ(笑)」

――ちなみに、ここまで放送されたエピソードで印象深いシーンはありますか?

石川 「それで言うと、1話の電車を止めるシーンです。シュウタの叫びが本当に圧巻でした。オンエアでは映像に合わせて音声のレベルが調整されていますが、生音であれだけのものが出せるのはすごいなと」

内田 「分かる。あのシーンは僕もすごく印象的です。収録が終わって次の現場に行くまで界人くんと一緒に移動していたんですけど、ずっとその話をしていました」

石川 「皆さんにも、ぜひあらためて見てもらいたいです!」

榎木 「役者になってこんなに褒められたこと、ないよ。個人的に印象的なのは、特定のシーンというより、キャラクター同士の会話です。テンポがすごく速い作品なので、収録の時はオンエアでどんなふうに音声が重なっているのか想像がつかなかったんですよ」

内田 「“ごった煮”でしゃべっているもんね。誰かがしゃべっている後ろでしゃべってるシーンが結構ある」

石川 「だから、台本が複雑なんですよ!(笑)」

榎木 「そうそう(笑)。『いただき』(劇中に登場するお好み焼き屋)でのシーンは特にそうなんです」

――あらためて見返す楽しみが増えました。では最後に…。「東京24区」が幼なじみ3人の友情を描いた作品ということで、お三方が思う“友人関係を長く続ける秘訣”を伺いたいです。学生時代の友達でもいいですし、同じ業界で友達と呼べる方がいたらその方との関係でもいいですし…。

内田 「俺たち、どうやって仲良くなったっけ?」

榎木 「というか、そもそも俺たち友達だよね? ただの仕事仲間じゃないよね?」

石川 「うっ…! 初手を取られると、こんなにうろたえるんだ、僕…!」

――普段はトークを回したり、率先して笑いを作ったりしてくれる石川さんですが、先にお二人が話し出すとそんなに戸惑うんですね。

石川 「ちょっと動揺してしまいました(笑)」

内田 「ははは(笑)。きっと、人によって関係の築き方って違うよね。界人くんみたいに初手を取ったほうがやりやすい人もいれば、逆に後ろを取った方がいい人もいるし…。それぞれが自分のスタイルにあらがわないでいられる場所を、相手との間で見つけたら友達関係も長続きするんだと思います。だから、僕は、界人くんといる時は初手を差し上げるし…」

石川 「あえて!? あえて初手を取らされてたの? 俺!」

内田 「間違えた(笑)。…初手を取っていただいているし、相手に対して“こんなふうに接しよう”と思うんじゃなくて、流れに身を任せる方が一番いいのかなと思います」

石川 「愛があるからこそ言える言葉ですねぇ…」

榎木 「僕は、余計なことを言わない…かな。親しいからといって、踏み込んじゃいけない領域はあると思っているんです。例えば、役者同士だと、相手の芝居に踏み込みすぎると関係が壊れる可能性は高いと思いますし、学生時代の友達だと、健康面を気遣いすぎるとうっとうしそうにされることがあるなとか…。“それ、言わなくてよくね?”というポイントは誰しも持っていると思うので、いったん話題にして“これはダメなんだ”と思ったら、もう触れないようにしています」

石川 「僕は…そもそも友達が多くないので、自分の好意は一方通行でいいと思っているんです。向こうから好意を向けられることを期待すると、向けられなかった時にガッカリしてしまうので…。だから、“こっちが友達だと思っていればいいや”というくらいが正解なのかな! あとは、『ありがとう』と『ごめんね』をちゃんと言う! これは、この間、雄馬くんから学びました。雄馬くんは、本当に何でも受け止めてくれるからありがたいです」

【プロフィール】

榎木淳弥(えのき じゅんや)
10月19日、東京都生まれ。天秤座。A型。アニメ「リーマンズクラブ」(テレビ朝日ほか)、「宇宙なんちゃら こてつくん」(NHK Eテレ)、「お昼のショッカーさん」(ABCテレビ、TOKYO MXほか)などに出演中。2月18日公開の映画「アンチャーテッド」では吹き替えを担当。

内田雄馬(うちだ ゆうま)
9月21日、東京都生まれ。乙女座。アニメ「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」(テレビ東京系)、「オリエント」(テレビ東京ほか)、「デリシャスパーティ♡プリキュア」(テレビ朝日系)などに出演中。9thシングル「Good mood」が発売中。

石川界人(いしかわ かいと)
10月13日、東京都生まれ。天秤座。AB型。アニメ「ヴァニタスの手記」(TOKYO MXほか)、「プラチナエンド」(TBSほか)、「リーマンズクラブ」(テレビ朝日ほか)などに出演中。

【作品情報】 

「東京24区」榎木淳弥&内田雄馬&石川界人 インタビュー

「東京24区」
2月23日
TOKYO MXほか
毎週水曜 深夜0:30~1:00
※地域により放送時間が異なります

津田尚克が監督を務め、CloverWorksが制作を手掛けるオリジナルアニメ。東京湾に浮かぶ人工島・通称“24区”で暮らすシュウタ(榎木)、ラン(内田)、コウキ(石川)が、死んだはずのアスミ(石見)からの着信をきっかけに、自分たちのやり方で愛する24区(マチ)を守ろうとする。

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取材・文/松本まゆげ 撮影/為広麻里 
ヘア&メーク/fringe[榎木]、花嶋麻希[内田]、紀本静香[石川] 
スタイリング/奥村渉[榎木、内田]、本田雄己[石川]
衣装協力/Iroquois HEADSHOP[石川]



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