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「さんかく窓の外側は夜」島﨑信長&羽多野渉 インタビュー2021/12/01

「さんかく窓の外側は夜」島﨑信長&羽多野渉 インタビュー

島﨑信長◆「この業界で10年以上やっている人には、どこかしら変なところがあるんじゃないかと僕は思っているんです」

羽多野渉◆「僕らはこのキャスティングにすごく納得しているんです」

 ヤマシタトモコのベストセラーコミックを原作としたアニメ「さんかく窓の外側は夜」が、10月にTOKYO MXほかでスタートし、ホームドラマチャンネルでも11月から放送中。ホームドラマチャンネルでは1月と2月に再放送をすることも決定している。今年7月には実写映画化もされた、ホラー×ミステリー×バディ愛を描く人気作で、昔から不気味なモノを“視て”しまう三角康介を演じた島﨑信長と、除霊師の冷川理人を演じた羽多野渉にインタビュー! 三角と冷川がコンビを組んで怪奇事件に挑んでいく本作の見どころや思いなどを探った。

――原作を読んだ感想はいかがでしたか?

島﨑 「僕は、オーディションの際に初めて原作を拝読しまして、面白い作品だなと思いました。というのも、ホラーっていうと、どちらかというとショッキングだったり、ドラマチックだったり、パニックホラーのイメージの強いものが多いんです。でも、この作品は、じわじわ迫る恐怖というか、“もしかしたら今、自分たちの生活している場所に幽霊がいるんじゃないか、気付いてないだけで普通に歩いているんじゃないか”という想像力をかき立たせるところがあって、日常に寄り添うような恐怖をそっと見せていくんですよね。ストーリー自体も人間同士が出会い、変わって、成長し、時に離れてまたくっついて…というヒューマンドラマの部分が魅力的で、本当にいろいろな感情の動きや関係性など人間を多面的に描いているんです。しかも、描写が説明し過ぎてないのに丁寧なんです。そう言うと、ちょっと矛盾しているように聞こえますよね。なのに、ちゃんと分かりやすく描かれていて、そういうところも僕の好みでした」

羽多野 「もう10年ぐらい前だったかな? とあるドラマCDでヤマシタ先生の作品でキャラクターを演じさせてもらったことがあって、今回、原作を読んだ時に当時の記憶がぶわってよみがえってきました。“あれ、この絵、以前僕、出会っているはずだ”って頭の中の記憶が巻き戻される感覚があって…。そのぐらい、ヤマシタ先生の作品の独特のタッチやメッセージ性は、記憶に残っていました。それを思い出して、ぜひともまた先生の作品に出演したいと思ったので、結果が来た時は素直にうれしかったです。ただ、喜んだのもつかの間、あまりにも人としての情緒や価値観がズレている冷川理人というキャラを、どうやって演じればいいんだろうか、果たして僕に演じきれるだろうか…そういう不安や緊張感も生まれました(笑)」

――羽多野さんが演じる冷川理人は、コミュニケーション能力に問題がある除霊師。島﨑さんからご覧になって、羽多野さんに冷川っぽいところはありますか?

島﨑 「羽多野さんは、マネジャーさんから『(冷川役に)ぴったりですね』って言われたんですよね?」

羽多野 「そうなんだよ(笑)」

島﨑 「と言っても、羽多野さんは冷川と違って、ちゃんとコミュニケーションも取れる方で…。でも、羽多野さんの中にも“変なもの”があるんじゃないかと…」

羽多野 「あははははは(笑)」

島﨑 「この業界で10年以上やっている人には、どこかしら変なところがあるんじゃないかと僕は思っているんです」

羽多野 「自分も含めて変なところがあるってことね(笑)」

島﨑 「はい(笑)。それが求められる声優の魅力につながっていると思うんです。自分で言うのも恥ずかしいんですけど…」

羽多野 「確かに」

島﨑 「周りの先輩方を見ても、みなさん、ちょっと変なところがあると思いません? 例えば、台本を読み始めたら何をされても気付かない人や、演じていると暴走機関車みたいに止まらなくなってしまう方とか…。で、羽多野さんは普段、誠実でそういうところをあまり見せないから、余計に周りは変なところを突っつきたがると思うんです。普段から変なところがダダ洩れしている人ではないので、“そういうところを見せてくれ”って思というか…」

羽多野 「見た目だけだと美青年だけど、中身が全然違うところが冷川というキャラクターの面白いところだと僕は思ってる」

島﨑 「冷川の持つ執着とか独占欲って、ともすればネガティブに思われがちですけど、一つのことに集中できること、継続できることって、声優にとって重要な資質でもあると思うんです。そういう意味で羽多野さんにも執着ってあるんじゃないかなって」

羽多野 「例えば、ゲームをやっていて、まっすぐプレーをすれば1週間でクリアできるのに、1年ぐらい掛けたりすることはあるかも」

島﨑 「あはははは(笑)」

羽多野 「一つのゲームを味がしなくなるまで、やり尽くすようなところとかね」

島﨑 「ほら、やっぱり変なところがあるでしょ(笑)」

――羽多野さんからご覧になって、島﨑さんが三角っぽいところはありますか?

羽多野 「本当は冷川のように金髪サラサラヘアの美青年の声というと、アンケートを取ったらきっと島﨑信長って答えが返ってくると思うんです」

島﨑 「イメージでいうと、僕ら逆ですからね」

羽多野 「でも、僕らはこのキャスティングにすごく納得しているんです。ある意味、2人とも新たなイメージの向こう側に行けたチャレンジングな試みだったのかなって」

――では、最後に視聴者の方々にメッセージをお願いいたします。

羽多野 「たくさんの要素が詰まった作品だと思います。ホラーテイストだけでなく、人間同士の絆が描かれていて、ちょっとドキッとするシーンもあったりして、どのキャラクターに感情移入するかによって、何倍も楽しむことができます。見終わった後に、いろいろと考えてくださったらうれしいです! ぜひ見逃さず楽しんでください!」

島﨑 「人間を多面的に描いた深い魅力のある原作のアニメ化に対して、すばらしいスタッフ、キャスト一同が全力で取り組ませていただきました。この作品は、一話一話の積み重ねがちゃんとつながりのある形で描かれています。各部門のプロフェッショナルな方たちの確かな技術力と愛と思いが感じられるすてきなアニメになっていますので、最後まで余すことなく楽しんでいただきたいです!」

【プロフィール】

島﨑信長(しまざき のぶなが)
12月6日、宮城県出身。アニメ「ルパン三世 PART6」(日本テレビほか)、「ヴィジュアルプリズン」(TOKYO MXほか)などに出演中。2022年2月18日公開の映画「フルーツバスケット –prelude-」、3月公開の「ブルーサーマル」にも出演。


羽多野渉(はたの わたる)
3月13日、長野県出身。アニメ「MUTEKING THE Dancing HERO」(TOKYO MXほか)などに出演中。’22年1月スタートの「オリエント」(テレビ東京ほか)、2月4日公開の「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 -STASHA-」にも出演。11thシングル「Breakers」が発売中。

【番組情報】 

「さんかく窓の外側は夜」島﨑信長&羽多野渉 インタビュー

[「さんかく窓の外側は夜」放送記念特番 島﨑信長×羽多野渉 独占インタビュー【後編】]
ホームドラマチャンネル
12月10日
金曜 午後1:45~2:00
※再放送=12月19日【前編】深夜3:30~3:45【後編】深夜3:45~4:00、1月7日【前編】深夜2:00~2:15【後編】深夜2:15~2:30

昔から不気味なモノを“視て”しまう三角(島﨑)と除霊師の冷川(羽多野)がコンビを組んで怪奇事件に挑む「さんかく窓の外側は夜」(同局にて毎週金曜放送中)の見どころや魅力に迫る。新感覚・霊感エンターテインメントである本作の制作秘話を語るほか、「さんかく窓」クイズやせりふ再現などにも挑戦!

【作品情報】 

「さんかく窓の外側は夜」島﨑信長&羽多野渉 インタビュー

[さんかく窓の外側は夜]
ホームドラマチャンネル
金曜
深夜2:00~3:00(2話連続)
※再放送=【#1~3】1月23日深夜2:35~深夜4:00、【#4~8】1月30日深夜1:30~深夜4:00、#9以降は2月

累計発行部数200万部を突破した大人気漫画のアニメ化。昔から不気味なモノを“視て”しまう体質の三角(島﨑)は、除霊師・冷川(羽多野)にその才能を見い出され、心霊探偵コンビを無理やり組まされる。三角に執着する冷川と、冷川を放っておけない三角のコンビが数々の事件を解決していく。

【お知らせ】

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文/今泉 撮影/和田浩 素材提供/ホームドラマチャンネル



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