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梶原岳人◆「アニメの中の男子高校生というよりは、どこにでもいる高校生を意識しました」2021/09/29

梶原岳人◆「アニメの中の男子高校生というよりは、どこにでもいる高校生を意識しました」

 絶世の美女で“コミュ症”(人付き合いを苦手とする症状、またはその症状を持つ人)のヒロイン・古見さんが、クラスメート・只野くんの力を借りながら“友達を100人作る”という夢をかなえようとする――。

 そんな物語を描く学園コメディー漫画「古見さんは、コミュ症です。」を原作としたアニメがいよいよスタートする。そこで、本作で只野仁人役を務める梶原岳人にインタビュー! 出演が決まった時の心境や、演じる時の苦労について聞いてみた。さらに、「すごくコミュ症」だと語る梶原が仲の良い同業者も明かしてくれた。

――「古見さんは、コミュ症です。」の原作漫画を読まれた時、どんな印象を受けましたか?

「自分のツボにすごくハマる作品だと思いました。小さい頃はファンタジーやアクションみたいな分かりやすい作品が好きだったんですけど、最近は些細な日常の中で起こる変化を描く作品も好きなので、『古見さん~』は読みながら“好きだなぁ”と」

――「古見さん〜」は、まさにそういうテイストですもんね。

「なおかつ、笑いどころも多くて随所で笑ってしまうんですよ。それぞれのキャラクターも立っていますし、性に合っているのかなと感じています。それに、古見さんも只野くんもそれぞれに淡い気持ちを持っているんだけど、伝えたくて伝えられない。そういう恋愛的な要素もすごく好きです。ラブコメは昔から好きだったので!」

――いろんな意味で琴線に触れる作品だったと。では、オーディションに受かった喜びはひとしおでしょうね。

「そうですね。面白い作品だからぜひ関わりたいと思っていたので。実は、オーディションを受けた時は、僕自身いろいろ分からなくなっていたんですよ。“オーディションとは何なんだろう”、“何が良かったら受かるんだろう”、“あいさつをもっとテキパキしたらいいんだろうか”って。そんな最中だったので、余計にうれしかったです。“一つ認めていただけたのかなぁ”と感動しました。『決まりました』と連絡が来た時には、思わずガッツポーズしちゃいましたし(笑)」

梶原岳人◆「アニメの中の男子高校生というよりは、どこにでもいる高校生を意識しました」

――現在は、どの現場でも少人数でアフレコをしていると聞きます。「古見さん〜」は、どういった形で収録されていますか?

「ブースには一度に4人までしか入れないんですけど、特に掛け合いの多い古見さん役の古賀葵さんと長名なじみ役の村川梨衣さんとは、一緒に収録できるようにしていただいています。で、各話数でメインになる方がそこに加わることもある、という感じ。個人的にはやりやすい環境ですね。それに、アフレコ前にコミュニケーションを取れるのもありがたいです」

――というと、お話できる時間があるということですね。

「はい。前のグループの方がアフレコを終えるまで待機しているので、その時間で結構お話できるんです。お互いの人となりをほとんど知らない状態でアフレコに挑むよりも、どんな人なのか分かった状態で挑めた方がリラックスできるから、心持ちも結構違いますよ」

――ちなみに、アフレコ自体はいかがですか?

「基本的に古見さんは、他のキャラクターとセリフがかぶることが多くて…。本番テークの時は、かぶってしまうセリフだけ別に収録することになるんです。つまり、その部分は掛け合うことができないんですけど、本番の前にやるテストの時は掛け合えるので、テストで感覚をしっかりつかんで本番に臨むようにしています。そこは、『古見さん〜』のアフレコで難しい部分かもしれないですね」

――では、只野くんを演じるにあたりポイントにしている部分は?

「8話まで録ったんですけど(※取材時)、1話の頃に感じていた只野くんと、8話現在の只野くんではイメージが大きく変わっていると感じています。最初の頃は、周りのキャラクターがすごく立っているから“負けないくらいのリアクションをしよう”と思っていたんです。ツッコむことが多い役柄だから、周りの温度感に上乗せする感じでツッコミを入れたりして、さらに盛り上げようと…。だけど、それをベースに(役を)作っていったら、『あくまでも普通であってほしい』とディレクションを受けました。只野くんは、只野仁人という名前の通り『ただの人』なので」

梶原岳人◆「アニメの中の男子高校生というよりは、どこにでもいる高校生を意識しました」

――ある意味、“普通が個性”というか…。

「確かに、監督からも『どこにでもいる高校生だと意識してほしい』と言われていたんですよ。そこで、“自分が持って行った只野くん像は少し違うかもしれない”と気付いて、だんだんと修正していきましたね。アニメの中の男子高校生というよりは、どこにでもいる高校生を意識しました」

――でも、役者さんにとって普通は一番難しいと聞きます。

「そうなんですよ。アニメをやっているとどうしてもキャラクターとしてデフォルメしてしまうので、“普通”は本当に難しいです。しかも、僕はこれまでファンタジー作品をやることが多かったので、日常的な作品の中で生きる普通の人というのは特に難しいんです。ただ、ちょっと攻めたシーンがあってもいいと思うんですよね。デフォルメしていいところは只野くんでできるギリギリのラインを攻めて、抑えるべきところは抑えて…と、都度ディレクションもいただきつつ、只野くんなりの“普通”を作っています」

――ところで、梶原さんは「古見さん~」の公式サイトに寄せたコメントに「僕自身、とってもコミュ症」と書いていましたが、仲の良い声優さんはいらっしゃいますか?

「僕、同世代や後輩よりは先輩にワーッと行く方が性格的に合っているんですよ。中でも…誰だろう? ラジオ『Neu天才軍師』でご一緒している安元洋貴さんには、お仕事の話からプライベートなことまでいろいろお話していただきますね。あとは小野D(小野大輔)さんや福山潤さんとは、プライベートでご飯を食べに行きますし、事務所の先輩の諏訪部順一さんとは車の話で盛り上がったりします。仕事絡みで旅行に行くこともありました」

――皆さん、上の世代の先輩ですね。

「そうですね。同世代で言えば…天﨑滉平さんとは仲良しですよ。いろんな作品でご一緒していますし、車もお互い好きですし」

――諏訪部さんもそうですが、共通の趣味があると仲良くなれるのかもしれませんね。

「あ、それはありますね! コミュ症の僕でも、車の話ができると距離が縮まりやすい気がします」

梶原岳人◆「アニメの中の男子高校生というよりは、どこにでもいる高校生を意識しました」

【プロフィール】

梶原岳人(かじわら がくと)
11月28日、大阪府生まれ。射手座。B型。今年始まった新作オリジナルCDコンテンツプロジェクト「東京カラーソニック!!」では瀬文永久役を担当。10月20日に1stミニアルバム「何処かの君に」をリリースする。

【作品情報】 

梶原岳人◆「アニメの中の男子高校生というよりは、どこにでもいる高校生を意識しました」

「古見さんは、コミュ症です。」
10月6日スタート
テレビ東京ほか
水曜 深夜0:00~0:30

オダトモヒトの同名漫画が原作の学園コメディー。絶世の美女で“超コミュ症”な古見さん(古賀)は、友達を100人作るのが夢。あるきっかけから1人目の友達になった只野くん(梶原)は、残り99人の友達作りを手伝うことになるが…!? 個性豊かな同級生らにも注目!

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取材・文/松本まゆげ 撮影/YURIE PEPE  ヘア&メーク/三浦遥 スタイリング/内田考昭



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