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最終回目前「半分、青い。」に探る “朝ドラを録画で見る人々”の視聴事情2018/09/25

 NHK連続テレビ小説「半分、青い。」がいよいよ佳境を迎えている。1990年代から2000年代にかけてフジテレビやTBSで多くのヒットドラマを生み出した脚本家・北川悦吏子氏が初めて朝ドラを手掛けるということで放送前から話題を呼んでいたが、放送開始後は主人公の言動やストーリー展開にSNS等で議論百出。賛否両論が巻き起こる中で、さらにドラマの注目度も増していくという今までにないタイプの朝ドラになった。ということで、今回はそんな連続テレビ小説のニュータイプ「半分、青い。」の視聴傾向を、関東で27万台を超える東芝レグザ録画視聴データから読み解いてみる。

 今年4月2日に放送された「半分、青い。」第1回から9月8日放送の138回までを集計、地上波(NHK総合の本放送)の録画視聴回数が多い順に20本並べたのが以下の表である。ポイントは最も数値が高かった回を100とした比率である。

 直近の9月第1週に放送されたエピソードが1、2、3、6位と上位を占めた。離婚して東京に帰ってきた律(佐藤健)が鈴愛(永野芽郁)や正人(中村倫也)と再会、新たな夢を目指す最終章。鈴愛と律の心の行方もクライマックスだ。続く4位には8月25日放送の126回。原田知世演じた和子さんの葬儀の日、鈴愛と律が川辺で絆をかみしめる。律の「…てか、いろよ。いてよ」に胸を締め付けられた人も多いだろう。5位は8月6日の109回。鈴愛が離婚して岐阜に戻り、夏虫駅でのプロポース以来13年ぶりに律と再会を果たした回だ(この日は広島記念式典のため、放送時間が変則的だったことも順位に影響しているかもしれない)。そして8位の73回は、まさにその夏虫駅でのプロポーズの回である。

 7、9、13位を占めたのは、8月30日から9月1日にかけての130~132話。アメリカ行きを決めた律と、思い出の川辺での5秒間だけのハグは名シーンだった。でも「数えて、5秒」と律に振る鈴愛はなかなかの悪女だ。4秒目が長くなるのも仕方ないかもしれない。そして、10~12位には7月初頭の80~82回がランクイン。「漫画家あかんかも」と電話する鈴愛に、祖父・仙吉(中村雅俊)が「あの素晴らしい愛をもう一度」を歌いかける80回。豊川悦司扮する秋風先生に別れを告げ新天地を目指す鈴愛が、吹っ切れたようにユーコ(清野菜名)&ボクテ(志尊淳)と「ユー・メイ・ドリーム」を歌い踊る81回。一転、100円ショップ・大納言でのバイト生活が始まる82回と、まさに怒濤の展開だった。上位に入ったのはどれも心に残るエピソードばかりで、やはり話題になった回やファンお気に入りの回が繰り返し視聴されているという傾向が如実に見て取れる。

 続いて下に掲げたのは、第1回から138回までのポイントを放送順にグラフにしたものである。

 多少の凸凹はありつつも、一貫して右肩上がりでポイントが上昇しているのが分かる。念のため前年の連続テレビ小説「ひよっこ」についても調べてみたが、やはり放送当初の数字は低く、番組終盤に大きくポイントを上げている。一般にNHK連続テレビ小説は世帯視聴率も高く、再放送も多く、また習慣性の高いプログラムでもあるので、ゴールデンタイムの連続ドラマに比べると録画視聴への依存度は低い。従って放送開始当初から録画視聴ポイントが高いということはあまりない。ドラマの面白さや評判が広まることで、それまで見ていなかった視聴者を開拓していったり、朝ドラを見づらい生活パターンにあるような層を巻き込んでいく。それが大きなムーブメントにつながっていくのだろう。世帯視聴率では分かりにくい、こうした動きが、録画視聴のポイントを追っていくことでよりつかみやすくなったといえそうだ。

 そんな「半分、青い。」の放送も残すところあとわずか。脚本を書いた北川氏によると、ラストには炎上必至のおそろしい展開が待っているという。この「半分、青い。」はこれまでも、いわゆる朝ドラらしさという決め事のようなものをことごとく裏切ってきたが、そのやり方は最後まで貫かれていくようだ。

 今回の視聴データ分析は締め切りの都合で9月8日までのデータで行ったが、放送終了までを集計した昨年の「ひよっこ」のデータを見ると、ポイントの上位ベスト20はすべて9月放送分の回で占められており、最終話に至っては2位以下を大きく引き離す断トツの高ポイントをマークしている。「半分、青い。」でも、ラスト3週間で数字を大きく伸ばしてくる可能性は十分にある。どんなストーリー展開が待っているのか、鈴愛と律の長い恋はどう決着するのか、そして最終回がどこまでポイントを伸ばすのかも楽しみである。

【ご注意】

・ランキングデータは、関東1都6県の東芝製テレビのユーザーから許諾を頂いた約43万台の視聴情報を、インターネットTVガイドが集計し、独自のジャンルごとにランキング形式にまとめたものです。 ・ポイント数は1位を100とした場合の比率となります。

文/武内朗
提供/東芝映像ソリューション株式会社

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