「今夜もシリアルキラーと待ち合わせ」中林佳苗Pと本音トーク「あかりサーチ、一本!」第12回2026/07/10 12:00

TVガイドWeb特派記者の佐藤あかりです。今日のインタビューのお相手は関西テレビの中林佳苗プロデューサーです。中林さんがご担当されているのは、この連載第9回でもご紹介した私の出演作でもある、カンテレ・フジテレビ系のドラマ「今夜もシリアルキラーと待ち合わせ」(水曜午後11:00)です。
横山裕(SUPER EIGHT)さん演じる磯貝と、関水渚さん演じるヒナタが、連続殺人鬼・シリアルキラーを追うバディサスペンスドラマ、皆さんご覧になってくださいましたか? この現場はとにかく温かくてとても居心地がいい現場でした。おかげさまで私も顔合わせの時から伸び伸びと、そして安心してお芝居に集中することができました。このすてきな現場を作り出す秘訣(ひけつ)も伺いたいと思っています。
それではいきますよ~。
「あかりサーチ、一本!」
中林プロデューサーの歩みと作品づくりへの熱い思い

――よろしくお願いします。ではまず中林さんのこれまでのキャリアについて教えていただけますか?
「(佐藤特派記者のメモをのぞき込み)うわぁ、めちゃくちゃ調べてくれてますね。すごい!」
――はい、しっかり調べさせていただきました(笑)。
「ありがとうございます。私は群馬出身で東京の大学に通っていたんですが、その時にテレビ局でアルバイトをしていたんです。その時に『なんか変な人がいっぱいいて面白いな』って思ったのがきっかけで就職活動はテレビ局を受けることにしました。そこで受かったのが関西テレビでした」
――なじみのない番組が多かったんじゃないですか?
「そうなんですよ。東京でも放送されている番組以外はほとんど知らなかったんです。とにかくドラマを作りたくて入社したのですが、1年目から制作の配属にはなれたんですけど、向こうはバラエティー制作がメインになるんですよね。なので、なじみのないコテコテの関西弁が飛び交うバラエティーを3年間作っていました」
――コテコテだったんですね(笑)。
「そうなんです(笑)。4年目に東京支社の宣伝部に配属になり、そこで2年、広報宣伝のお仕事をしたあと、コンテンツビジネスという配信ドラマの部署を経て、今はドラマ制作部にいます」
――これまでにお仕事されて、悔しかったことはありますか?
「最初に配属されたバラエティーのADの時にいっぱいミスりすぎまして(笑)。とにかく怒られまくったんですよ。入社したての新人ということもあり、かなりもまれました。その3年間で鍛えていただき、精神的にはとても強くなれたと思います」
――それを「いい経験」と言い切れるその強さは、ご自身の夢や軸があるからですよね。すてきだと思います。
「うれしかったのは、1本、ドラマの監督をやらせてもらったことですね。監督が3人いる作品だったんですが、どういうふうに個性を出すべきなのか迷っていたんです」
――それは緊張しますね。
「同じようにやったら任せてもらっている意味もないなと思いまして。それが正解かどうかは置いておいて、結果、自分らしいテイストに演出できたかもと感じました。成果とまでは言えないですけど、自身で納得ができたのは1個うれしかったことです」
「Huluクリエイーターズ・チャレンジ」に挑戦。ファイナリストへ選出

――ご自身で脚本・監督を務められた「姉にヒュッゲを教えたい」という作品がありますがこれは?
「はい。制作から離れたタイミングでアピールじゃないですけど、自分で動くしかないなと感じていた時に、ちょうど誰でも応募できる『Huluクリエイーターズ・チャレンジ』という企画があったんです」
――忙しいテレビ局のお仕事されている中で脚本・監督ですよね。それでも賞をちゃんと受賞されているというのは、本当にすごいと思いました。脚本とか書くのは元々お好きだったんですか?
「大学の時に基礎の基礎を学んだだけで、あとは感覚でした。全く自信はなかったのですが、いろいろな巡り合わせで賞をいただけて、とてもうれしかったです」
――その時のインタビューを拝見させていただいたんですが、そこで『ドラマ作りの楽しさを再認識できて、とてもいい経験になった』というコメントがありました。
「そうですね。それまではふんわりと『ドラマをやりたい』って思っていたのが、実際に脚本を作って、それを役者さんたちが演じてくださって、そこに自分で演出をつけて……そうして作品が形になっていく過程を実感できたのは、とても大きな経験になりました」
――監督業はいかがでしたか?
「監督という仕事をゼロから身をもって体感しました。お芝居を役者さんと考えるのもそうだし、全体的なトーンやテーマの見せ方や考え方とか。あとは現場に協力してもらう上でどう伝えたら自分のやりたいことが伝わるかなとか。たくさんのことを深く考えたきっかけになりました」
――ご自身の中で気付いた点はありますか?
「今はプロデューサーという立場でものづくりをしていますが、『伝えること』が一番大事だと改めて感じています。ドラマはプロたちの共同作業ですから、それぞれの部署にどのポイント、どのキーワードで話したら一番伝えたいことが伝わるんだろうなって考えています。ガツンと『これで』っていう言い方ではなく『一緒に考えてくれませんか?』の視点というか。監督も同じで、プロたちを引き寄せて、そのいいところをちゃんと最後は自分で選んでいく仕事だと思います」
「今夜もシリアルキラーと待ち合わせ」の舞台裏と役者たちへの感謝

――とてもすてきだと思います。私も自分の意思や気持ちの伝え方は気を付けようと思いました。ありがとうございます。この「今夜もシリアルキラーと待ち合わせ」という作品においてプロデューサーとして面白いなって感じていらっしゃる部分はどこでしょう。
「視聴者の皆さんに見ていただくためにどんな打ち出し方をしていったらいいのか、全体の雰囲気、トーン、ビジュアル面も含めて、大前提となる“ガワ”を固めていける面白さはプロデュースならではですよね。あとは脚本には深く絡んでいくので、脚本家と一緒にセリフや中身を作っていくのはとても面白いし、それこそ監督・演出の範疇(はんちゅう)の一歩手前まで踏み込めることもやりがいを感じます」
――私も役者として参加させていただいた「今夜もシリアルキラーと待ち合わせ」はとても温かくて居心地のいい現場でした。その秘密はどこにあるんでしょうか。
「チームワークがいい現場ですけど、キャストの皆さんの存在が大きいと思います。横山さんは常に現場を気にしてくださってますね。『全員が一緒のスタッフだよ』みたいな雰囲気を作ってくれています。一つのドラマチームだっていう感じをすごく出してくれるので、現場の士気が上がってありがたい限りです」
――素晴らしい座長ですね。関水さんはいかがですか?
「お芝居が達者な方だなって思いながらこれまでの作品を見ていましたが、現場ではなんだかすごく人間らしかったんですよ。いい意味の普通っぽさを持っていて。すてきなヒナタ役が出来上がっていると思います」
――ありがとうございます。中林さんは昨年「未恋~かくれぼっちたち」(カンテレ・フジテレビ)で8話の脚本を担当されたり、その主題歌の「灯火」のミュージックビデオの監督をされたりと、本当にたくさんの役割をされていますよね。今後についてはどのようにお考えでしょうか。
「監督業をしたい気持ちもあります。同時に企画の立ち上げにもやりがいを感じていて、オリジナル企画をやりたいっていうのもあるんですよね。となると必然的にプロデューサー……どうにかうまく両方に関われないかなみたいな感じですね。オリジナルで世界観も作り上げて、監督の領域までやれたらいいなって思いますけど……ちょっと連続ドラマだと大変そうですね」
――中林さんはやりたいことがしっかり決まっていらっしゃるタイプなんですね。
「わがままと言ったらそうなんですけど。興味があることとないことへの差が大きい性格なんだと思います。どうせなら自分が興味あることを全部頑張りたいなっていう感じです」
――中林さんなら絶対できます! さっき「伝えることが大事」というお話を聞いて本当にそう思いました。
「ありがとうございます」
中林Pの素顔に迫る! 恒例企画「一問一本!」

――では最後に「一問一本!」という即興質問に5秒以内で即答いただく質問です。
「うわ。難しい」
――1問目です。ご自身を動物に例えるなら。
「……ナマケモノとかだと思います。興味のないことには基本動かなくて、家でグダッとしてます(笑)」
――では、コンビニでつい買っちゃうものは?
「なんだろうな。グミかな? グミに限らずお菓子が好きでいつも口に入れてます」
――あ。この現場スタッフはお菓子好きが多いって聞きましたよ。中林さんもその一人ですね。じゃあ今、一番欲しいものは?
「カメラが欲しいです。撮り方とか、実際に自分の手を動かして勉強してみたくて。練習ならスマホでも十分なんですけど、いいカメラがあったら欲しいですね」
――では今週一番笑ったことは?
「一番笑ったのは……ちょうど1話の編集が終わったんですけど。チーフ監督の坂本(栄隆)さんの演出に笑いました」
――え? サスペンスドラマですよね?
「そうです。でもしっかり坂本ワールドもあって笑いました、編集場所で」
――それ坂本監督がいるところで笑っているんですよね!?
「そうですよ(笑)。スタッフみんなで大笑いしながら見てました。出来上がりがちょっとポップなところもあるんです。ぜひそこも楽しんでほしいですね」
――それは楽しみです。では来月もし髪の色を変えるなら?
「金髪にしたいです。めちゃくちゃやさぐれたみたいになりますけど(笑)」
――最後に「TVガイドWeb」の読者の皆さんに一言お願いします。
「シリアルキラーが出てくるバディものですから、外側だけ見たらサスペンス要素強めの、ちょっと怖い話をイメージされていると思うんですけど、さっきお伝えしたように、ふたを開けてみたら軽い気持ちで見られるところも多い作品です。しっかりしたストーリーももちろんですけど、ポップな雰囲気も楽しんでくださいね」
――今日は貴重なお話、ありがとうございました。
あかりサーチ後記

中林さんと初めてお会いしたのは、出演者としてドラマの顔合わせと衣装合わせの時でした。きれいな瞳で、しっかりと私の目を見てくださったことがとても印象に残っています。中林さんは、ただ自分の考えを伝えるのではなく、「相手を理解すること」をとても大切にされている方でした。そして、その根底には、相手への思いやりや愛がたくさん詰まっていることに気が付きました。人を動かそうとするのではなく、人と一緒に考える。その姿勢があるからこそ、あの温かい現場が生まれるのだと感じました。
まだ数回しかお会いしていませんが、ふと、中林さんは、たき火のような方だなと思いました。芯があって、じんわり温かくて、気付けば自然と人が集まってくる。強く燃え上がるというより、そっと周りを照らしてくれるような存在。私も中林さんのように、思いやりの深い人間でいたいです。同い年ということもあり、とても刺激をいただきました。またご一緒できるよう、私もお芝居を頑張りたいと思います! すてきなお話をありがとうございました。
【プロフィール】

中林佳苗(なかばやし かなえ)
1995年6月21日群馬県出身。立教大学卒業後、2019年に関西テレビに入社。東京支社(東京制作部)所属。「第2回Huluクリエイーターズ・チャレンジ」で応募した企画「姉にヒュッゲを教えたい」(出演:吉川愛、山崎紘菜、前原滉)で5組のファイナリストに選出。脚本・監督を務め、オーディエンスアワードを受賞。現在「今夜もシリアルキラーと待ち合わせ」のプロデューサーを担当。
佐藤あかり(さとう あかり)

1996年2月23日大分県出身。特技は剣道(3段)。インターハイ3位、全国大会優秀選手賞受賞。渡辺正行さん率いる剣道普及番組「剣道まっしぐら!」(YouTube/2020年~配信中)にレギュラー出演中。雑誌「B.L.T.」に「日本一かわいい剣道女子」としてグラビアに登場以来、剣道タレントとして注目を浴びる。B.L.T.Webにて「あかりくらぶ」連載中。
【Information】
「あかりサーチ、一本!」のスペシャル動画が公開中! インタビュートークに加えて、即興質問に5秒で答える「一問一本!」など見どころいっぱいです。YouTube「東京ニュース通信社チャンネル」でお楽しみください。
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