松本人志のドキュメンタリーを彩ったBGM。亡きオカンとの思い出と「おかんよ」誕生秘話「西田二郎+第4回」2026/05/08 17:00

「ダウンタウンDX」を20年にわたってけん引し、今は「DOWNTOWN+(ダウンタウンプラス)」で「謎の男」として暗躍する“伝説のテレビマン”西田二郎。テレビの枠を飛び越え、長年苦楽を共にした出演者の素顔や番組の裏側、独自の視点でエンタメの最前線を赤裸々につづる不定期連載「西田二郎+(プラス)」! 今回は「松本人志のドキュメンタリーと亡きオカン」を語る。
どうも、西田二郎です。
今回は少し趣向を変えて、僕の音楽活動の話、そして「オカン」の話をしようと思います。
「DOWNTOWN+」で母の日の5月10日から配信される予定(12分の特別先行映像はYouTubeで8日公開)の、松本さんがお母ちゃんの秋子さんに会いに行くドキュメンタリー「その日。」。その映像の裏で流れるBGM、実は僕が作曲した「おかんよ」っていう曲なんです。
あれは駅のホームにいるときに、ふいにメロディーが浮かんできてね。それを鼻歌で録音して、長年一緒に音楽をやってるピアニストの栗本修さんに送ったら、すてきなピアノの演奏に仕上げてくれたんです。
実は僕、49歳の時に単身赴任で大阪に戻って、しばらくオカンと親子水入らずの生活をしてた時期がありました。一緒にイオンモールへ買い物に行ったり、食卓でたわいもない会話をしたり……。ほんまにいとおしい時間やったんですけど、その後、オカンが病気で倒れてしまったんです。
お医者さんからは「覚悟してください」と言われました。それで実家の整理をしてたら、引き出しからオカンが書いていた歌詞が出てきたんです。「五木ひろしさんに歌ってほしいねん。テレビの世界におるあんたならできるやろ」って、以前お願いされていた詞でした。
僕はすぐにその歌詞に曲を付けて、栗本さんに送りました。状況を察してくれた栗本さんは、早朝にもかかわらず、すぐに音源を作ってくれてね。そうしてできたのが「水の流れに」という曲です。
余命いくばくもないと宣告されていたオカンは、自分で書いたその歌を聴いて、そこから3か月も頑張ってくれました。ちなみにこの「水の流れに」は、今でも第一興商のDAMのカラオケに入っていて歌えるんですよ。
僕のオカンは、昔から「あんたは天才やから」って、ずっと僕に言い続けて育ててくれました。その言葉があったから、僕は水みたいにあらゆるものに適応して、自分の形を変えながら、テレビでも音楽でも自由にやらせてもらってるんやと思います。
松本さんと秋子さんの大切な親子の時間に、僕の「おかんよ」という曲が寄り添えたこと。なんか、オカンがつないでくれた縁みたいで、感慨深いものがありましたわ。
【プロフィール】
西田二郎(にしだ じろう)
1965年生まれ。1989年に読売テレビ入社。「11PM」のディレクターを経て、「ダウンタウンDX」のプロデューサーに。2015年に営業局へ異動し、新規事業などを担当。現在は静岡放送(SBS)のCCIO(チーフコンテンツイノベーションオフィサー)を務めるほか、一般社団法人未来のテレビを考える会の代表理事なども務める。
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