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心は“ドロドロの湿地”?「水曜どうでしょう」藤やんに見抜かれた素顔「西田二郎+」第3回2026/05/01 17:00

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心は“ドロドロの湿地”?「水曜どうでしょう」藤やんに見抜かれた素顔「西田二郎+」第3回

 「ダウンタウンDX」を20年にわたってけん引し、今は「DOWNTOWN+(ダウンタウンプラス)」で「謎の男」として暗躍する“伝説のテレビマン”西田二郎。テレビの枠を飛び越え、長年苦楽を共にした出演者の素顔や番組の裏側、独自の視点でエンタメの最前線を赤裸々につづる不定期連載「西田二郎+(プラス)」! 今回は「藤やんに見抜かれた素顔」を語る。

 会社を辞めるとき、先に独立を果たした周りの人からは「辞めたらすがすがしくなるよ」「スッキリするで」ってよく言われたんですけどね、僕の場合は退職した4月1日を迎えても、なんっにも変わらなかったんです。スッキリ感ゼロ。

 なんでかなって考えたんですけど、僕、読売テレビ時代から営業企画とか新規事業とか、ずっと自分の好きなように、やりたいようにやらせてもらってたからなんですかね。「ああ、会社が僕に鎖をつなげてなかったんやな」って、辞めてから改めて実感しました。縛られてなかったから、解き放たれた感もなかったという(笑)。

 僕って、パッと見は結構カラッとしてるように見えるらしいんですけど、実は自分でも認めるくらい「ずっとウジウジしている」人間なんです。日本人の心にある「湿地」みたいなもんを、僕も心の中にどっぷり持ってるんですよ。

 何かアクションを起こすたびに、「AじゃなくてBやったんちゃうか」「いや、あの時Cって言っておけばよかったんちゃうか」って、ずーっと日々悩んでる。会社っていう大きな守られた場所がなくなってからは、その心の湿地感がさらに広がって、もはや湖みたいになってるんですわ。この割り切れない、ジメジメした感情って、しんどい時もあるんですけど、エンタメを作ったり何かを生み出したりする上では、実はすごく大事なもんやとも思ってます。

 この間、静岡で仕事した帰りの電車で、「水曜どうでしょう」のディレクターの“藤やん”こと藤村忠寿さんと一緒でね。僕、藤やんに聞いてみたんです。「服選ぶときとか、悩まへんの?」って。そしたら藤やん、「ない。決めたら決めたで後悔しない」って即答ですよ。

 うわ、僕とは全然違うタイプやなと思って感心してたら、藤やんが僕にこう言ったんです。

「二郎ちゃんのそのウジウジした感じ、どうせみんなには分からないよ。でも、松本(人志)さんが一番分かってるんじゃない? だから一緒にやりたいってなっているんじゃないの?」って。

 これ言われたとき、ハッとさせられましたね。表面はカラカラに見えるけど、中はドロドロでウジウジしてる。僕のそういう繊細でウェットな部分を、松本さんは見抜いて、面白がってくれてるんかなって。

 藤やんの一言で、なんか自分の「湿地」みたいな心も、捨てたもんやないな、それも僕の武器なんやなと思えるようになりましたわ。

【プロフィール】
西田二郎(にしだ じろう)
1965年生まれ。1989年に読売テレビ入社。「11PM」のディレクターを経て、「ダウンタウンDX」のプロデューサーに。2015年に営業局へ異動し、新規事業などを担当。現在は静岡放送(SBS)のCCIO(チーフコンテンツイノベーションオフィサー)を務めるほか、一般社団法人未来のテレビを考える会の代表理事なども務める。

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