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「あかりサーチ、一本!」第2回 AOI Pro.の若手エース・黒澤優介Pにドラマ制作の舞台裏を直撃 前編2026/05/01 12:00

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「あかりサーチ、一本!」第2回 AOI Pro.の若手エース・黒澤優介Pにドラマ制作の舞台裏を直撃 前編

 TVガイドWeb特派記者の佐藤あかりです。映像コンテンツの最前線をクローズアップするこの連載、今回はメイン企画の直撃インタビューになります。

 初インタビューのお相手は、前回AOI Pro.の本社ビルをご案内してくださった黒澤優介プロデューサーです。企画したHuluオリジナル「おとなになっても」は2025年Huluオリジナル部門1位を獲得し、日本テレビでも放送されました。直近では、1月に放送した「TOKYO 巫女忍者」(日本テレビ)、Huluオリジナル「リターン・ザ・ギフト」「メルカトル・ナイト」、AOI Pro.コント公演「混頓」シリーズをプロデュースしているんですって。28歳という若さにして数々の話題作をプロデュースしているAOI Pro.の未来のエースですね! 業界のここだけの話もたくさん聞き出したので、どうぞ最後までお楽しみください。

 それではいきますよ~。「あかりサーチ、一本!」

AOI Pro.の若手エース黒澤優介プロデューサー

「あかりサーチ、一本!」第2回 AOI Pro.の若手エース・黒澤優介Pにドラマ制作の舞台裏を直撃 前編

――現在、ドラマや映画、舞台にコミック作品まで数多くの作品を手がけていらっしゃる黒澤さんですが、まずはこれまでの経歴や、AOI Pro.に入られたきっかけについて教えていただけますか?

「実は私、早稲田の学生劇団出身で、芝居の経験がありまして。キャラメルボックスやラッパ屋などを輩出した「劇団てあとろ50‘」で演劇をやっていました。ただ、その中で自分は俳優よりも、企画を作ってそれをどうスケールアップさせるかの方に興味があるんだと気付いたんです」

――具体的にはどのようなお仕事を経験されたんですか?

「最初は広告代理店に入り、アニメコンテンツを担当しました。作品をどう展開させるのか、その流れを一通り経験させていただきました。その後、やっぱり実写作品を手がけたいという思いがあって、『かりあげクン』という作品の実写化企画を出したところ、それが通りまして。その制作がAOI Pro.だったんです。そこで今の上司と出会い、『うちに来ないか』と声を掛けていただいて、入社することになりました」

AOI Pro.ってどんな会社? ほかの制作会社との違いは?

――改めてAOI Pro.という会社について伺わせてください。私の中ではCMやドラマのイメージが強いんですが、実際にはどのような会社なのでしょうか?

「事業の軸としては、これまで通りCMなどの広告映像制作が中心になりますが、近年はそれに加えて、ドラマや映画、舞台、IPコンテンツなど、エンターテインメント領域にも注力しています。私が所属しているのは、そのエンタメコンテンツを企画・制作するコンテンツビジネス部です。映像作品を受注して制作するだけでなく、企画段階から関わり、コンテンツとしてどう広げていくかまでを担っています」

――他の制作会社との違いはどこにあるんでしょうか?

「最近はありがたいことにドラマや映画などさまざまな映像作品に関わらせていただく機会が増えていますが、当社の特徴は制作だけではなく『企画』と『出資』にも関わることにあります。企画段階から関わって、自分たちでその作品の価値を考えていく。その上で、出資という形で事業にも参加することで、受託だけではなく、自分たちのコンテンツとしてどう広げていくかまでの責任を持つことになります。なので、『どう作るか』だけではなく、『どう届けるか』『どう広げるか』まで含めて考えている点は、大きな違いだと思います」

――なるほど。「企画」と「出資」は大きな違いですね。そこまでの責任を持って作品作りに関わるからこそ今のAOI Pro.があるんですね。

仕事を一つずつ前に進めるための意識

――いま黒澤さんがプロデューサーとして関わられている作品について、ぜひ注目してほしいという作品はありますか?

「Huluで独占配信される1話完結の本格ミステリー『ミステリーシネマ』というシリーズが3本あるのですが、そのうち5月1日配信のHuluオリジナル『メルカトル・ナイト』と4月24日配信のHuluオリジナル『リターン・ザ・ギフト』を担当しました」

――「メルカトル・ナイト」は拝見しました!

「ありがとうございます! どうでしたか?」

――主人公を演じられた水沢林太郎さんのシルクハットがすごく特徴的でした! 世界観がしっかりしていて、ドラマなのに映画を見ているような感覚になるというか。音声や音楽も特徴的で気になりましたね。とてもこだわりを感じました。

「それは今回、映画作品を中心に手がけているスタッフでチームを組んでいたからですね。カメラマンにも『ブラッシュアップライフ』や『ホットスポット』(ともに日本テレビ)を撮った谷康生さんに参加していただき、その撮影・照明チームが加わったことで、テレビドラマとは異なるアプローチで作品を設計することができました。重厚感がありながらも繊細な映像表現につながったと感じています」

――ロケーションも印象的でした。場所はどちらだったんですか?

「和歌山の南紀白浜です。2週間くらいで撮影をしたのですが、原作も設定は和歌山だったので、イメージに近かったですよ。自治体やホテルの方々にも全面協力いただけて、とてもありがたかったです」

一つの作品にかける制作期間と脚本の重要性

――今回の作品は、どれくらい前から制作の準備をされていたんですか

「撮影が昨年6月で、その2年前くらいからですね。今回は本格ミステリーを原作にしているため、原作の魅力を損なわずに映像として成立させる必要がありました。そのため、脚本にはかなり時間をかけています。プロデューサー陣で何度も議論を重ねながらブラッシュアップし、原作の先生にも確認していただきました。実は最終的にはエキストラとしてご出演もいただいたんです。完成した作品もご覧いただき、満足していただけたと伺っているので、そこは一つ大きな手応えでした」

――キャストはどのタイミングで決まっていったのですか?

「キャスティングは撮影の半年くらい前から動いていました。今回でいうと、水沢林太郎さんが先に見えていた中で、その相手役をどうするか、はかなり時間をかけて考えました。水沢さんが演じるキャラクターに対して、どんな相棒が一番はまるのか。そこはプロデューサー陣だけでなく、監督の意見も含めながら、いろいろなパターンを検討しています。最終的に須賀健太さんとの組み合わせになったのですが、主演単体で考えるのではなく、2人が並んだ時にどう見えるか、関係性として成立するかというところまで含めて判断しています。結果的にすごくいいバランスになったと思っています」

――現場でのやりとりという点で、監督とはどのようにコミュニケーションを取られているんですか?

「監督とは、とにかくこまめにコミュニケーションを取りながら進めることを意識しています。監督は目の前のシーンに集中する立場で、プロデューサーは作品全体を俯瞰(ふかん)して見る立場になります。その中で、どこまでこだわるか、スケジュールや予算とのバランスをどう取るかといった部分を、都度すり合わせながら進めていくことが大事だと考えています」

――俳優に現場で求められる力ってどんなものだと感じますか?

「これは役者・佐藤あかりさんからの質問ですね(笑)」

――はい、そうです!

「俳優さんに関しては、皆さんプロなのでお芝居自体の心配はあまりしていないです。それよりも、アドリブだったり、セリフにない部分をどう表現されるか、その場でどう対応できるかが大事だと感じています。なので引き出しが多い俳優さんはやっぱりすごいなと思います。撮影は段取りしてテストして、すぐ本番になるので、お互いに本番でどう来るかがほぼ分からない中で完成させなければいけない。その瞬間にいいものが出てきた時はすごく楽しいですね」

――その場の空気や俳優さん同士の駆け引きの中で作られるものが大切なんですね。私もいまワークショップで勉強をしているのですが、演技において大事なことは「相手との呼吸」だと思ったところなんです。そのことにはとても刺激をもらいました。実際の現場でもそうなんですね。演技は奥が深いです。

「あかりサーチ、一本!」第2回 AOI Pro.の若手エース・黒澤優介Pにドラマ制作の舞台裏を直撃 前編

あかりサーチ後記

 皆さん、ロングインタビューはいかがでしたか? 前編はここまでです。AOI Pro.がいま映像制作で数多くの話題作を世に送り出している理由が少し分かった気がします。「どう作るか」だけではなく、「どう届けるか」「どう広げるか」までを考えて作品に臨むそのスタイルは、大きな責任が伴うとともに、作品をより面白くできる可能性に直結しますよね。後編ではもっと踏み込んで「ここだけの話」をしっかりキャッチしました。どうぞお楽しみに!

【プロフィール】

「あかりサーチ、一本!」第2回 AOI Pro.の若手エース・黒澤優介Pにドラマ制作の舞台裏を直撃 前編

佐藤あかり(さとう あかり)
1996年2月23日大分県出身。特技は剣道(3段)。インターハイ3位、全国大会優秀選手賞受賞。渡辺正行さん率いる剣道普及番組「剣道まっしぐら!」(YouTube/2020年~放送中)にレギュラー出演中。雑誌「B.L.T.」に「日本一かわいい剣道女子」としてグラビアに登場以来、剣道タレントとして注目を浴びる。B.L.T.Web連載「あかりくらぶ」

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