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桑子真帆が「クローズアップ現代」新キャスターに意気込み。「目の前のテーマに、必死に向き合っていきたい」2022/03/29

桑子真帆が「クローズアップ現代」新キャスターに意気込み。「目の前のテーマに、必死に向き合っていきたい」

 4月4日放送分からリニューアルされる、NHK総合の報道情報番組「クローズアップ現代」(月~水曜午後7:30)の取材会が開かれ、キャスターを務めることになった桑子真帆アナウンサーと、松本卓臣チーフ・プロデューサーが参加した。

 1993年のスタート以降、独自に蓄積してきた取材力とネットワークを武器に、“「クロ現」しか生み出せない”ジャーナルで独自視点を持った、深く刺さるコンテンツを制作している同番組。リニューアルにともない、松本プロデューサーは「心に刺さるジャーナリズムをテーマに、混迷の時代に、日々の情報が流れていく中で、番組でどこよりも深く独自の視点で掘り下げていくことで、見た方の心に残る企画を手掛けていきたい」と抱負を述べ、さまざまなテーマを取り上げる中で、「唯一のフォーマットとして番組を束ねる存在」として、桑子アナを紹介。

 その桑子アナは「『まさか自分がこの番組の看板を背負うことになるとは』という思いがまだ拭えません。しばらくこの思いは、消えないんだろうなと思っていますが、4月4日は来ますので、気を引き締めてやっていきたいな、と思いを新たにしているところです」と率直な心境を明かす。そして、「さまざまな情報があふれる中で、自分の嗜好に合った番組や情報しか自分に入ってこないような、そんな時代になっていると思うんです。そんな時に『クローズアップ現代』という番組で、Aという考えだけでなく、BもCもDもEもあるんだという、多角的視点を皆さんにお届けして、何かに気付いたり、大切なことを教えてもらったり。いろいろな気付きのある番組を作っていきたいなと思っています」と意気込んだ。

 同番組で初代キャスターを務めた国谷裕子氏に憧れて、自身もアナウンサーを志したという桑子アナ。その理由について、「小学4、5年生ぐらいだったと思うんですが、家で毎日見ていました。その中でキャスターをしていた国谷さんを見ていて、衝撃を受けたんです。このすてきな女性はなんなんだろうと。そこから国谷さんという人間像が常に頭の中にあって、何がすてきなんだろうと考えてみたら、毎回ゲストの方としっかり真正面から向き合っていて、心から向き合っているのが見える。その姿勢は人として大切なことだなと気付きました。自分も人と向き合う時は、しっかり心の中から向き合える人間になろうと思わせてくれた方なんです」と説明。そんな思い入れたっぷりの番組でキャスターを務めることに関して、「重みがありますね。おこがましいですが、少しでも近づけるチャンスでもあって、自分が理想とする人間になる場を与えてもらったのかと思います。背筋が伸びる思いというか、緊張しています」と気を引き締める。

 ただし、第2の国谷裕子を目指すのではなく、自分らしさを出しながら番組を進めていきたいとしっかりと打ち出した桑子アナ。「自分なりの視点を持って、自分なりのアプローチの仕方で番組を作っていきたいです。これまでニュース番組を担当してきた中で、感じていたのは、自分が分からないものを、分からないと言うこと。時には『そんなことも知らないの?』という反応もありますが、でも、私が分からないということは、どこかに、もう1人ぐらいは分からない人がいるはずだと。分からないことを大切にして、目線を下げる。そして、分かってもらえるようにしていきたいです。そこは『クローズアップ現代』でも維持して、(スタッフの)皆さんに迷惑をかけることになるかもしれないですが、貫いていきたいです」と力を込めた。

 同局にとって看板番組でもある「クローズアップ現代」。「報道番組として、聞きにくい質問も聞くべき時は使命感を持って聞いていきたい」という桑子アナは、難しいテーマを若い人たちにも伝えるために、今後はSNSも積極的に活用していくことを予告。そして自身は、「YouTuberやTikTokerなど、そういう世界に疎いのですが、世の中の多くの方は、私が思っている以上にご覧になっている。ですので、その道の最前線の方にお話を伺ってみたい。知らないことを知りたいという意味では、そういう世界をのぞいてみたいなと思いました」と意欲を燃やす。

 続けて、キャスターとしては「伝え手の熱量が視聴者の方に伝わると思うんです。例えば重たいテーマだったとしても、『この人、一生懸命に伝えようとしているな』というのが伝われれば、『なんか見てみるか』と思ってもらえるかもしれませんし、その熱量は込めていきたいです。それに、重たいテーマで、『難しそう』と思うかどうかは、どういう切り口で番組を始めるかにもよると思うんです。難しいキーワードを出されて、『今日はこれです』と言われると、『あぁ難しそうだな』と思われてしまうかもしれませんが、身近な目線からスタートして、ゴールはキーワードにたどり着くようにすれば、情報としては同じこと。ですので、届け方を少し工夫していけたらいいなと思っています」とテーマや視聴者層に合わせて、柔軟に対応していく。

 これまで、朝、夜のニュースや「NHK紅白歌合戦」など、同局の主要な番組でキャスターを務め、“NHKの顔”ともいえる活躍ぶりだが、本人は「大変な番組を担当させていただけてきたなと思うのですが、意外と毎日毎日は、プレッシャーを感じずにやってきたなと思います。今日はどんなテーマでやるんだろうという、目の前の仕事に必死なあまり、プレッシャーを感じないようにしてきたのかもしれません。これからも目の前のテーマに、必死に向き合っていきたいなと思います」と変わらぬスタンスで励んでいくことを宣言。

 加えて、影響を受けた人物については、「ニュースウオッチ9」(月~金曜午後9:00)で共にキャスターを務めた記者・有馬嘉男氏の名前を挙げ、「有馬さんは、『ズバっ』と言う時は言うんですが、『何々すべきだ』とコメントとして言いがちな中で、そういう目線でいいのか、と常に自分に問うていらして。その目線はとても大事だなと思っています。何かあった時に断罪するだけではなくて、物事には背景があって、そうならざるを得なかった理由があるかもしれない。そういう想像力を働かせて、一つ一つの言葉に責任を持って務めていきたいなと思っています」と決意を述べた。


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