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松坂桃李、大石静脚本「あのときキスしておけば」で主演。ヒロインは麻生久美子…いや、井浦新!?2021/03/03

松坂桃李、大石静脚本「あのときキスしておけば」で主演。ヒロインは麻生久美子…いや、井浦新!?

 テレビ朝日系では4月から、松坂桃李主演の連続ドラマ「あのときキスしておけば」(金曜午後11:15、開始日未定。一部地域で放送時間が異なる)がスタートすることが分かった。恋愛ドラマの名手・大石静氏によるオリジナル脚本で、前代未聞の“入れ替わり”ラブコメディーが描かれる。

 壊滅的にポンコツで何かと不運な、夢もなく覇気もなく生きていた、32歳独身のスーパーマーケット従業員・桃地のぞむ(松坂)。唯一の趣味が漫画を読むことだった桃地は、ある日、大好きな漫画「SEIKAの空」の作者・蟹釜ジョーこと、唯月巴と出会いお近づきになる。友達以上恋人未満のいい感じの関係になるも、彼女は事故で帰らぬ人に。涙にくれる桃地の前に現れた見知らぬおっさんの口から、衝撃的な言葉をかけられる。「モモチ、私が巴なの」。彼女はおじさんの中に入ってしまったのか!? 桃地を次々と奇想天外な出来事が襲う。

 映画「孤狼の血」(2018年)での暴力班捜査係の若き刑事から、「娼年」(18年)での会員制ボーイズクラブの娼夫、そして日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を獲得した「新聞記者」(19年)での内閣情報調査室の官僚など、骨太な男からセクシーで謎めいた男まで幅広い役柄を演じ分ける松坂が、本作でキャリア史上、最もポンコツなキャラクターを生み出す。松坂にとって、念願のラブコメだという今作。大好きな彼女のためならば掃除、洗濯、料理となんでもやっちゃうけど、自分の意見も言えない、困っている人を助けることもできないし、全然頼りにならない…そんな愛すべきダメ男・桃地を、松坂がどのように演じるのか期待が高まる。

 唯月を演じるのは、自然体の色気と確かな演技力に定評のある麻生久美子。大ヒット作家で超お金持ちのセレブである唯月が桃地と出会い、接していくうちに少しずつその価値観を変えていく。しかし桃地への思いに気付いた折、事故で帰らぬ人になってしまい、しかも見知らぬおっさんの中に魂だけ入ってしまったことが分かり、果たしてどうなるのか? 誰もが憧れる超セレブ生活を送りながらも、人には言えないような秘めた一面を持つ唯月を、麻生が魅力たっぷりに演じる。

 一方、唯月の魂が乗り移ってしまう“中年のおじさん”田中マサオに扮するのは、「にじいろカルテ」(同系)での好演も記憶に新しい井浦新。桃地が働くスーパーにも出入りする清掃業者の清掃員で、不慮の事故で唯月の魂が体に乗り移ってしまい、姿形はおじさん(=マサオ)でも中身は女性(=唯月)として生きていくことに。物語が進むにつれ、マサオの正体も分かっていく。マサオとしてだけでなく、唯月としての芝居も注目を集めることになる井浦が、新たな境地を開く。

 本作への出演について、松坂は「台本を読んだ時、これは新しいジャンルの作品だ。予測のつかない面白さが生まれる気がしました。正直、一体どういうことなんだろう?と何度も読み返しては読み進める、そんな本でした」とコメント。また、共演の2人について「麻生さんとは大河ドラマ(19年の「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」)以来の共演ですが、コミカルなお芝居もシリアスなお芝居も魅力的に演じ分ける方なので、この作品においても信頼できるヒロインになってくださると思っています。井浦さんとは初共演なので未知数です。これまでさまざまな作品で目にしてきた井浦さんとも違う新たな井浦さんのアプローチが見られそうで、今からどう立ち向かおうかと試行錯誤しています」と期待を寄せ、「誰しも人生で一度は『あの時、こうしておけばよかった』と思う瞬間を経験しているのではないでしょうか。そんな瞬間を柔らかくポップに皆さまにお届けできるように作り上げていきたいです。そして、井浦さん演じる田中マサオと麻生さん演じる唯月巴を桃地として全力で愛していけたらと思っています」と意気込みを表した。

 麻生は「圧倒的な才能の持ち主でセレブの女性が、中年のおじさんの中に入ってしまうことで起こるさまざまな出来事。それが面白くもあり、切なくもなるというストーリー展開が素晴らしくて、今は先が気になって仕方ありません。私が演じる唯月巴は強さと弱さを併せ持った、才能あふれる天才。その人物を私と井浦新さんの2人で演じるという新たな挑戦をします。“2人1役”という共同作業が必要になりそうなところもまた、私にとっていい経験になると思いますし、キャラクターに深みが出そうで楽しみです。今まで演らせていただいたことがない役ですので、思い切って振り切って演じたいと思います」と新たな役どころへの挑戦に意欲的。

 そして、「松坂桃李さんとは大河ドラマ『いだてん』で少しだけ、井浦さんとは映画・舞台・ドラマなどを経て今回また久しぶりにご一緒します。長身のお二人の恋愛模様がどのような感じで描かれるのか楽しみですよね。コメディー作品は本当に毎回難しく、挑戦だと思っています。一風変わった恋愛ホームドラマになるかと思いますが、毎週放送を楽しみにしてもらえる作品にできたらいいなと思っています」と期待を込めて語った。

 井浦は「友人でもある貴島彩理プロデューサーからお話をいただき、即答で『やりたいです』とお返事をしたんですが、台本を読んだ今はちょっと後悔しています(笑)。物語はもう、それはそれは面白くて、1話だけでも『なんだこれは!』というくらいのボリュームの出来事が起きるので、松坂桃李くんと麻生久美子さんの恋模様の部分などもとても楽しく読んでいたのですが、いざ自分の役柄として台本と向き合うと、展開もすごいし、セリフも膨大で、きっと撮影は大変になるだろうなと逃げたくなってしまいました(笑)」とうれしい悲鳴とも取れるコメント。

 さらに「今回の役に関しては、まだどんなふうにお芝居をしよう、というイメージは固まっていないのですが、『何か新しいことをしたい』という気持ちは強く持っています。僕自身、“ラブコメ”は初めてで、46歳にして“ラブコメ”をやるなんて思ってもいなかったですし、ヒロインを演じるのも初めて。チャレンジづくしのいい機会をいただいたので、今まで見たことのない井浦新をお見せしたいと思っています。そして、大石静さんのオリジナル脚本なので、その本の世界をさらにもっといい方向に膨らませていけるような作品にしたい。そのためにも現場では新しいものを作るべくワンシーン、ワンシーンを丁寧に撮っていけたらと思います。松坂桃李さんとも初めてご一緒するので、どんなふうになるのか楽しみ。そういった意味でも、もしかしたら今が一番ワクワクしている時なのかもしれません」と率直な心境を明かしている。

 脚本の大石氏は「今回の企画は貴島彩理プロデューサーが『松坂桃李さんとこんなドラマをやりたい』と温めてこられたものでした。そのアイデアを基に、私も頭をひねってストーリーを膨らませていきました。映画や単発ドラマと違い、連ドラの醍醐味(だいごみ)は、先の展開への期待です。それは事件ものであろうとラブストーリーであろうと同じです。『来週どうなる』感は、持てる能力と情熱の限りをつくして考えました」と経緯を述べる。

 また、キャストに関しては「松坂さんについては、先日、初めてお目にかかりました。手も脚も首も指もスラっと長くて美しく、穏やかで品もよく、うっとりしました。あらゆるタイプの男性を演じてこられたと思いますが、今回ほど、地味でドジで気弱で、夢もない人生のビジョンもないというどうしようもない青年の役は、珍しいのではないでしょうか? どんなふうになるのか、期待に胸膨らませて待っています。井浦新さんについては、連ドラをご一緒するのはこれで3回目です。今回は、わがままでよくしゃべる、感情の起伏の激しい女性が乗り移ってしまうオジサンという、ややこしい役どころです。女性を演じることで、井浦さんの女性観みたいなものも垣間見えると、奥深いな~と思っています。麻生さんについては、脚本家として、才能のある人を描くことに、興味があります。市井に生きる普通の人より、欲望に忠実で生命力も強く、才能ゆえに強烈な自我を持ち、孤独と不安も深く感じているヒロインを、麻生久美子さんがどんなふうに演じてくださるか楽しみです。この作品はジェンダーフリーな世界観を提示しています。そしてすべての人が抱えている終わる命の宿命や、生まれ出た以上、強く人を愛してこその人生であるという思いを込めて書いています。でもあまり難しいことを考えず、予測不能な展開のラブコメディーを楽しく笑って見ていただけたら、うれしいです」とアピールしている。


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