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松本幸四郎が約3年ぶりに博多座へ。「二月花形歌舞伎」の見どころ語る2021/02/16

 2月11日に、福岡市博多区の博多座で十代目松本幸四郎が座頭を務める「二月花形歌舞伎」が開幕。前日の10日には夜の部の演目「元禄花見踊(げんろくはなみおどり)」の通し稽古が公開され、幸四郎が報道陣の取材に応じた。

松本幸四郎が約3年ぶりに博多座へ。「二月花形歌舞伎」の見どころ語る

 まず、コロナ禍での歌舞伎の上演について「感謝の限り。ご来場いただいた方の気持ちが和らぐよう舞台を務めることがわれわれの役目。あらためて気を引き締めるような思いです」と語る。客席や上演時間にも制限がある中でも「止まるのではなく、少しでも、半歩でも進んでいくことが必要。そういう意味で千秋楽までみんなで完走することが目標」だと意気込んだ。また、共演する若手についても「平均年齢の低い座組。情熱とパワーを持った役者ばかりですので、その熱さを感じていただければ。一方、舞台を降りると非常に面白おかしく、メリハリのある一座です」とコメントした。

 稽古の模様を披露した「元禄花見踊」は、福岡公演のために演出などを一新。博多座の舞台機構を生かした、踊りの最中に舞台転換が行われる大仕掛け「強盗返し(がんどうがえし)」は注目ポイントの一つだという。

松本幸四郎が約3年ぶりに博多座へ。「二月花形歌舞伎」の見どころ語る

 ほかにも、今回の「二月花形歌舞伎」は昼夜それぞれ2演目ずつの構成で見どころが満載。昼の部は「正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)」と「松浦の太鼓(まつうらのたいこ)」。夜の部は「御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)」と「元禄花見踊」という組み合わせだ。「正札附根元草摺は『荒事』という見得や隈取りがあり、人々がイメージする“歌舞伎そのもの”を見ることができる舞踊。松浦の太鼓は、言葉の緩急が楽しめる芝居となっています。御浜御殿綱豊卿は、音楽的なセリフが特徴で日本語の力を感じられる演目、そして『元禄花見踊』は歌舞伎のあらゆる面を目や耳で楽しめる芝居です」と説明した。

松本幸四郎が約3年ぶりに博多座へ。「二月花形歌舞伎」の見どころ語る

 また、歌舞伎との距離を少しでも縮めてほしいという思いから、17日にはオンラインイベント「歌舞伎ナイト・オンライン」を開催予定。「私(幸四郎)が進行をします。だらだらと始まり、だらだらと終わって、結局楽しんでいるのは私だけではないか?という気もしますが(笑)。あっという間の時間で、出演者の素の姿、言葉、歌舞伎の役を演じる上での思いを伝えられれば」と収録を振り返った。公演と併せることで歌舞伎の世界をよりを楽しめそうだ。オンラインイベントは17日(午後8:00)に配信されるが、ライブ配信後も公演チケットを購入すれば23日までアーカイブ視聴が可能となっている(https://www.kabuki-bito.jp/news/6611/)。

松本幸四郎が約3年ぶりに博多座へ。「二月花形歌舞伎」の見どころ語る

 博多座での公演は約3年ぶりという幸四郎。以前、「福岡は母親の実家がある“第2の故郷”」と言及していた。「小さい頃、母の実家へ遊びに行ったという(芝居以外で訪れた)思い出がある特別な場所。だからこそ、(博多座に)次来るときは前よりも少しでも大きくなって乗り込もう、という思いでいます」と気合い十分だ。

 最後は「二月花形歌舞伎、2月24日まで上演中です。若手も歌舞伎への情熱、愛情を持って一生懸命勤めておりますので、何かに向かって突き進んでいる姿をみなさまにご覧いただき、少しでもパワーをお配りすることができれば」と福岡の歌舞伎ファンにメッセージをおくった。

【公演情報】

<昼の部>
一. 正札附根元草摺 二. 松浦の太鼓
<夜の部>
一. 御浜御殿綱豊卿 二. 元禄花見踊

日程/2月11~24日
出演者/松本幸四郎 中村歌昇 中村壱太郎 大谷廣太郎 中村米吉
嵐橘三郎 澤村宗之助 市川笑也 市川猿弥
開演時間/昼の部 11:30開演/夜の部 15:30開演 ※全28公演


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