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波瑠が安田顕と映画「ホテルローヤル」記者会見に登壇。「女の子が人生を肯定する瞬間を見届けて」2020/10/23

 作家・桜木紫乃氏の直木賞受賞作を映画化した11月13日公開の「ホテルローヤル」(TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開)の記者会見がロケ地の北海道・札幌で行われ、主演の波瑠、安田顕、原作者の桜木氏が登壇した。波瑠は「見てくれた人の背中を押す作品。たくさんの人に届いてほしい」、北海道出身の安田は「北海道を舞台にした物語を北海道で撮影した作品に参加できてうれしい。特に北海道の人たちに見て、後押ししてもらいたい」と話した。

 原作は、北海道・釧路でラブホテルを経営していた両親のもとで育った桜木氏が書いた連作短編集で、累計発行部数100万部を超える桜木氏の代表作。「百円の恋」「全裸監督」などで知られる武正晴監督が、NHK連続テレビ小説「エール」を手掛けた脚本家・清水友佳子氏とタッグを組み、現代と過去を交錯させる構成で映像化した。

 北国の湿原を望むラブホテル経営者の一人娘・田中雅代を演じた波瑠は、「直木賞に決まった7年前に原作を読み、印象が強かったので、映画化の話をいただいた時は迷わず受けさせていただきました」と説明。最初に台本を読んだ感想を「雅代の主張がなかなか見えてこないので、下手したら突っ立っているだけになるぞという不安がありました。でも、物語の中に普遍的なものを多く見つけられたらと思いながら、周りの皆さんに助けていただいて演じることができました」と手応えを明かした。

 一方、安田が演じた雅代の父・田中大吉は、原作者・桜木氏の父がモデル。桜木は「やくざな感じが似ていると言ったら失礼ですが、“北海道の親父あるある”でした」と感想を語ると、安田も「うちの親父もあんな感じ。たんぱらこき(北海道の方言で、短気の意味)が多いので、すぐ怒鳴るんですよね」と応じた。

 ロケは2019年5~6月、原作舞台である釧路のほか、札幌市内にセットを組み、全編北海道で行われた。ロケの思い出について、波瑠は「おいしいものが多くて、外食できる日を楽しみにしていました。シメパフェにも初挑戦してみましたが、なかなかおなかに入らないもんですね」と笑った。一方、安田は「(北海道にある老舗菓子店の有名商品の)山親爺のCMが劇中に2回映りますが、時代が変わっても同じCMが掛かるうれしさがありました。また、北海道らしい釧路湿原の風景が日常の中に出てくるのも見どころでは」と語った。

 原作者の桜木氏はMCから映画の感想を問われ、言葉に詰まって涙ぐむ一幕も。「私が小説で書かなかった行間を映像にしていただいたような気がしました。裸にされた気がして、正直悔しかったです」と明かし、「『積極的に逃げる』ことは 『前向き』と同義語だったんだと、映像に教えられました」と話した。また、東京からオンラインでリモート登壇した武監督は、「オムニバスですが非常に映画的な題材。素晴らしい原作のエッセンスをどれだけ損なわずシナリオにするかが難しかった。北海道、特に釧路の風景が映画の力になりました」と語った。

 波瑠は観客へのメッセージとして「主人公の雅代は、自分の生まれた環境に疑問と嫌悪感を抱き、葛藤した思春期を過ごします。自分の置かれた環境にうんざりしているようですが、実はその状況をどうにかするために行動を起こすことのできない自分に一番うんざりしていて、そういう1人の女の子が初めて自分の人生を肯定でき、これからは自分の足・色で人生を作っていきたいと思う瞬間を見届けていただきたいです」と語った。

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