高橋惠子主演オーディオドラマ「手が冷たい」厳しい寒さの中で凍りつく心を癒やす出会いを描く2025/11/26 07:00

NHK FMでは、11月29日に高橋惠子主演のオーディオドラマFMシアター「手が冷たい」(午後10:00=札幌放送局制作)を放送。それに先駆け、高橋や共演の三倉佳奈らからコメントが到着した。
本作は、第21回「北のシナリオ大賞」大賞受賞作で、舞台は道東の風蓮湖。厳冬期の凍結した湖で伝統漁法・氷下待網漁(こおりしたまちあみりょう)を行う女性漁師で主人公の佐々木風子(高橋)は、幼い娘を失い、夫に先立たれ、孤独に打ちのめされていた。そんな彼女のもとへ、娘の幼なじみでススキノの歓楽街では人気者だったという高橋彩芽(三倉)が漁を教えてほしいとやって来るという物語だ。

漁業の仕事をしている人の話について今まで触れる機会がなかったという高橋は「私が演じる佐々木風子は北海道の寒く、冷たい自然の中で、子どもを亡くしてしまい、つらい思いをします」と役柄を紹介。物語の内容については、「風子は三倉佳奈さん演じる高橋彩芽と出会うことで少しずつ心を開いていくのですが、私自身、物語を読んでいて心を動かされることがありました」と打ち明けながら、「『手が冷たい』というタイトルですが、人のぬくもり・温かさを感じられる作品だなと思いました」という感想を口にしている。
また、高橋は風子を演じたことを「とても難しい役でした。子どもを亡くして、夫にも先立たれ、1人ぼっちで孤独。ましてや寒い環境の中で仕事も続けられない、という状況になってしまい…。この役どころを音(声)で表現することが、とても難しいと思いました」と振り返り、「演出にアドバイスをいただきながら“感情をあまり表さない”とか“フラットな言い方”を意識して演じました」と心がけたポイントに言及。
「冷たさということを今まで掘り下げたことがなく、そのような役も経験してこなかったので」とこれまでに演じたことのない人物とあって、「収録に入る前もなるべく人と話さず、孤独を少しでも味わおうと思って役と向き合いました」と役柄に共感しようと試みていたという。そして高橋は、「私自身は孤独とは無縁に生きてきているので、このような経験はまたとないだろうと思い、役の自分を責めたり、孤独をとことん感じています」と風子と正面から向き合っていることを明かした。

一方、三倉は「氷下待網漁という漁を初めて知りました。冷たい中、漁をされている方がいることをこの物語を通じて知りました」と吐露。「私が演じる彩芽は、漁師の家に生まれるけど反発して、一度札幌に出て1人で子どもを育てますが地元に戻ることになります。生計の立て方に迷うなか、父にも勧められて漁をやっていくことで、漁や地元の魅力にあらためて気づくという役どころです」と自身が担う役について触れると、「いろんな思いでぜひ聞いていただけたらうれしく思います」と願った。
さらに三倉は、「私が演じる彩芽は明るくて人懐っこい性格ですが、夫と離婚して子どもを1人で育てるなど大変なこともあります」という一方で、「ただ、とてもプラス思考で、周りを明るく照らすような役です」と彩芽の人物像を具体的に述べ、「高橋惠子さん演じる風子さんの心もつかんでいくという役でもあるので、冷たくされてもめげない心の明るさ・温かさを大事にして演じさせていただきました」と留意した部分を挙げている。

そして、本作で演出を手がけた田辺陽一氏は、「人の心は、自分で思うよりずっと大きく、身の周りにある自然に左右されているのではないか」と、長年北海道で暮らしてきた中で感じるようになったといい、「寒いことが人の気持ちを暖める」と遺したある写真家の言葉を引用しながら「傷ついた心を癒やすのは、必ずしも暖かい自然ではないように思います」と自身の見解を語る。そして、「今回のドラマの舞台は、北海道東部の風蓮湖。寒さ厳しい雪と氷の世界です。演出で意識したのは、言葉では表現しがたい、厳しいがゆえの豊かさのようなものを音で印象づけることでした。どうぞ『人の声』と『自然の音』とで織り成される世界をお楽しみください」と作品に込めた思いと共にメッセージを寄せている。
あらすじ
半年前に夫を亡くした佐々木風子(高橋)は、跡を継ぐ者もいないことから、北海道・風蓮湖の近くで長年続けてきた漁を辞めようとしていた。かつて幼い娘に「お母さんの手、冷たい」と言われ、手が離れていった直後に、その娘が事故で帰らぬ人となった過去を背負う彼女は、それ以来、この土地の寒さや自分の手を憎むように暮らしていた。
ある日、風子は漁師仲間の修造から、出戻りの娘・高橋彩芽(三倉)に漁を教えてほしいと頼まれる。最初は冷たく突き放していたが、彩芽の明るい人柄と、幼い娘・由依の無邪気さに触れていくうちに、長く閉ざしていた風子の心が揺さぶられ、過去の記憶が交錯していく。
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