「夢のよう」19歳・上坂樹里が大抜擢！ 2026年前期朝ドラ「風、薫る」で見上愛とW主演2025/06/03
NHK総合ほかで、2026年度前期に放送される連続テレビ小説「風、薫る」（日時未定）の主演発表会見が行われ、新たなヒロインとして上坂樹里が出演することが発表された。すでに発表されていた見上愛とともに、明治時代を生きる2人の女性を描くバディドラマでダブル主演を務める。
朝ドラ初出演・初主演となる上坂は、2005年生まれの19歳。神奈川県出身で、21年「ミスセブンティーン2021」に選ばれ、Seventeen専属モデルとして芸能活動をスタート。23年には同系の「生理のおじさんとその娘」でオーディションからヒロインに抜てき。25年にはTBS系「御上先生」で生徒役を演じるなど、若手俳優の中でも着実にステップを重ねてきた注目株だ。
本作は、文明開化の波が押し寄せる明治の日本を舞台に、トレインドナースと呼ばれた正規の訓練を受けた看護師・大家直美と一ノ瀬りんの生きざまを描く。時には反発し、時には支え合いながら成長していく2人の姿を通して、激動の時代に希望の風を吹かせる物語が展開される。脚本を手がけるのは、TBS系の「あなたのことはそれほど」（17年）、「初めて恋をした日に読む話」（19年）などで知られる吉澤智子氏。人間の揺れ動く感情や関係性の機微を巧みに描く筆致で、今作でも女性たちの芯の強さや葛藤を丁寧に描き出すことが期待される。
上坂が演じるのは、主人公・大家直美。生後間もなく母親に捨てられ、キリスト教の教会を転々として育ち、“家族”と呼べる存在を知らずに育ったという設定のキャラクターだ。目的のためには多少のうそやズルもいとわず、それでいて人の弱さや痛みには敏感という、多面的な人物像が描かれる。
2410人の候補者の中からオーディションによって選出された上坂は、震える声で「まさか自分が、もう一人の主人公を演じさせていただくとは思ってもいなくて……。今、こうしてこの場に立たせていただいていることが、まるで夢のようです」と目を潤ませ、時折言葉を詰まらせながらあいさつ。緊張感の中、「この経験を自分自身の成長につなげていきたい」と意気込みを語った。
オーディションの結果を知らされた瞬間のことを「『うそじゃないですか？』って何度も聞いてしまいました」と振り返り、「いまだに夢を見ているような気持ちです」と吐露。2025年度後期連続テレビ小説「ばけばけ」でヒロインを務める事務所の先輩・髙石あかりとマネジャーからのサプライズ報告だったと明かし、「家族にも今日の会見直前にグループチャットで写真を送っただけ。きっとびっくりしていると思います」と笑顔を見せた。
さらに“朝ドラの先輩”髙石からは、「おいしいごはんをいっぱい食べて、とにかく健康第一で」とアドバイスをもらったそうで、「今朝も『楽しんできてね』と連絡をいただきました」と温かな交流も明かされた。
一方、すでにヒロインとして発表されていた見上が演じるのは、もう一人の主人公・一ノ瀬りん。生活のためにナースとなるが、次第にその職業に使命感を抱くようになるキャラクターで、育ちの良さと奔放さが同居した女性だ。
見上は、上坂との初対面を「壁が透けて見えるくらい透明感があって、びっくりしました」と回想。さらに「すごく緊張されていたけれど、その中に芯の強さを感じました。この方なら、きっとすてきな直美を演じられるんだろうなと思いました」と温かいまなざしを向けた。
上坂も見上について「太陽みたいな方だなと思いました。初めてお会いした時に、優しく話しかけてくださって、『一緒に頑張ろう』って思えました」と笑顔を見せる。見上は「何でも器用にこなせて大人っぽく見える」と上坂に伝えたことがあるそうだが、「本人からは『私はすごく大ざっぱです』と言われて、これは仲良くなれそうだなと思いました」といたずらっぽく話した。
顔合わせの際には「お互いを何と呼び合うか」の話題も出たといい、上坂は「シンプルに愛さんはどうでしょうか？」と提案。見上が「“さん”付けはちょっと距離があるから、呼び捨てか“ちゃん”がいいな」と返すと、上坂は「頑張ります」とにっこり。見上は「私は“樹里ちゃん”か“じゅったん”で。裏で決めようと思います」とほほ笑んだ。
会見では、バディとしての距離感について問われる場面もあり、見上が「りんと直美も、最初から信頼関係があるわけではないはず。だからこそ、私たち自身も少しずつ関係を築いていくことが大事だと思っています。無理に距離を詰めようとするのではなく、一緒に稽古していく中で自然と近づいていければ」と心境を明かした。
また上坂は、自身の姉が看護学校に通っていることを紹介し、「仕事のことは、とことん聞こうと思っています」と宣言。「私は、病院に行けば看護師さんがいるのが当たり前の時代に生きてきたので、その“当たり前”がどう築かれたのかを、これから学びながら役と向き合っていきたい」と、真剣なまなざしを見せた。
撮影に向け見上は「楽しいことばかりじゃないかもしれませんが、支え合いながら一緒に頑張っていきたいです」と力を込め、上坂も「私にとっては、明治時代という過去の時代を生きることも、看護師という役を演じることも、すべてが初めてのことばかり。大家直美という人物と一緒に、私自身も成長していけるような気持ちで撮影に臨みたいと思います。そして、見てくださる皆さんに、温かくて優しい“風”を毎朝お届けできるよう、精いっぱい頑張ります」と真摯に語り、その瞳に決意をにじませた。
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