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伊藤沙莉、主演ドラマ「ももさんと7人のパパゲーノ」は「押しつけるのではなく寄り添う作品になったんじゃないかと思います」2022/08/02

伊藤沙莉、主演ドラマ「ももさんと7人のパパゲーノ」は「押しつけるのではなく寄り添う作品になったんじゃないかと思います」

 NHK総合で8月20日放送の特集ドラマ「ももさんと7人のパパゲーノ」(午後11:00)で主演を務める伊藤沙莉が、現場でのエピソードや視聴者へのメッセージを寄せた。

 ドラマは、「死にたい」という言葉を誰にも言えずに過ごしてきた主人公・もも(伊藤)が、旅先で出会った、それぞれに生きづらさと折り合う7人との出会いを通して、「死にたい」自分を肯定していく1週間の物語。タイトルの「パパゲーノ」とは、「死にたい気持ちを抱えながら、その人なりの理由や考え方で“死ぬ以外”の選択をしている人」のこと。オーストリアのメディア研究では、こうした経験を持つ人のストーリーを伝えることが、自殺を思いとどまる抑止力になることが示され、オペラ「魔笛」の登場人物に準えて「パパゲーノ効果」と呼ばれている。

 ももという名前は、NHKが運営するサイト「自殺と向き合う」に、日々寄せられる「死にたい」「生きるのがつらい」という投稿の中で、最も多く使われるニックネーム。本作では、主人公・ももの人物像や、ももが出会う7人のパパゲーノたちの生きざまを、寄せられた投稿や、当事者への取材を基に描いていく。また、ももと出会うパパゲーノ役の7人として、染谷将太、山崎紘菜、中島セナ、野間口徹、平原テツ、池谷のぶえ、浅野和之が出演。脚本は、「俺のスカート、どこ行った?」(日本テレビ)、「きれいのくに」(同局)などを手掛けた加藤拓也氏が担当する。

伊藤沙莉、主演ドラマ「ももさんと7人のパパゲーノ」は「押しつけるのではなく寄り添う作品になったんじゃないかと思います」

 本作への出演が決まり、「やりがいのあることだなと思いましたし、今、届けたいなと思うこと、伝わるといいなと思うことが作品を通してできるのは俳優冥利(みょうり)に尽きることだと思った」という伊藤。加藤氏の作品には初出演となるが、「一見淡白そうに見える言葉の中にあらゆる感情や人間味を感じさせるセリフを書く方だなと思っていて、以前からいつかご一緒できたらいいなぁと思っていた」と打ち明ける。

 続けて「普段気持ちや状態をどこか作って生きているような、モヤモヤとした疲れみたいなものが表れたらいいなと思い、あえて作り込むようなことはしませんでした。自分の中ではももを作らないことが誠意だと思い、務めました」と報告する。

 さらに、個性的なメンバーがそろった「パパゲーノ」役の7人との共演については、「共演者の皆さまは1人残らずとても個性も魅力もあふれた方々なので、短くも色濃い日々でした」と振り返り、「中でも、やはり浅野和之さんがあるシーンでカットがかかるまで動物のものまねをしていたのには、驚きとともに勉強になりましたし、もはや感動しました。そして役を忘れるほど笑いました」とエピソードを披露。

 そして、「押しつけるのではなく寄り添う作品になったんじゃないかと思います。私自身、みんなそうだと言われることに、なぜかおびえていたところがありました。きっとそれは弱い自分に対する否定の言葉に聞こえていたからだと思います。ですが、この作品を通して、みんなそうだ。だからいいんだよ。大丈夫だよと伝えられたらいいなと思います。暗くない、不安にならない、むしろ共感や自身の肯定の中で穏やかに見ていただけたらうれしいです」とメッセージを寄せている。


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