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伊藤万理華、ラジオドラマで宇梶剛士の娘に。「ラストのセリフに泣きそうになりました」2022/03/04

宇梶剛士&伊藤万理華インタビュー/オーディオドラマ FMシアター「礼文バージンロード」

 NHK FMで3月12日放送のオーディオドラマ「FMシアター」(土曜午後10:00)は「礼文バージンロード」。宇梶剛士、伊藤万理華が、実は血のつながりがない父と娘を演じ、本当の“家族”とは、人と人との“つながり”とは何かについて考えさせる物語だ。脚本は第17回北のシナリオ大賞の大賞作で、日本最北端の離島である北海道・礼文島が舞台だ。

 このほどNHK札幌放送局で収録に臨んだ2人にインタビュー。役への思いや作品の聴きどころについて聞いた。なお、NHKラジオ「らじる★らじる」サイト(https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=0058_01)では、放送日から1週間、聴き逃し配信を行う。

 「北のシナリオ大賞」とは、日本脚本家連盟北海道支部が主催する脚本コンクール。「北海道をモチーフ・舞台にしたオリジナルラジオドラマ」をテーマに、全国からプロ・アマチュアを問わず募集し、新進作家を生み出す登竜門として注目を集めている。17回目の今回は79本の応募があり、北海道・函館出身、東京在住の桜田ゆう菜氏の「礼文バージンロード」が大賞、メキシコ在住の嘉山正太氏の「サクランボ狂想曲」が佳作に選ばれた。2年前からは、大賞作を共催のNHK札幌がオーディオドラマ化している。

 物語は、礼文島のコンブ漁師・木田道夫のもとへ、妻との離婚後、離れて暮らす娘の夏来が訪ねて来るシーンから始まる。婚約者を連れてきた夏来は「バージンロードを一緒に歩いてほしい」と頼むが、道夫は断るしかなかった。なぜなら、夏来は、元妻が不倫の果てに産んだ子だったのだ。

 頑なに出席を断る道夫の態度に、納得しない夏来。そこでついに、道夫は生い立ちの真実を打ち明ける。突然の告白に、打ちひしがれる夏来。その様子を目の当たりにした道夫は、意を決してある行動に出る──。

 宇梶が父・道夫、伊藤が娘・夏来を演じるほか、小島達子、丹生尋基、シモ(スキンヘッドカメラ)、上總真奈、前川咲帆ら北海道で活動する役者や、札幌よしもと芸人などが出演する。

宇梶剛士&伊藤万理華インタビュー/オーディオドラマ FMシアター「礼文バージンロード」

── 脚本を読んだ感想をお聞かせください。

宇梶 「俳優として、脚本に書かれた人物と自分をいかに重ねていくかを繰り返してきましたが、桜田ゆう菜さんの脚本は、物語のはずなのに本当の出来事のように感じました。役に合わせるというより、自分が役にのみ込まれていくような感覚です。セリフの一つ一つが、実際に僕の人生で起きた出来事のような気持ちにさせられる作品でした」

伊藤 「(物語の舞台)北海道や礼文島に関する知識を全く持っていなかったのですが、演じるにつれて夏来と宇梶さん演じる父親との親子関係はきちんと出来上がり、実直な思いが会話の節々からにじみ出ていて、物語に入り込めました。収録に当たっては、私が抱いた感情をどうしたら“声”に乗せられるのか正直不安でした。でも、宇梶さんの声が、私にとって大変馴染みあるお父さんの声でしかなく(笑)、それだけに2人の後半のやりとりには胸が苦しくなりました」

── 作品の魅力をどうお感じですか?

宇梶 「僕が考える物語の“絶対原則”は、主人公が弱者なんです。たとえば、若い・知らない・奪われた・失われた…など、弱い境遇にある人が、何かを得たり、越えたりして、もう一つ違う道・生きる場所を見つけていく。この脚本もまさにそうで、道夫の“心”は立ち往生のような状態にありますが、娘に来てもらい、交流を重ねる中で、魂のステージを広げていく、豊かになっていくんですね。それが、この物語のすてきなところ。“血”や“立場”を越えていく物語なんです」

── 役柄に共感した点は…?

宇梶 「どんくさいところかな(笑)。自分の子ではないと知ってもなお、いとおしくて、めんこくってしょうがないと感じてしまう。器用な生き方ができないところは、自分と重なるかもしれません」

── 伊藤さんはいかがでしょうか?

伊藤 「夏来は私と同じ20代の設定なので、リアルに感じました。彼女は結婚相手を見つけ、新しい人生を踏み出そうと、親に報告する段階。私はまだ経験していませんが、そういう日が近づいてくるのかな…と想像を膨らませて、すんなり気持ちを重ね合わせることができました」

── 印象に残ったセリフはありますか?

伊藤 「『血のつながりだけが家族なのかな』というセリフは、どう言えば聴いている方の心に刺さるだろうか、と悩みました。ずっと父親だと思っていたのに実は血のつながりがなかった、という状況を想像することは難しいですが、ラストシーンの父親のセリフは、思わず泣きそうになりました。家族の概念に縛られなくていい、という思いを感じてすごくうれしかったです」

宇梶剛士&伊藤万理華インタビュー/オーディオドラマ FMシアター「礼文バージンロード」

── 宇梶さんはゆかりの地・北海道に関する作品にご出演されるということで、特別な意気込みがあったのでは?

宇梶 「『血が騒ぐ』なんていう言葉がありますが、北海道で暮らす人の役をさせてもらえることは、バイオレンスな血…ではなく、“細胞”が騒ぎます。とても喜んでいます! NHKの朝ドラでよつ葉乳業の創業者をモデルにした役をさせていただいた時も、細胞が騒ぎました」

── 伊藤さんは初主演のテレビドラマがポッドキャスト連動型で、昨年末には単独のパーソナリティーにも挑戦されるなど、ラジオドラマに関するお仕事が続いています。ラジオドラマの魅力をどうお感じですか?

伊藤 「昨年頃から、声でおいしいものを伝えたり、感情をそのままラジオで伝えたりするお仕事をいただき、私自身もラジオに興味を持って聴くようになりました。ただ、今回のラジオドラマは今までとはまた違い、聴いている方にどれだけ想像を膨らませてもらえるか、“声の演技”で勝負しています。効果音や音楽も加わりどんな空気感に仕上がるのか、今から楽しみです」

── 最後に、リスナーへのメッセージをお願いします。

宇梶 「物語とともに、礼文の空や海を感じながら、父と娘、家族の物語をお聴きいただけたらと思います」

伊藤 「声と音に加えて、聴いてくださる方々が匂いや情景を思い浮かばせ、キャラクターを動かしてくれたらとてもうれしいです。離島の話なので、潮風や波の音など、爽やかな気持ちを味わえるのも魅力です」

【プロフィール】

宇梶剛士(うかじ たかし) 
1962年8月15日生まれ。東京都出身。NHK連続テレビ小説「なつぞら」や「義母と娘のブルース」(TBS系)など数々のドラマや映画に出演する名バイプレーヤー。アイヌ民族の血を引き、近年はそのルーツをテーマにした舞台「永遠の矢=トワノアイ」を北海道各地で上演。上演記録映画が、3月12日から北海道・札幌のシアターキノで上映される。


伊藤万理華(いとう まりか) 
1996年2月20日生まれ。2021年に「お耳に合いましたら。」(テレビ東京ほか)で地上波連続ドラマ初主演。同じく主演を務めた映画「サマーフィルムにのって」「息をするように」で第13回TAMA映画賞最優秀新進女優賞を獲得。今、ひときわ注目を集める気鋭の俳優。


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