【北京パラリンピックを振り返って】日本のメダル数は金4、銀1、銅2。パラスポーツの灯を絶やさないために――2022/03/14
北京パラリンピックが閉幕した。ロシアのウクライナ軍事侵攻が続く中で開催された今大会は、ロシア(RPC=ロシアパラリンピック委員会として参加予定)とベラルーシの選手の出場が認められなかった大会として、また開会式・閉会式で、アンドリュー・パーソンズIPC会長が平和を訴えたスピーチを行い、その一部を中国国営中央テレビ(CCTV)が中国語に訳さなかった大会として語り継がれることになるのだろう。その是非は今後も議論されるべきだが、競技面に絞って振り返ると、開催国・中国の躍進が目立った大会だった。
中国は金メダル数、総メダル数とも参加国・地域中1位。特に総数61個は、2位ウクライナの29個を大きく引き離した。ちなみに、2018年平昌大会のメダル数は1個(金1)。平昌大会メダルランキング2位のロシア(NPA=中立のパラリンピック選手として参加)、8位ベラルーシが不在だった影響もあるとはいえ、驚異的な大躍進だった。オリンピックでここまでの躍進は難しいはずで、パラリンピック競技、パラスポーツ選手にはまだまだ発展、進化の余地があることを証明したといえる。
日本のメダル数は金4、銀1、銅2の計7個。このうち4個(金3、銀1)はアルペンスキー女子座位の村岡桃佳が獲得した。村岡は2大会連続の全5種目表彰台は逃したが、金メダル数は平昌大会の1個から3個に。夏季パラリンピック陸上競技出場のため取り組んだ肉体強化の成果と、チェアスキー開発スタッフの取り組みが融合した成果であり、ここにもパラスポーツの進化の余地を見ることができる。ただ日本チーム全体を振り返ると、金メダル数は平昌大会より1個増えたが、総数は3個減った。クロスカントリースキー男子立位で川除大輝が金メダルを獲得したが、彼以外に初めて表彰台に上がった選手が現れなかったのも残念だった。
もう一つ残念だったのは、アイスホッケーと車いすラグビーに日本チームが出場できなかったこと。出場していれば競技への注目度が自然と高くなり、アイスホッケーのプレーの速さと激突の迫力、スイープなしでストーンをコントロールする車いすカーリング選手の技術の高さなどが、もっと伝わったはずだ。日本のパラスポーツの灯を絶やさないために、トップ選手&チームの活躍は不可欠。次回2026年トリノ/コルティナ・ダンペッツォ大会に向けて、各選手と各競技団体がどう強化を進めていくのか、それをわれわれ一人一人を含む周囲がどうサポートし、応援するべきか。東京夏季大会と今大会が半年の間に行われたことで高まったパラリンピック熱を、どう次代につなげていくかが問われる。
▶北京パラリンピック2022 放送スケジュール(地上波・BS放送)はこちらをチェック!(https://www.tvguide.or.jp/schedule-paralympic-beijing-2022/)
▶北京パラリンピック2022【記事一覧】
▶北京オリンピック2022【記事一覧】
関連記事
- 【北京パラリンピック・3/13◆本日の競技をピックアップ】大会最終日! アルペンスキーの日本のエース・森井大輝、悲願達成なるか
- 【北京パラリンピック・3/12◆本日の競技をピックアップ】アルペンスキー・村岡桃佳が全5種目メダル獲得を懸けて最終種目に挑む!
- 【北京パラリンピック・3/11◆本日の競技をピックアップ】バイアスロン最終種目12.5kmに佐藤圭一、出来島桃子、阿部友里香が出場
- 【北京パラリンピック・3/9◆本日の競技をピックアップ】クロスカントリー・川除大輝、20kmクラシカルに続いてスプリントでのメダル獲得なるか
- 【北京オリンピックを振り返って】日本が獲得したメダルは金3、銀6、銅9。冬季大会メダル総数は歴代最多記録
- 「テレビで応援!北京五輪観戦BOOK」が本日発売。日めくり競技スケジュールで注目アスリートをチェック!
関連リンク
この記事をシェアする
ドラマガイド(最新シーズン)Drama Guide Season
【2024年春】TVドラマガイド
2024年4月・5月・6月にスタートする春ドラマの出演者、主題歌、見どころ、会見情報を、深夜ドラマやBSで放送されるドラマも含め、曜日ごとに一覧でお届け。
連続テレビ小説「虎に翼」、石原さとみ×亀梨和也「Destiny」、山下智久主演「ブルーモーメント」、赤楚衛二×錦戸亮「Re:リベンジ-欲望の果てに-」、永瀬廉主演「東京タワー」、長谷川博己主演「アンチヒーロー」etc. 連続ドラマの情報をまとめてチェック!
【2024年冬】TVドラマガイド
吉高由里子×柄本佑でおくるNHK大河ドラマ「光る君へ」、山下智久×福原遥「正直不動産2」、櫻井翔主演「新空港占拠」、渡辺翔太主演「先生さようなら」、道枝駿佑主演「マルス-ゼロの革命-」、阿部サダヲ主演「不適切にもほどがある!」、永野芽郁×山田裕貴「君が心をくれたから」など、2024年の冬に放送がスタートする連続ドラマを大特集! あらすじ、出演者や記者会見リポートなどを随時更新します☆