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【今週の「たべごころ」】放送400回目! 「究極の野菜炒め」を選んだ節目への思いとは?2019/02/15

 RKB毎日放送で放送中の「たべごころ」(土曜午後5:00)。料理研究家のコウケンテツさんが毎回、旬の食材を生かしたメニューを提案し、そのレシピを実演している。VTRでは郷土の食文化やこだわりの産地、バリエーション豊かな店などを紹介し、視聴者を飽きさせない。アシスタントは三好ジェームスアナウンサー。男同士のゆるい“天然トーク”と、そこへ絶妙に割って入る田畑竜介アナのナレーションがスパイスとなって番組を盛り上げている。

 2月16日は放送400回目の節目を迎える。そんな記念すべき回に披露するのは「究極の野菜炒め」。一見地味な印象だが、コウさんにとっては深い思い入れのあるメニューらしい。思い返せば、コウさんは以前の収録から「400回記念は野菜炒めって決めています!」と気合十分だった。

 “自らの原点”とも語る野菜炒めに使用する食材は、キャベツ、白菜、豚肉、ニンニクの4種。こだわって作る料理とあって、生産者こだわりの品を選んだ。野菜は2人の顔がすっぽりと隠れてしまうほど大きい。

 調理開始。この料理のおいしさの秘密は、豚肉を薫製にすること。三好アナは以前、自宅で薫製作りに挑戦したが「煙が部屋に充満して、危うく火災報知器がなるところでした(笑)」と失敗に終わったそう。そこでコウさんが、薫製作りでは木材チップの量が重要だとアドバイス。普段は比較的アバウトなコウさんも、チップの量には細かいこだわりをもっているようだ。

 豚肉をいぶす間、三好アナがこの料理についてのエピソードを聞く。コウさんがまだ料理人として駆け出しだった頃、とある山村で出会ったのだとか。生活の知恵を全て注ぎ込んだメニューは「まさに食文化の原点」とも称していた。

 具材を切る際、野菜は持ち上げて繊維に沿って切り落としていく。コウさんの「空中パフォーマンス」にも注目したい。切り方一つにも料理の知恵が隠れているというから驚きだ。全ての具材をたっぷりのラードで炒める。正確には深めの鍋で「炒め蒸し」。蒸すことで、全ての素材の味が凝縮され一体となり、深い味わいに仕上がる。

 出来上がった野菜炒めは、赤米を混ぜたご飯と一緒にいただく。これも、コウさんにとっては思い出の食べ方。蒸していながらもシャキシャキ感が残る野菜、そして薫製の豚肉とニンニクの香りでご飯が進む! 三好アナはあっという間に完食。コウさんも懐かしの味に「これこれ」と、大きく頷きながらペロリと平らげていた。

 工程も味付けもシンプルだが「明日も食べたい」「毎日食べられる」と思える。これぞまさに記念回にふさわしい“究極”の料理と言えるだろう。

 放送400回を記念して出演者たちに話を聞いた。

【コウケンテツさん】

──初回、パエリアを作られましたが、覚えていらっしゃいますか?

「もちろんです。ほかの回(の記憶)は怪しいですが」

──そこから数えて400回目ですが、どんな感じですか?

「いやぁ、ただただ感謝ですよ。2クール続いたらいいぐらいの気持ちでしたから。肩の力を抜いてやらせていただいたのが、400回って(しばし絶句)。考えられないです。自分の人生で400回も続いたことって(ほかに)ないですから。本当にありがたいですよね」

──長く続いた秘訣(ひけつ)は?

「僕は何にもやっていないんですよ。スタッフさんのお陰で。僕が頑張らないのがいいのかも(笑)。僕が頑張らないから、皆さんが頑張る、そんなすてきな境遇が出来上がっているのかも」

──400回やってこられた中で、一番の思い出は?

「思い出ですか…。(かなりの長考)」

──えーっと…。

「いやぁ、僕ね、3歩、歩いたら忘れるんですよ(笑)。あぁ、ただうれしかったのは、他局のロケで台湾へ行った時、日本語の達者な現地の方から、多分、日本にいた経験があるんでしょうけれど、そこで『“たべごころ”いいですね』って言っていただいて。うれしかったですね」

──海外で、ですからね。

「そう、“たべごころ”ってワードが出てくるって、思っていなかったから。『福岡で見てました~』みたいな」

──コウさんにとって、この番組は、どんな存在ですか?

「そうきますか。(見守っていた番組スタッフからも『それを聞きたかった』との声)。僕の活動の中で一番の核となるというか…。そんなにキャリア、ないんですよね。三分の二が“たべごころ”が占めていて。駆け出しのころからお世話になっていて。だから、活動の核と言わせていただいていいと思うんですよね。それから、料理家の仕事ってすごく地味で、スーパーや市場と自分のスタジオを移動するぐらい。なので、生産者や一般の方と触れ合う機会って、なかったんです。それが、この番組を通じて、生産者と直に会って、その思いを聞くことができる。また、各地のイベントに呼んでいただくようになって、視聴者の方とも直に触れ合うことができたっていうのは、本当に大きいですよね」

──最後に401回目以降への思いを聞かせてください。

「ここまでさせていただいたので、生産者の方や見ている方に恩返しできるか、いかにお礼ができるかっていうことですよね。ジェームスともよく話すんですが、もっと見ている方と直に触れ合う機会を、お互い作っていきたいなと思います」

──ありがとうございます。

【三好ジェームスアナ】

──三好さんは2016年から番組に加入されていますよね。

「最初、ロケから始まったんですよ。コウさんと行く。(佐賀県)有田に行ったんですよね、ボーンチャイナのところへ(と近くにいたコウさんへ尋ねる)。そこへ特設キッチンを作ったりしました」

──そんな番組が400回です。どんなふうに感じます?

「そうですね、すごいですね。料理番組で、地方で、すごいですよね。まず、それだけ続いているっていうことが。それはやっぱり、視聴者の方が求めていらっしゃる証拠でもありますし、400回紹介しても尽きない、九州の食材の豊富さもすごい。この番組って、生産者の方と視聴者の方をコウさんが結ぶ番組って思っていて、生産者の思いをコウさんが汲んで、それを新たに家庭で作れるレシピに仕上げて視聴者に届けるっていう、三つの構造がうまく関係できているのかなと。それがずっと続いていると思います。うーん、楽しいですよ、やっていて。僕自身もそんなに料理する方じゃなかったけど、番組を始めて、最初まったく分からなかったけれど、料理の手順とか分かってきて、そうするとより楽しさが増した感じです」

──三好さんが加入されてから思い出に残っていることは?

「いろいろやりましたね。いっぱいあり過ぎて、いろんなところにも行ったし。今、僕はスタジオばっかりですけど。養豚場へ行って、そのすぐ横で(豚肉を)調理して食べたっていう、まさかの、そんなこともありましたよね(とコウさんに尋ねると「熊本の」という返事)、そう!」

──最近の収録でも、三好さん自身は産地へ出向きたいとおっしゃってました。

「ロケに出たいという気持ちは大いにあります。外に出て自分で見て感じるって、説得力も増すなと。生産者の方ともっと触れ合いたいなと」

──三好さんにとって、この番組は、どんな存在ですか?

「今は、そう、すごく大事。何が大事かっていうと、毎回、新たな発見があるというか、スタッフの皆さんも番組に対する情熱がありますし、熱情といった方がいいぐらい熱い方がいて、毎回勉強できるし、自分もそれに追いついていきたいと。(ほかの)料理番組もいろいろ見るんですよね。どういう表現しているのかなって、毎回使う素材をどう伝えたら、言葉だけじゃなくて、リアクションなども含めて、視聴者に伝わるのかなと」

──収録を見ていて、新しい言葉を取り入れているように感じますが。

「できるだけ引き出しを多くしたくて。そういっていただけると、非常にありがたいですが。難しいですけど。田畑さんから代わった当初は、きつかったですよ。当然、カラーは違うわけなんですけど。苦労はしました。だから、田畑さんの回を何回も見ましたし。どういう対応とか、表現しているのかなと。ただ、同じことをやっちゃうと意味がないんで。いいところは盗みつつ、自分らしさもどこかで入れていかなきゃなって思いながら、徐々に変わってきたかなと思います」

──401回目以降はどうやっていきたいですか?

「ベースは変わらず、僕自身もっと外に出て生産者の方と関わるような。コウさんとはまた違うタッチで。九州の食材の良さや、変わってきている生産方法も積極的に紹介したいなと。将来的に食に関わることはずっとやっていきたいと思っているので。そう考えるのも、この番組のお陰ですから。(すると、横で見ていたコウさんからちゃちゃが入る)。楽屋で話していたこと(内輪話)を、こうやってあっさりとスタジオで言いますからね(と言い返す)」

──そんなお二人の掛け合いも楽しみにしています。ありがとうございました。

【田畑竜介アナ】

「時短でおいしく作れるレシピが重宝される時代に、じっくり手間暇かけて作るレシピを紹介する“たべごころ”が放送400回を迎えられるのは、初回から関わっている身として大変うれしいことです。『このレシピは“たべごころ”だからできる。他の番組なら却下されるよ(笑)』とコウさんはよく話していました。生産者の思いや、丁寧に作るおいしさ、料理本来の楽しさを知っているから、手抜きなしの料理で『おいしい』と言わせたい。時代とは逆行するかもしれませんが、コウさんの料理に対するピュアな精神が番組の支柱です。その思いをこれからもたくさんの方々に届けていきたいと思います」

 なお、番組公式サイトでは、前回放送のレシピも公開中。

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