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「ペテロの帰り道」で映画初出演にして初主演! 注目の17歳・吉田あかり「選んでもらったのは初めて」2021/05/21

 “神様”を名乗る男と16歳の少女の出会いから始まる奇妙な物語を描いた映画「ペテロの帰り道」が、5月21日から公開される。主人公の少女・水華を演じる吉田あかりは、今作が映画初出演にして初主演となる注目の17歳。将来に悩む等身大の少女をどのように演じきったのか、その思いを聞いた。

――まず、出演オファーがあった時の感想を教えてください。

「とにかくうれしくて、舞い上がりました! 泣きながら母に電話したら、母も泣いてカオスな感じになったのを覚えています(笑)」

――今回、映画初出演で初主演ですが、緊張はありましたか?

「お話をいただいてからずっとウキウキしていたのですが、撮影が始まる数日前に(オカモトナオキ)監督から直筆のお手紙をいただいたんです。そこには『他にも候補はいたけどあなたを選んだので、女優・吉田あかりの力を借りたい』と書いてあって、それを見て“浮かれていられないな”と気が引き締まりました。こうして選んでいただくという経験は初めてだったので、うれしさとともにプレッシャーや不安も大きかったですね」

――こんなにたくさんのセリフを覚えるのは初めてでしょうか?

「そうですね、ここまで長いお話を覚えるのは初めてだったので、大変でした…! ひたすら読んで、マネジャーさんにも付き合ってもらっていました。でも、撮影が始まってからはすべてが新鮮で、ずっと楽しかったです! 自分がドラマや映画で見ていたような世界が本当に広がっていて…」

――楽しさの方が大きかったのですね。大変だったことはありますか?

「水華がお兄ちゃんと将来について話すシーンは難しかったです。『この先どうするの?』という兄の言葉に対して、水華が『自立したい』と打ち明けるという何げない兄妹の会話のシーンなのですが、ナチュラルなやりとりに苦戦しました」

――将来に悩む水華は、引きこもりがちで内気な女の子ですよね。

「私自身は社交的で、いろんな人と会いたいタイプなので、最初は自分と正反対だと思ったのですが、一方で彼女が抱える年相応の悩みや置かれている境遇に共感できる部分もありました。そういう意味では、演じやすかったかもしれません」

――具体的には、どんなところに共感しましたか?

「将来に対する悩みは、私も感じることがあります。私は小さい頃から、この世界に入りたいという強い意志があったので、彼女の悩みとは少し違うのかもしれませんが、“不安定な芸能界で自分はどういられるのかな”という不安はありますね」

――将来に悩む水華も、神様を名乗る男と出会い、変わっていきますよね。

「小さい頃に父親を亡くしている水華にとって、神様を名乗るおじさんは、お父さんとは少し違うけれど放っておけない存在だと思うんです。実は私も、少し前におじいちゃんを亡くしてしまって…。最期まで『この映画を見たかった』と言ってくれていたおじいちゃんへの思いは、おじさんへの水華の思いとリンクしているようにも感じました」

――役を作り込むというよりは、自然に演じることができたということでしょうか。

「撮影が近づくにつれて気持ちも高ぶっていったので、すっと役に入れました。最初は何もできなかった私に、一から指導してくださった監督のおかげでもあります。撮影中はよく台本を監督のところへ持って行って、『私はこう思ったのですが、これで合っていますか?』と、答え合わせにお付き合いいただいていました(笑)」

――特に相談を重ねたシーンはあるのでしょうか?

「クライマックスのシーンは何度もご相談しました。そのシーンが初日の撮影だったので事前にリハーサルがあったのですが、難しくて…! すべての環境が整う本番とは違って、リハーサルだと気持ちがうまく入らない時もあったので、大変でした」

――苦労されたシーン…楽しみです! 撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

「共演した遊上なばなさんとはすぐに仲良くなれて、ずっとお話していました。また、ロケ先の方々が、おうちの庭やお店を貸してくださったことが印象的でした。こうして多くの人とつながり支えていただきながら作っていくのだと知って、温かい現場だなと思いましたね」

――岡田結実さんとの共演も見どころの一つですよね。

「お芝居の現場でご一緒するのは初めてだったので緊張していたのですが、岡田さんがいらっしゃった瞬間から、現場が太陽に照らされたようにパーっと明るくなって、自然と緊張もほぐれました。久しぶりにお会いしたのですが、『大人っぽくなったね』って褒めていただいたのがうれしかったです!」

――吉田さんは、もともと演技のお仕事に興味はあったのですか?

「はい。普段から映画やドラマもよく見ていて、映画『ヘルタースケルター』の蜷川実花さんの世界観なんかが大好きです。自分でもお芝居をやってみたいと思っていましたが、いざ演じてみると全然違うものでした。頭の中で抱いていた完成イメージとのギャップに最初こそショックを受けましたけど、最終的にはそれをバネにできたと思います」

――では、タイトルにちなんで、吉田さんの“帰り道”のルーティーンを教えてください。

「人と会った日は、バスに乗らずに歩いて帰ります! 音楽を聴きながら、その日の余韻に浸りますね(笑)」

――もし、この物語のように不思議なおじさんが現れたらどうしますか?

「たぶんついて行っちゃうかもしれない…(笑)。ああいうおじさんだったら、怪しみながらも気になるので追いかけちゃいますね」

――ありがとうございます!(笑)。では、最後にあらためて作品の見どころをお願いします。

「最初は内気で人と関わることが苦手な水華ちゃんが、神様を名乗るおじさんとの出会いによって変わっていき、大人への第一歩を踏み出して社交的になっていく姿が描かれています。人との出会いによって成長していく水華ちゃんの姿を見ていただけたらうれしいです。こんなご時勢で人と出会うことが難しくはなってしまいましたが、人と人とのつながりや温かさを感じていただけたらいいなと思います」

 作品への考えや撮影の思い出などをスラスラと力強く語る姿がとても印象的。本作への熱い気持ちが感じられて、彼女のオーラに圧倒された。ちなみにマイブームは喫茶店巡りらしく、「シフォンケーキとか食べるのにハマっています!」と笑顔を見せる一幕も。見た目だけでなく声もとてもかわいらしく、すっかり魅了されたので、映像でぜひチェックしていただきたい。そんな“女優・吉田あかり”のスタートとなる本作を、お見逃しなく。

【プロフィール】

吉田あかり(よしだ あかり)
2004年1月2日生まれ。東京都出身。やぎ座。O型。「関西コレクション2021 S/S」に初出演。「ACUOD by CHANU2021年春夏コレクション」などにも出演し、モデルとして活躍中。さらに、21年5月21日公開の「ペテロの帰り道」では映画初出演、主人公・水華役として初主演を務めた。21年6月18日公開予定の映画「ショコラの魔法」では梶田七瞳役を演じ、女優としても成長著しい。

【作品情報】

「ペテロの帰り道」 
5月21日よりアップリンク吉祥寺で公開予定

取材・文/藤田真由香 撮影/尾崎篤志

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