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Da-iCE・花村想太、“理想の自分”は「何事も許容できる人」【ミュージカル「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」リレーインタビュー①】2021/03/24

Da-iCE・花村想太、“理想の自分”は「何事も許容できる人」【ミュージカル「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」リレーインタビュー①】

 世界中で読み継がれ、愛され続けている大人気コミック「ピーナッツ」(著:チャールズ・M・シュルツ)。これを原作としたミュージカルの歴史は古く、1967年にオフ・ブロードウェーに初登場し、99年にはブロードウェーに進出。まさに、世界中の多くの観客を魅了し続けています。

 そんなミュージカル「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」が、2021年3月30日より日比谷シアタークリエに登場。17年以来の再演として新たなキャストを迎え、さらにパワーアップして帰ってきます! 今回は、そんな注目作のキャストの皆さんを取材。会見の様子と合わせ、インタビューを通じて作品の見どころやそれぞれの魅力を深掘りしてご紹介します。

 トップバッターは、物語の主人公であるチャーリー・ブラウンを演じる花村想太さん。ダンス&ボーカルグループ・Da-iCEのメンバーとして活動するほか、ミュージカルやバンドなど多彩なジャンルで活躍する花村さんに、作品の注目ポイントやご自身への向き合い方についてお話を伺いました。

Da-iCE・花村想太、“理想の自分”は「何事も許容できる人」【ミュージカル「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」リレーインタビュー①】

――はじめに、出演が決まった時のお気持ちを教えてください。

「すごくびっくりしました。世界で一番有名な漫画で、子どもの頃から当たり前にいたキャラクターに自分がなるというのは想像がつかなくて。ただ、『好きなキャラクターは何ですか?』と聞かれたら『スヌーピーです』と答えるくらい身近なキャラクターだったので、びっくりしたけど、すぐに『やりたい!』という気持ちになりました」

――昔からのお気に入りのキャラクターだったんですね!

「物語を詳しく知っていたわけではないんですが、子どもの頃に使っていたお弁当を包む風呂敷やお箸にスヌーピーの絵柄がついていたり。僕は関西出身なのでユニバーサル・スタジオ・ジャパンにもよく行っていて、そこでも身近な存在でした」

――では、今回演じるチャーリー・ブラウンの印象はいかがですか?

「本当に何もうまくいかない子で、たくさんつらいことが起こるんですけど、だからこそ“小さな幸せ”を見つけられるのが彼の一番の魅力ですね。例えば、『空が晴れてるだけでも、なんか幸せに感じる』って言うんです。今の子たちって、スマホをはじめ、やれることがたくさんあるじゃないですか。だから、天気が良かろうが悪かろうが、それが幸せにはつながらないことの方が多いんじゃないかなと思うんですよね。でも、天気の変化をひとつとってみても、そこから幸せを見いだすことができるんだなと。もし自分自身につらいことがあっても、“小さな幸せ”を見つけたいなと思わせてくれるキャラクターですね」

――何げないことに幸せを見いだすというのは、大人になるとますます忘れてしまう感覚かもしれませんね。

「『ああ、こんなにおいしい水が飲めて幸せやな』みたいに、当たり前なことをチャーリー・ブラウンは幸せだと考える子なんですよね。それはすごいことだなと思います」

Da-iCE・花村想太、“理想の自分”は「何事も許容できる人」【ミュージカル「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」リレーインタビュー①】

――今回はサリー役の林愛夏さんと兄妹を演じられますが、林さんの印象はいかがですか?

「林さんは常に一生懸命なんですよ。稽古場でもずっと台本とにらめっこをしていたり、自分がつけられた振り付けをずっと練習しているんです。そういうところを見ると『頑張れ』と思わす応援したくなるというか。“兄心”が湧きますね(笑)」

――舞台上での“兄妹感”にも注目ですね! 先ほど、「チャーリー・ブラウンはうまくいかないことが多い」というお話がありましたが、花村さんは悩みに直面した際、どのように向き合うようにしていますか?

「どうやったら悩みが解消するかを考えますね。例えば、緊張するのが悩みだとしたら、『なんで緊張するんだろう? 練習不足かな?』とか。『だったら練習いっぱいしよう』という解決策に結びつけます。あと、何かの選択に迷った時は、メリットとデメリットを考えます。自分にとってメリットがあると思ったら動くし、デメリットの方が大きいと感じたら動かない。悩んだ時は、生じるであろうデメリットを許容できるかどうかを一番重視しています」

――そのように考えるようになったのはいつ頃からですか?

「5年前くらいかな。それまでは目の前のことを一生懸命やるしかなくて、『YES or NO』もないというか。『YES』しかなかったんですよね」

――その変化には、何かきっかけがあったのでしょうか。

「仕事でも打ち合わせでも、自分の意志が必要になる年齢になってきたのが大きいですかね。最終的に決定するのが自分になって、その時に『俺はやりたいのか? やりたくないのか?』と自問自答することが多くなった時期だったので、それでかなと思います」

Da-iCE・花村想太、“理想の自分”は「何事も許容できる人」【ミュージカル「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」リレーインタビュー①】

――ご自身と真っすぐ向き合っていらっしゃるのが伝わってきます。その中で、理想の自分像はありますか?

「怒らない人がいいですね。もともと怒りっぽいわけではないですけど、自分に対しても相手に対しても『どうしてできないんだろう』と、もどかしい気持ちになることってあるじゃないですか。そういうことを『まあいいや』と許容できる人になりたいです」

――一つの考えに固執しない、ということでしょうか。

「全部を自分の物差しで考えるのではなく、この人はこの人で、自分は自分でいいんじゃないかというように、物事を切り離して考えられるようになってきたかもしれないですね。最近はそう思えることが増えました」

――そうなると、何事に対しても楽に考えられるかもしれないですね。

「自分の気持ちを押し付けるのは、やっぱりエゴなんですよね。自分のペースに合わせてほしいとか、そういう主張はすごく迷惑なことだなと思えたので、いろんなことが気にならなくなりました。何事も許容できるようになりたいですね」

Da-iCE・花村想太、“理想の自分”は「何事も許容できる人」【ミュージカル「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」リレーインタビュー①】

――では最後に、舞台を楽しみにされている皆さんにメッセージをお願いします。

「来ていただいた皆さんに“小さな幸せ”をたくさんプレゼントします。家に帰ってから布団の中で寝る時に、『明日もし嫌なことがあっても、チャーリー・ブラウンみたいに常に前向きに頑張ろう』と思ってもらえたらうれしいです」

――ありがとうございました!

 インタビューの冒頭、ボイスレコーダーに向かって「よろしくお願いします!」と呼び掛けてくださった花村さん。ファンの方々を大切にしている様子が垣間見える、その姿がとても印象的でした。小さな幸せを忘れない気持ちや、自分自身と向き合い続ける姿勢が花村さんの魅力を作り上げている源なのかもしれません。そんな花村さんの演じるチャーリー・ブラウンに注目です!

 開幕まであと6日! 明日は、博愛の哲学者・ライナスを演じる岡宮来夢さんのインタビューをお届けします。お楽しみに!

Da-iCE・花村想太、“理想の自分”は「何事も許容できる人」【ミュージカル「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」リレーインタビュー①】

【プロフィール】

花村想太(はなむら そうた)
1990年8月15日生まれ。兵庫県出身。しし座。A型。ダンス&ボーカルグループ・Da-iCEのボーカル兼パフォーマー。2020年には自身のソロバンドプロジェクト「Natural Lag」、21年にはYouTuber・ヒカルとの音楽ユニット「UPSTART」を始動。昨年、ブロードウェー・ミュージカル「RENT」で初主演を務めた。

【作品情報】

Da-iCE・花村想太、“理想の自分”は「何事も許容できる人」【ミュージカル「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」リレーインタビュー①】

ミュージカル「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」

東京公演 日比谷シアタークリエ/2021年3月30日〜4月11日
大阪公演 サンケイホールブリーゼ/2021年4月15日〜4月18日
愛知公演 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール/2021年4月20日
長野公演 長野市芸術館メインホール/2021年4月23日

取材・文/佐藤佳奈恵



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