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「神様のカルテ」原作者の夏川草介が影響を受けた人物とは? 「この人の作品の根底に流れている思いに、すごく共感するんです」2021/03/05

 信州・松本の地方病院で働く内科医の栗原一止(福士蒼汰)が、毎回さまざまな患者や医師たちと向き合いながら“良い医師とは何か?”を追い求めるさまを描くドラマスペシャル「神様のカルテ」(テレビ東京系)。

 一止(いちと)が周りにいる人々の思いやりに触れ、成長していく姿はもちろんですが、作中では、一止が夏目漱石を敬愛するあまりに、思わず古風な言葉遣いになってしまう部分や、漱石の作品から引用した文章を披露し、相手に話をする点も大きな見どころとなっています。話し口調まで変わってくるというのは、相当影響を受けているのが分かりますね(笑)。ということで、今回は、本作の原作者である現役医師の夏川草介先生に、ご自身が影響を受けた人物についてお伺いしてみました。

――一止は夏目漱石を敬愛し影響されている描写が出てきますが、夏川先生が自らの生き方に影響を受けている人がいましたら教えていただけますか?

「一番核になっているのは、やはり夏目漱石なんです。何度も本を読んでいて思うのですが、漱石という人は、世の中全体のことをとても心配しているんですよね。競争社会というものはこのままでは良くない、人を蹴倒してそれで良いわけではないと。例えば、『吾輩は猫である』に“ナポレオンでもアレキサンダーでも、勝って満足したものは一人もいない”という、すごく良い言葉が書いてあるんですよね。今の世の中って、昔と比べてもっと過酷な競争社会になっていて、“勝てば官軍負ければ賊軍”という雰囲気がすごく強まっているような気がします。そんな中で、漱石は、このままでは良い方向に行かないんだろうなと自分が思っていた感覚に、しっかりとした形を与えてくれた思想家です。この人の作品の根底に流れている『もっと相手を思いやりましょう』とか『道徳というのはとても大事だ』ということに、すごく共感するんです。だから、疲れている時に漱石の作品を読むととても励まされるんでしょうね」

――「神様のカルテ」にもそういった思いが込められているんですね。

「まさに、私も人と人が支え合うことが一番物事を良くしてくれると思っていますので。医者が患者を助けるだけでなくて、患者も医者を助けているんだという…そう支え合っている景色が、皆さんにうまく伝わるとうれしいですね」

 夏川先生ご自身も影響を受けていた、夏目漱石。この令和の時代に読むことで、夏川先生同様に改めて感じさせられることや、新たな発見がありそうですね。また、夏川先生も伝えたい“人への思いやり”や“人と人が支え合うこと”に対して、皆さんも、ドラマを通して考えてみてはいかがでしょうか?

 3月8日放送の第四夜は、いよいよ最終回!  一止は最先端医療を学ぶべく大学病院での勤務を決意します。第四内科第三班に所属し、“鬼切り”の異名をもつ班長・北条(市原隼人)や “パン屋”と呼ばれる宇佐美(北村有起哉)などに囲まれ忙しい日々を送る一止。ある日、三班で小さな子どもをもつ29歳のがん患者・二木美桜(貫地谷しほり)を担当することに。しかし、彼女は入院を拒否…その理由を知った一止は、どう行動するのでしょうか? 福士さん演じる一止の懸命な姿を、最後までお見逃しなく!

【番組情報】

ドラマスペシャル「神様のカルテ」 
テレビ東京系 
月曜 午後8:00~9:54

テレビ東京担当記者 Y・O

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