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藤本洸大「クロスロード」真島役で向き合った感情 初主演作「修仲」への愛着とサッカーの記憶2026/07/08 12:00

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藤本洸大「クロスロード」真島役で向き合った感情 初主演作「修仲」への愛着とサッカーの記憶

 ドラマ「修学旅行で仲良くないグループに入りました」(ABCテレビ/25年)で一躍注目を集めた藤本洸大への前後編インタビュー。前編では、「クロスロード~救命救急の約束~」(火曜午後9:00)への参加に感じた緊張と高揚、真島という役への向き合い方、後編では、「クロスロード」第1話で演じた真島裕人について、放送後だからこそ触れられる役の核心に迫る。

 初日に撮影したクライマックスシーンや共演者との現場エピソードに加え、「修学旅行で仲良くないグループに入りました」の反響、そして原点だというサッカーや服作りまで、藤本の素顔に触れていく。

真島が行動に至るまでの時間

――第1話を見終えると、真島には、事故現場で人を助けようとする一面と、その後に母を追い詰めた相手へ向かっていく一面が見えてきます。藤本さんは、真島が行動に至るまでの時間を、どのように捉えていましたか?

「例えば、母親が自殺に追い込まれてから、どのくらいの期間があって犯行に及んだのかということを撮影前に伺いました。プロデューサーの方が『半年くらい』と言ってくださって。半年だとしたら、最初の1、2か月は、母親が亡くなったショックが大きくて、多分、家からも出られなかっただろうし、何もできなかったはずなんです。でも、そこから衝動的にセミナーに乗り込んだわけではなくて、また数か月空いてから、銃を入手して、セミナーの場所を調べて、どう乗り込んだらうまくいくのかをちゃんと計画して、自分の中で覚悟も決めてから挑んでいる。衝動的なのか、計画的なのかで、全然違うので、そういうところは話しました」

――どう過ごしてきたかを考えることで、真島の輪郭が見えてきた部分もありそうです。

「そうですね。あとはやっぱり、母との関係性が真島にとっては大事だったので、そこも掘り下げました。シングルマザーの家庭で育ったこと、本当に母のことが大好きで、二人三脚でずっとやってきた、すごくいい人だったということは、話し合いました」

――ご自身もお母さまを大切にされているからこそ、真島の感情に近づくために考えたこともあったのでしょうか?

「年齢が一緒ということと、自分も母のことが大好きなので、そこは近しいところがありました。ただ、母を亡くした経験はないので、その感情をどう落とし込めばいいんだろうという難しさはありました。そこで、とにかく自分にできることをと思って、母とのエピソードを一回全部ノートに書き出してみました。そうしたら、意外とあまり関われていなかったな、親孝行できていないなと、いろいろ見えてきて。もし明日、母との関係が終わってしまったら、とてつもない後悔に襲われるんだろうなという感覚がありました」

――ご自身の後悔や母への思いを見つめることが、真島の感情を想像する手がかりになったんですね。

「そうですね。だから、きっと真島自身にもそれは深くあったと思うんです。この年代で、ちゃんとした親孝行ってなかなかできていないと思うので。シングルマザーの家庭ですし、学費もきっとお母さんがずっと稼いでくれて、頼りきりだったはずで。自分もバイトして稼いではいたと思うんですが、そういうものが見えてきました。自分自身も、もっと親と関わらないとなという気持ちになりました」

藤本洸大「クロスロード」真島役で向き合った感情 初主演作「修仲」への愛着とサッカーの記憶

――真島の感情を自分の中に落とし込むために、ほかにも何か試されましたか?

「クランクインの襲撃シーンの前の3日間くらい、街を歩いて過ごしてみたんです。真島だったらこの3日間をどう過ごすんだろう、何を食べるんだろう、街を見てどう感じるんだろうと思いながら歩いてみて、そこで得たものはありました」

――監督やプロデューサーと話し合い、ご自身でも準備を重ねた上で現場に入られたと思います。実際に演じる中で、真島像が変化していった部分もあったのでしょうか?

「クランクインが、クライマックスの襲撃シーンでした。初日に、真島がそこへ行き着く場面を撮ったので、その後のシーンでは、逆にその感情の軸をぶらさないことが大事でした。最初のシーンを綿密に作った上で、それをずっと持ちながら他のシーンに臨んでいたので、演じていく中で大きく変わったというよりは、最初に作った真島の軸を保つことを意識していました」

――第1話には、救急救命士・渋川輝役の寛一郎さんとのシーンもありました。現場では、どんなやりとりが記憶に残っていますか?

「あまり長くお話しできたわけではないのですが、その中でも本当に気さくな方でした。僕が横たわっているシーンの撮影中に、寛一郎さんがいろいろ話しかけてくださって。僕にとって寛一郎さんは憧れの存在で、フランクに話してくださったのがうれしかったです。もっと一緒のシーンをやりたかったですし、また別の作品でもご一緒したいなと思いました」

藤本洸大「クロスロード」真島役で向き合った感情 初主演作「修仲」への愛着とサッカーの記憶

「修仲」の日置は“無自覚の人たらし”

――「クロスロード」の真島が痛みや怒りを抱えた役だとすれば、「修学旅行で仲良くないグループに入りました」(ABCテレビ/25年)で演じた日置朝陽は、ピュアさや真っすぐさが印象に残る役でした。初主演作でもある同作の反響を受けて、藤本さんご自身は、日置のどんな部分が視聴者に強く届いたと受け止めていますか?

「無自覚な人たらしの感じなのではないでしょうか。ピュアで、普段は人の目を気にして恥ずかしくて言えないようなことも、さらっと言ってしまう。それも、よく見られたいから言っているわけではなくて、ただ本心で言っているんです。それは嫌いな人いないだろうなと。僕も原作を読んだ時に感じました」

――日置の“無自覚の人たらし”を演じる上で、意識していたことはありますか? 藤本さんご自身にも、そうした要素はあるのでしょうか。

「僕ですか? どう思います?(とマネジャーさんに質問)」

――マネジャーさんから、「普段から空気感が柔らかいから、話しかけにくいタイプではない」という意見が出ましたが、その柔らかさが日置にも自然につながった部分があったのかもしれないですね。その中で、“無自覚”を演じるというのは、意識すればするほど難しくなりそうです。藤本さんの中では、どう整理して演じましたか?

「日置の無自覚を考えた時に、『無自覚を芝居するのは変じゃない?』と思って。無自覚を自覚しているって、人としてどうなんだろうと、たまに考えました(笑)。でも意識していたのは、無自覚な人の神経回路って、多分、自分の方に意識があまり行っていないんだろうなということです。とにかく相手の顔や、いろんな温度を感知していて、そこにしかフォーカスがいっていないから、自分のことがあまり分かっていないというか、自分のことをあまり考えていないんじゃないかと思いました」

――自分をどう見せるかではなく、目の前の相手に意識が向いているということですね。

「そうです。だからピュアな反応になるんだろうなと。日置の脳内は、この人はどんなことを考えているんだろう、今何がしたいんだろうということを、ずっと探っている。目の前にあるものに反応し続けているから、ピュアな反応になるんだろうなと考えて、そこはずっと意識していました」

――初主演作でもある「修仲」は、藤本さんにとって特別な作品になったのではないかと思います。今振り返って、日置朝陽という役、そして作品そのものへの愛着を、どのように感じていますか?

「日置というより、『修仲』という作品自体に愛着があります。初めて主演をさせていただいて、こんなありがたいことはないですし、そういう機会はなかなかないので。主役の立場として、作品全体を見る意識をしていました。だから愛着は、役だけでなく作品に向いているのかもしれないです。日置自身がどう見えているかも見ていたので、僕自身もその一部として捉えていました」

――作品全体への思いがある中で、日置という人物をあらためて好きになった場面を挙げるなら?

「一つ挙げるなら、7話の海のシーンです。渡会(簡秀吉)に対して『いや、そういうことじゃないんだよ』という感じで必死に止める場面があるのですが、あの時に『日置、すごいな』と思いました。本当にピュアなんだろうなと。見ている方にはかわいく映る場面かもしれませんが、日置にとっては一大事だったはずなんです。だからこそ、あの時の感情は大事にしたいなと思いましたし、特に印象に残っています」

――日置が渡会に「俺を好きなことはいいと思うっていうか…困ったことはないから」などと伝える場面ですね。

「そこは見ている人にとってかわいく映ると思うのですが、日置自身にとっては、本当に必死なところだったはずなんです。普通にそれができるのがすごいというか、ちゃんと伝えているのがピュアであり、いい人なんだなと感じました」

――作品の盛り上がりには、同時視聴やSNSでの反応も大きかったですよね。視聴者の声がリアルタイムで届くことは、藤本さんにとってどんな経験でしたか?

「もちろん楽しいからやっていたというのはあるのですが、『スメルズ ライク グリーン スピリット』(MBS/25年)の時に、同時視聴をしていたVTuberの方がいらっしゃって、それを見ていたんです。どういう意見を持つんだろうと思いながら見ていて。『修仲』の時に、これを僕もできるんじゃないかなと思ったんです。僕のファンの方々が何を求めているんだろうというのを知れたし、それをSNSにもつなげられる。最初は手探りでしたけど、やって良かったです」

――同時視聴は、藤本さんご自身の発案だったんですね。主演だから広めなければというより、まずはやってみたいという気持ちが大きかったのでしょうか。

「初めは本当に、何をしてもいいと思っていたというか。僕の立ち位置として、とにかく失敗しないといけないと考えていて、できることは何でもやった方がいいと思っていました。それはマネジャーさんとも話していて。思い切って挑戦してみました」

――それが最終回まで続いたわけですが、最初から毎週やるつもりだったんですか?

「毎週やるとは思っていなかったです(笑)」

サッカーは「僕の人生でしかない」

――藤本さんが長年続けてきたサッカーについても伺いたいです。藤本さんにとって、サッカーはどんな経験として今に生きていますか?

「ほとんど生きていると思います。僕の人柄というか、全部を形成したものの80%くらいはサッカーだと思います。協調性の部分もそうですし、僕はずっとキャプテンをやっていたので、リーダーシップや人の前に立つこと、礼儀も全部そこで培ってきました。サッカーは本当に、僕の人生でしかないです」

――今はもう、プレーすることはないんですか。

「一切やっていないです。そもそもこの業界を目指す時に、プロのサッカー選手は現実的に無理だなと思って。役で必要になっても、人に見せられるぐらいにはできるので、それであれば他のことをやった方がいいなと考えました」

――同じ時間を使うなら、俳優としての糧になることを、ということですか。

「今サッカーをやっても、実力が大きく伸びるわけではないと思うんです。たまにスポッチャでやると楽しいですが、趣味としてサッカーを続けるなら、新しい楽器やアクションなど、別のことをやった方がいい。俳優としてだけじゃなく、人間として厚みが増すのは、絶対そっちだと思ったので」

――時間の使い方が、とても明確なんですね。絵や服のリメイク、英会話など、藤本さんは興味の幅が広い印象もあります。

「全然そんなことないです。今も、次の趣味どうしようと考えています」

――その中でも、今あらためて興味が向いているものはありますか?

「リメイクは、少しアイデアが尽きかけてきていて。だからこそ、リメイクよりも服を作る方がいいなと考えています。ちゃんと一からデザインやシルエット、素材を全部決めた方が、自分のやりたいことに合っているのかなと。今は服の素材、生地をようやく気にするようになりました」

 サッカーで培った協調性や礼儀、リーダーシップ。それを土台にしながら、藤本の興味は今、新しい楽器やアクション、服作りへと軽やかに広がっている。「次の趣味は何にしよう」――そんな風に自分を更新し続ける姿は、これからの役や表現にも、新しい風を吹き込んでいきそうだ。

藤本洸大「クロスロード」真島役で向き合った感情 初主演作「修仲」への愛着とサッカーの記憶

【プロフィール】
藤本洸大(ふじもと こうだい)
2005年10月6日生まれ。兵庫県出身。天秤座。近年の主な出演作に、ドラマ「修学旅行で仲良くないグループに入りました」(ABCテレビ/25年)、「エラー」(ABCテレビ・テレビ朝日系)、「share」(フジテレビ/共に26年)、映画「恋わずらいのエリー」(24年)、『か「」く「」し「」ご「」と「』(25年)などがある。

【番組情報】
ドラマ「クロスロード ~救命救急の約束~」
テレビ朝日系
毎週火曜 後9:00~9:54
※藤本出演の第一話はTVerで無料配信中

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【締め切り】2026年8月14日(金)正午

 取材・文/斉藤和美 撮影/蓮尾美智子

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