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「クロスロード」で挑んだ新たなステージ 藤本洸大「この役を誰にも取られたくない」 2026/07/03 17:00

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「クロスロード」で挑んだ新たなステージ 藤本洸大「この役を誰にも取られたくない」 

 ドラマ「修学旅行で仲良くないグループに入りました」(ABCテレビ/25年)で一躍注目を集めた俳優・藤本洸大。初主演作となった同作で、ピュアで真っすぐな日置朝陽を繊細に演じ、多くの視聴者の心をつかんだ彼が、テレビ朝日系で7月7日スタートの連続ドラマ「クロスロード~救命救急の約束~」(火曜午後9:00)の第1話にゲスト出演する。

 藤本が演じるのは、物語の鍵を握る青年・真島裕人。今田美桜が主演を務め、救命医、救急救命士、警察官、それぞれの正義が交差していく本作の初回で、視聴者の感情を揺さぶる役どころだ。

 前後編で届ける今回のインタビュー。前編では、「クロスロード」への参加に感じた緊張と高揚、真島という役への向き合い方、そして直近の出演ドラマ「share」(フジテレビ)、「エラー」(テレビ朝日系=ABCテレビ制作)で得た手応えについて聞いた。

「クロスロード」で挑んだ新たなステージ 藤本洸大「この役を誰にも取られたくない」 

「この役を自分だけのものにしたい」と思った、覚悟の役

――「クロスロード~救命救急の約束~」第1話で演じる真島裕人は、物語の鍵を握る役どころです。出演が決まった時、まずどんな気持ちでしたか?

「最初は不安の方が大きかったです。マネジャーさんから『すごく重要な役です』と聞いて、『どうしよう』と。でも、台本を読んで、その“重要な役”という意味が分かってからは気持ちが変わっていきました。自分が今まであまり演じてこなかった役でもあり、いずれ挑戦したいと考えていたような役でもあったので。そこから意欲が湧いてきて、『この役を自分だけのものにしたい』という気持ちで、かなり高揚しながら臨んでいました」

――不安から、挑戦したいという思いに変わっていったんですね。

「そうですね。午後9時台のドラマで、第1話の事件を大きく動かすような役って、なかなかないと思うんです。しかも初回なので、本当に大事な役だと思いました。だからこそ、何か爪痕を残すというか、視聴者の心を少しでも動かせるきっかけになれたらいいなと。役柄的に、準備もちゃんとしなければいけないですし、これまでとはアプローチの仕方も変えなければいけない。自分にとって、大きな挑戦になるだろうと受け止めていました」

――これまで演じてきた役とは少し違う手触りもあったと思います。真島という人物を、最初にどう受け止めましたか?

「真島の印象は、最初に台本を読んだ時と、読み進めていった時とで、少し違っていました。最初はインパクトの強い出来事に目がいって、人物の本質を少し見失っていましたが、根は本当にいい人なんです。すごく素直でいい人という部分は、監督も描きたいとおっしゃっていました。そういう人が、ある環境に置かれたことで、極端な行動に至ってしまう。掘り下げていくと、僕とまったく違う人間ではないというか。その世界線が、自分にとってもあり得ないことではないように感じました。そこで、役への理解が少し深まりました」

――真島を演じる上では、準備の段階から普段と変えていった部分もあったのでしょうか。

「ありました。今までこういった役を演じる機会がなかったので、準備の仕方も変えないといけないなと思いました。僕は、毎回同じルーティンで役作りをするというよりかは、その作品のメッセージ性をより強めるために、自分の役がどうあるべきかを考えてから逆算するようにしています。今回も、真島という人物に必要な準備は何かを考えながら向き合っていました。ルーティンがないので、これから先、役作りがうまくいかないこともあるかもしれませんが、それが楽しいのかなとも思います」

近作で得た手応えと刺激

「クロスロード」で挑んだ新たなステージ 藤本洸大「この役を誰にも取られたくない」 

――「クロスロード~救命救急の約束~」の真島とはまた違い、4月クールの「share」では主人公・日下はる(秋田汐梨)の幼なじみ・坂谷和哉役、「エラー」では主人公・大迫未央(志田未来)の会社の後輩・塩野春樹役と、タイプの異なる役が続きました。それぞれの現場で得た手応えや、挑戦できたことはありましたか?

「『修仲』の撮影が終わって1週間くらいで『share』の撮影に入ったのですが、自分が演じた坂谷の芝居はコメディー的な要素が大きくて。やっぱりコメディーっていいな、面白いなと感じました。現場には素敵な共演者の方がたくさんいて、先輩方のお芝居を見て『こういう芝居があるんだ』と刺激を受ける瞬間もあって。それを自分なりにブラッシュアップして挑みました」

――コメディー的なお芝居では、どんなことに挑戦されましたか?

「例えばですが、何かが発覚した時のリアクションでスプーンを落としてみました。視聴者として見ている時は特に意識していなかったのですが、そういった細かな動作は役者が考えていないとできないものなんだなと学びました。なので今回、僕もいろいろチャレンジさせていただいて、調整しながら演じていました。僕が演じた坂谷以外は、落ち着いたキャラクターばかりだったので、その異質感も逆に面白かったです」

――その異質感は、意識して出そうとしていたのでしょうか。

「坂谷は絶対シェアハウスに向いていないだろうな、と思わせたい気持ちはありました」

――ちなみに、藤本さんご自身はシェアハウスは大丈夫なタイプなんですか?

「全然大丈夫です!」

――「エラー」の現場では、志田さんとの共演も大きな経験になったのではないですか?

「撮影は2日間だけでした。しかも、その2日も1か月ほど間が空いていたので、少し不思議な感覚もありました。でも『エラー』は、現場そのものがとても楽しかったです。特に印象に残っているのは、志田さんのお仕事に対する姿勢を間近で拝見させていただけたことです。言葉で何かを教わったというより、現場でのたたずまいや向き合い方を見て、見習いたいなと思いました。僕自身、撮影中はワンカットごとに集中して臨みたいタイプなのですが、志田さんもそういう方なのかなと感じました。その姿勢を見て、『僕はこのまま進んでいいのかな』と思えたというか。自分にとって、道しるべのような経験でした」

――現場での、志田さんとのやりとりで覚えていることはありますか?

「一つ面白かったのが、志田さんに『僕、いくつに見えますか?』と聞いたんです。そうしたら『アラサーというか、20代後半くらいかな』と言われて。普段は実年齢より下に見られがちなので、とてもうれしかったです。志田さんはその時『ごめんなさい!』とおっしゃっていましたが、『僕はうれしいです!』とお伝えしました(笑)。今までで一番高く年齢を見積もってくださったのが志田さんでした。役も20代前半くらいで落ち着いた人物だったので、多分そう見られたんだと思います。普段は中学生役もできると言われるぐらいなので(笑)」

怒りを持ち帰らない、自分の整え方

――「エラー」では、怒りやモヤモヤした感情を料理で解消する場面もありました。藤本さんご自身は、怒りやストレスを感じた時、どんなふうに気持ちを落ち着けることが多いですか?

「怒りの感情を処理するのは上手なタイプだと思います。すぐ落ち着けられます」

――怒りを感じても、長く引きずるタイプではないんですね。

「一回、腑に落ちた話があって。怒りって、みんなコントロールできないものだと思っていると思うんです。でも『本当はコントロールできるんだよ』と言われたんです。例えば、母親が怒っている最中に電話がかかってきたら、『(高い声で)はい、もしもし』と一瞬で切り替わる。つまり、コントロールできているということですよね。言われてみたら、自分が怒られている時に、母親が学校からの電話によそ行きの声で出ていたな、と思い当たって(笑)。その話を聞いてから、自分の動かし方が分かりました」

――自分の感情を切り替える方法も、ある程度分かっているということですか?

「一度、ドラムの練習をしていた時、うまくできなくて、ストレスがたまって、『もうダメだ』となったことがありました。その練習の帰りは雨が降っていたのですが、傘を差したおじさんにそのまま突っ込まれて、とても腹が立ちました。そこで『服を見に行こう』と考えて、服を2、3着買ったら、ドラムの練習をしていた時よりもテンションが上がったんです。そういうものなんだなと。自分の手なずけ方というか」

――怒りをそのまま持ち帰らずに、好きなものへ気持ちを移していくんですね。

「アイスが好きな人なら、それを買うだけでも、さっきより気分が上がって帰れると思うんです。みんなそうやって気持ちを切り替えたいけれど、なかなかできなくて、その吐き出し口が怒りになっているんだと思います。でも、そういう対処の仕方もあると分かってからは、外で感じたストレスは外で処理するようにしています。家にイライラを持ち込みたくないので」

「自分の手なずけ方」という言葉にも表れていたように、藤本は役だけでなく自分自身の感情にも丁寧に向き合っている。後編では、「クロスロード」第1話の放送後だからこそ語れる真島の核心をはじめ、「修学旅行で仲良くないグループに入りました」で演じた日置への思い、サッカー、服作りなど、素顔が見える話題にも触れていく。

「クロスロード」で挑んだ新たなステージ 藤本洸大「この役を誰にも取られたくない」 

【プロフィール】
藤本洸大(ふじもと・こうだい)
2005年10月6日生まれ。兵庫県出身。天秤座。近年の主な出演作に、ドラマ「修学旅行で仲良くないグループに入りました」(ABCテレビ/25年)、「エラー」(ABCテレビ・テレビ朝日系)、「share」(フジテレビ/共に26年)、映画「恋わずらいのエリー」(24年)、『か「」く「」し「」ご「」と「』(25年)などがある。

【番組情報】
ドラマ「クロスロード ~救命救急の約束~」
テレビ朝日系
7月7日スタート
毎週火曜 後9:00~9:54

取材・文/斉藤和美 撮影/蓮尾美智子

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