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「のぶと一緒に生きている感覚」今田美桜が語る「あんぱん」次郎との別れと嵩との再会2025/07/04 08:15

「のぶと一緒に生きている感覚」今田美桜が語る「あんぱん」次郎との別れと嵩との再会

 NHK総合ほかで放送中の連続テレビ小説「あんぱん」(月~土曜午前8:00ほか)で、主人公・若松のぶを演じている今田美桜。激動の時代を生き抜く中で、数々の困難を経験しながら成長していくのぶの姿を丁寧に体現している。これまでの歩みを振り返る「総集編」を、NHK BSプレミアム4Kでは7月6日に(第1回午後3:42、第2回午後4:26)、NHK総合では、7月12日(第1回午後3:05、第2回午後3:49)に放送され、今後の展開にも注目が集まる中、のぶにとって転機となる夫・次郎(中島歩)との別れや、柳井嵩(北村匠海)との再会についてその思いを語ってくれた。

 「連続テレビ小説」第112作の「あんぱん」は、中園ミホさんが「それいけ!アンパンマン」(日本テレビほか)を生み出した漫画家・やなせたかしさんをモデルとした嵩(北村)と、その妻・のぶ(今田)の激動の人生を描く。何者でもなかった2人が数々の困難を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでを紡ぐ、生きる勇気と希望を与える物語だ。

「のぶと一緒に生きている感覚」今田美桜が語る「あんぱん」次郎との別れと嵩との再会
「のぶと一緒に生きている感覚」今田美桜が語る「あんぱん」次郎との別れと嵩との再会

 今田が演じるのぶは、朝田家三姉妹の長女で、高知で家族の愛情を受けて育った快活な女性。女子師範学校を卒業後は小学校の教師となり、その後、父・結太郎(加瀬亮)の縁で次郎と結婚。戦争や別れを経験しながらも、次郎が遺した速記帳をきっかけに速記に夢中になり、やがて新聞記者としての道を歩み始める。行動力と真っすぐな正義感を持ち、激動の時代の中で自分の道を切り開いていく姿が印象的だ。

「のぶと一緒に生きている感覚」今田美桜が語る「あんぱん」次郎との別れと嵩との再会

――次郎との関係を演じるうえで、のぶの心の動きをどう受け止めていましたか?

「次郎さんからプロポーズを受けたタイミングというのは、のぶが“愛国の鑑”だと言われることに悩んでいる時で。自分の思う正義を信じている中で、豪(細田佳央太)ちゃんが亡くなってしまい、蘭子(河合優実)とも衝突してしまって…。本当はずっと『自分の進んでいる道はこれでいいのだろうか?』という葛藤があったものの、家族にすら悩みを打ち明けられず、一人で抱え込んでいました。そんな時に出会った次郎さんが、自分の弱い部分もすべて認めてくれて、優しく、温かく包み込んでくれた。だからこそ、のぶはこの人に自分の人生を委ねてみたいと思ったんだと思います」

――次郎の存在は、のぶにとってどんな意味を持っていたのでしょうか?

「次郎さんとのシーンは少なかったのですが、演じる中島さんのおかげもあって、とても思い出深いシーンばかりです。のぶが次郎さんの撮った写真を現像するシーンでは、次郎さんから今までもらった、たくさんの愛情を思い出しました。その愛情がうれしくて苦しくて、忘れられないシーンです。次郎さんがのぶに残してくれた『自分の目で見極め 自分の足で立ち 全力で走れ 絶望に追いつかれない速さで』というメッセージは、今後のぶがそれを胸にかけていく、ずっと大事にしていきたい言葉ですね。もともと走るのが大好きで、いつも真っすぐに突っ走っていたのぶらしさというものを、あの言葉で思い出した感覚がありました」

――第13週、嵩との4年ぶりの再会シーンでは、のぶにとって大きな転機となる場面でした。

「のぶとしては、次郎さんも亡くなって、大好きな子どもたちも傷つけて、本当にどん底の時でした。のぶは責任感も強いですし、こんな自分が生きていていいのだろうかと。それまでは次郎さんがいて救われていたけれど、それもなくなってしまった。そんな時に嵩と再会し、今まではのぶが嵩を元気づけることが多かったのですが、このシーンでは逆に嵩がどん底からのぶを引っ張り上げてくれて。この時の嵩の言葉がすごく心に残っていますし、のぶが本当に救われた瞬間でした」

「のぶと一緒に生きている感覚」今田美桜が語る「あんぱん」次郎との別れと嵩との再会

――嵩との再会シーンには、戦争の現実を背負った嵩の存在がありました。撮影にあたって感じたことは?

「このシーンで、北村さんは『戦地でいろんな経験をしたからこそ、少し達観している嵩でいたい』とおっしゃっていました。戦地でのシーンは、のぶが暮らす高知とは遠く離れた別の場所で起こっていることなので、私自身はあえて台本は読まないようにしていましたが、北村さんをはじめ、出演者の皆さんは実際に食事を抜いて撮影に挑んでいました。私も放送を見て、『ここまで描くんだ』と思いましたし、言葉にできないくらい壮絶だなと。でも、やなせさんの人生を描く上で大切な部分ですし、この『あんぱん』チーム全員が戦争というものに本気で向き合っている覚悟を感じました。この作品を通して、改めて戦争について考える機会が少しでも増えたらいいなと思います」

――のぶとして歩んできた日々の中で、ご自身と重なる思いはありましたか?

「本当に私自身ものぶと一緒に悩んだり、涙したり…もはや役としてなのか自分としてなのか分からなくなるくらい、のぶと一緒に生きている感覚があります。第14週で、のぶが高知新報に入ってからは、明るいシーンも多くなりましたし、今後のぶの運命を変える人との出会いも待っています。のぶも嵩も戦争を乗り越え、2人が『逆転しない正義とは何なのか?』、その答えを探しながら奮闘する姿を、ぜひ応援してもらえるとうれしいです。また、のぶと嵩の関係もどうなっていくのか。ぐずぐずしている嵩を見て『もう、嵩~!』となっている方も多いと思いますが(笑)、今後の展開もどうぞお楽しみに!」


【番組情報】
連続テレビ小説「あんぱん」

NHK総合
月~土曜 午前8:00~8:15 ※土曜は1週間の振り返り
NHK BS・NHK BSプレミアム4K
月~金曜 午前7:30~7:45

取材・文/TVガイドWeb編集部



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