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真矢ミキがコロナ禍で感じた使命感。現実に目を背けず挑むわけとは? 行き場のない子どもたちに寄り添う“さくらさん”が再び !2020/09/05

真矢ミキがコロナ禍で感じた使命感。現実に目を背けず挑むわけとは? 行き場のない子どもたちに寄り添う“さくらさん”が再び !

 10月17日からスタートのオトナの土ドラは、真矢ミキの主演でおくる「さくらの親子丼」(フジテレビ系=東海テレビ制作)に決定した。これまで2017年と18年に2シリーズ放送された本作は、今回が第3弾。同枠史上初の全10話で放送予定だ。

 虐待や育児放棄など、さまざまな問題を抱えた子どもたちが一時的に避難できる子どもシェルター「第2ハチドリの家」でスタッフとして働く九十九さくら(真矢)が、「空っぽのおなかを満たせばココロも満たされるはず」という信念の下、子どもたちに親子丼を振る舞い、愛を伝えていく姿を描く物語だ。そんなさくらを演じる真矢に、作品への思いを聞いた。

真矢ミキがコロナ禍で感じた使命感。現実に目を背けず挑むわけとは? 行き場のない子どもたちに寄り添う“さくらさん”が再び !

――新型コロナウィルスの影響もあり、子どもたちを取り巻く環境もますます厳しいものになっているようです。そんな状況下で、さくらが再び戻ってきますね。

「“児童虐待や子育て放棄のニュースが、どうしてこんなにも流れるのだろう”と思っている方も、きっといらっしゃると思います。私自身、そういう社会に対して自分にできることがあれば手を挙げていきたいという気持ちが高まっていますし、これまでよりもっと現実的に作品を捉えることができると思うので、そういった自分の思いも役に深く落とし込んでいきたいです」

――真矢さんが考えるさくらとは、どんな女性でしょうか?

「これまでのシリーズで描かれてきたように、多くの人と交わってきて、今回は“自分がどう動くべきなのか”ということを考えている人物なのではないでしょうか。いつも自分の立ち位置や考えをとにかく模索している人で、そこは私と一緒でもあります(笑)。ドラマだけど非常に現実味のある作品なので、私自身も役者というよりは1人の人間として走りたいです」

――ご自身との共通点もあるのですね。

「最初は自分に似ていると思いました。物事は見過ごした方がいい時もあると思うんですが、さくらはそれをしないんです。今回は、“正義感の出しどころを間違えると人の人生を変えてしまうことがある”ということも描かれているので、“善人”を単純に捉えてはいけないなと、学んだ気がします。正義や優しさだけがすべてじゃないと気付かせてもらいました。いろいろな優しさがあっていいんだなと。“人に何かを譲りたい”という感情も生まれました。自分を成長させてくれる役ですね」

――さくらを演じられる上で意識されていることはあるのでしょうか。

「役作りをする時は、いまだに一つ一つの役についてあたふた考えているんですよ。でも、この役はどう見えたっていいと思っています。ここまで裸になったような役は私自身も初めてですし、生身で演じることが重要だと感じています。気付いたら第3弾まで演じさせていただくことになりましたが、このタイミングで始まるのは時代と合致しているからではないでしょうか。子どもを取り巻く環境についての課題は増え続けていますもんね」

――コロナ禍で虐待リスクが増えたというニュースも聞きました。そういった問題を知るために取り組まれていることはありますか?

「虐待の映像や育児放棄をした親のインタビュー動画などを見て、情報収集をしています。また、知り合いからは都内でゴミ捨て場のゴミを20歳前後の子が裸足であさっていたという話も聞いたりして。その子が置かれている本当の状況は分かりませんが、自分たちの足で必死に生きようとする子どもたちが身近にいるのだと知りショックだったのと同時に、現実として受け止めると心が波立つ思いでした。これだけハイテクな時代に、そういうことが同時に起きているのだとしたら、いかにこの問題が置き去りにされてきたのかを表しているのだと思いますし、令和の時代を逆走している感じすらします。目をつむりたくなるような部分もありますが、ドラマに落とし込むことでリアリティーを増すのではないかと思っています」

真矢ミキがコロナ禍で感じた使命感。現実に目を背けず挑むわけとは? 行き場のない子どもたちに寄り添う“さくらさん”が再び !

――自粛生活も続きましたが、真矢さんはどのように過ごされましたか?

「最初は世の中を見て、その次に身近を、最終的には自分を見るようになりました。関係図に“自分は何を目指しているのか” “どこに向かっているのか”と書いてみたり、欠点を書き出したり…。困った時代ですけど、自分にとってすごく重要なことをたたき出してくれた時期でもあると思います。さくら自身も自分と葛藤している人物なので、役を一層練り込めた感じがしています」

真矢ミキがコロナ禍で感じた使命感。現実に目を背けず挑むわけとは? 行き場のない子どもたちに寄り添う“さくらさん”が再び !

――では、作品を通して今の時代の社会に伝えたい思いはありますか?

「まずは“声を上げていいんだ”“自分たちを守ってくれる場所があるんだ”ということを知ってほしいです。実際、街でお子さんから声をかけられることも増えました。『さくらさんでしょ?』と言っていただいたり、お手紙をいただいたりして、何らかの影響があるのだなと、あらためて感じました。子どもの話ではありますが“大人がどう考えるのか”という作品でもあると思っていたので驚きました。見ている人には、たとえ関係のない仕事をされている方だとしても“自分は何ができるのか”と能動的になっていただけたらうれしいです」

――最後に、真矢さんにとっての親子丼とは何でしょう。

「私の家もよく親子丼が出ていました。親子丼って、即席でできる優しさだと思うんですよね。“あなたに寄り添いたい”という気持ちが伝わる食べ物だと思います。親子丼を食べてもらう子どもたちを演じる若い役者の子たちも“自分の仕事をつかみたくて仕方がない!”とすごいパワーで食いついてくると思うので、私もパワーをつけないとですね。“演技のようで演技じゃない部分”を大切に感じながらやりたいです」

――ありがとうございました!

真矢ミキがコロナ禍で感じた使命感。現実に目を背けず挑むわけとは? 行き場のない子どもたちに寄り添う“さくらさん”が再び !

【番組情報】

「さくらの親子丼」 
10月17日スタート 
フジテレビ系 
土曜 午後11:40〜深夜0:35

フジテレビ担当 M・F



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