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映画「青くて痛くて脆い」W主演の吉沢亮&杉咲花「すごく挑戦できた映画だと思います」2020/08/26

 「君の膵臓をたべたい」の住野よるによる、ダークな青春小説「青くて痛くて脆い」の実写映画にダブル主演する吉沢亮と杉咲花。未熟だからこそ懸命になれた日々の心模様を、2人が銀幕に映し出す。

── 本格的な共演は今作が初めてでしたが、現場ではどのような雰囲気だったのでしょうか?

杉咲 「最初の頃は吉沢さんにちょっと人見知りな雰囲気が漂っていたんですけど(笑)、日数を重ねていくにつれ、いろいろな話ができるようになっていって。そういった中で私がつかんだ吉沢さんの姿は、常にどなたに対してもフラットで優しい方、というものでした。すごく心地のいい距離感で現場にいてくださったので、撮影が本当に楽しかったです」

吉沢 「最初は距離感を探りつつだったんですが、『花ちゃんは絶対に人を傷つけたりしない人だな』という優しさと安心感を感じて、人見知りな僕も心を開くことができました(笑)。お芝居に関しては僕が言うまでもないんですけど、花ちゃんが秋好寿乃というキャラクターを演じることで、すごく女性として魅力的に見えたと思っています。単に理想を語る痛い人じゃなく、『あ、この人は本当にそう思って発言しているんだ』という現実味をすごく感じさせてくれたというか。その姿に、僕が演じた(田端)楓が憧れ、だからこそ狂っていくことになるんですが、その心理と行動に対する絶対的な存在の秋好として現場にいてくれたので、僕はすごくやりやすかったですし、あらためてすてきな女優さんだなと思いました」

── 楓と秋好のシーンの中でも、2人が対峙(たいじ)しつつ交わす会話の現実味が印象的でした。

吉沢 「あのシーンを撮っていた時って一言もしゃべらなかったよね? お芝居以外の時間では」

杉咲 「そうでした。確かに」

吉沢 「それまでは結構くだらない話をして、ゲラゲラ笑っていたんですけど、あのシーンを撮っている時は、お互いに一言も言葉を交わすことがなくて。別にそうしようと話していたわけでもないんですけど、自然と緊張感がありました」

杉咲 「あのシーンの時だけカメラが2台あったりして…何か現場の緊張感がものすごかったん
です。あのシーンって、何度も撮りましたよね?」

吉沢 「めっちゃ撮った! あの時は言わなかったけど、『めちゃくちゃ撮るじゃん』って思ったぐらい(笑)」

杉咲 「(笑)。カットが掛かっても、まだまだアングルを変えて撮る可能性があると思うと、集中力を持続させておかなければというプレッシャーもあって。すごく緊張感がありました」

── ちなみに、何テークぐらい撮ったんでしょうか?

吉沢 「10回は撮ったよね?」

杉咲 「撮りました!」

吉沢 「カットを割らずに、頭から最後まで全部を一連で撮ったので、正直なかなかしんどかったです。でも、その空気もあっていい緊張感がずっと続いてたので、よりいいものが撮れたんじゃないかなと思います」

── あのシーンに限らず、楓をはじめ登場人物たちを見ていて、彼ら彼女らが“青くて痛くて脆く”感じるのは、多かれ少なかれ承認欲求が見え隠れするからなのかなと思ったりもしました。

吉沢 「でもやっぱり、どことなく分かっちゃうところがあるんですよね、楓の気持ちが。はたから見ると気持ちのいいものじゃないですし、どうしようもなく身勝手にも思えるんですけど、ああいう面は誰しも持っているような気もしていて」

杉咲 「分かる気がします」

吉沢 「気持ち悪いし、痛々しくて嫌だなって思うけど、それが自分の中にもあるものだからこそ、すごくムカつくんだろうなって。ある意味、自覚しているところがあるのかもしれない」

── 杉咲さんからご覧になって、楓と秋好の関係性はどんなふうに映りましたか?

杉咲 「どちらも不器用だなと思いました。どちらかというと、秋好の方が楓に歩み寄っているのかもしれないですけど、結局は目をそらしてしまったところもあるのかな、と。それに私も楓の気持ちはなんとなく分かるというか、理解できる部分もあるので、私自身も作品を見ていて目をそらしたくなりました。吉沢さんがお話されたように、やっぱり自分にもそういう部分があるからなのでしょうね。少なからず、そう感じました」

吉沢 「そうだよね。演じる僕ら2人にとっても、すごく挑戦できた映画だと思います」

【OUR『ハラハラ&ゾクゾクな』MOVIE】

吉沢 「自粛期間中に『オールド・ボーイ』(2003年)を見たんですけど、めちゃくちゃスリリングでした! 前から気になっていたんですが、なんとなく見るタイミングを逃していて、ようやく腰を据えて見てみました。話の構成や役者さんのお芝居、カット割りやカメラワークなどのアイデアに到るまで、同じアジアなのに、パワーの差を感じてしまったというのが正直なところです。『スゴいものを見ちゃったな』という感覚を覚えました」

杉咲 「私は『エターナル・サンシャイン』(04年)です。ミシェル・ゴンドリー監督の作品が前から気になっていたというのもあって見たんですが、『これ、どうやって撮ったんだろう?』というシーンの連続で、いい意味で予想外の映画でした! 仕掛けのあるシーンも面白かったんですけど、2人(ジム・キャリーとケイト・ウィンスレット)が凍った湖の上で空を見上げているシーンも、すごくすてきで。記憶と恋の関係性の描き方がすごく印象的でした」

【プロフィール】

吉沢亮(よしざわ りょう)

1994年2月1日、東京生まれ。水瓶座。B型。
主な出演作として、映画「リバーズ・エッジ」(18年)、「キングダム」(19年)など。2021年度大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合ほか)で主演を務める。映画「さくら」(11月13日公開)、「AWAKE」(12月公開)などが待機中。

杉咲花(すぎさき はな)

997年10月2日、東京生まれ。天秤座。B型。
2020年度後期連続テレビ小説「おちょやん」(NHK総合ほか)でヒロインを務める。劇場版オリジナルアニメ「サイダーのように言葉が湧き上がる」が公開待機中。

【作品情報】

映画「青くて痛くて脆い」  
8月28日公開

傷つくことを恐れて人と関わろうとしない田端楓(吉沢)は、周りの目を気にせず自己主張をする大学のクラスメート・秋好寿乃(杉咲)から話しかけられて困惑するも、そのひたむきさに楓も心を開いていくが、やがて2人に別れが…。そして、楓は復讐へと転じていくこととなる。

原作/住野よる 脚本/杉原憲明 監督/狩山俊輔 
出演/吉沢亮 杉咲花 岡山天音 松本穂香 清水尋也 森七菜 茅島みずき 光石研 柄本佑 ほか

取材・文/平田真人 撮影/增田勝行(SIGNO) 
ヘア&メーク/小林正憲(SHIMA)[吉沢]、Hirotaka Iizuka(juice)[杉咲] 
スタイリング/荒木大輔[吉沢]、高橋茉優[杉咲] 
衣装協力/バングル¥125,000(ホアキン・ベラオ)[杉咲]

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