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宇野昌磨が6度目の全日本王者に!「全日本選手権2023」男子シングルの熱戦をリポート2023/12/27

宇野昌磨が6度目の全日本王者に!「全日本選手権2023」男子シングルの熱戦をリポート

 12月20~24日、長野県・長野市若里多目的スポーツアリーナで「全日本選手権2023」が開催され、宇野昌磨選手が2年連続、通算6度目の優勝を果たしました。

宇野昌磨が6度目の全日本王者に!「全日本選手権2023」男子シングルの熱戦をリポート
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 ショートでは4回転フリップ、4回転トウループのコンビネーション、トリプルアクセルの三つのジャンプを完璧に決め、104.69点で堂々の首位発進。中1日あけたフリーでは、冒頭の4回転ループがステップアウトになるもミスを引きずることなく、続く4回転フリップやトリプルアクセルからの連続ジャンプ、4回転トウループのコンビネーションなど、次々とジャンプを着氷。今季のテーマに掲げる表現力の面でも、緩急のついたスケーティングとしなやかな体の動きで、曲の世界を見事に体現して、ショートとフリー合計298.04点。好演技が続出した大会を象徴する貫禄の演技で優勝を果たしました。

宇野昌磨が6度目の全日本王者に!「全日本選手権2023」男子シングルの熱戦をリポート
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 試合後のインタビューでは、自身の演技について「一番(調子が)よかった(4回転)ループをステップアウトしましたが、そこからよく耐えたなと思います。最高の演技とはいきませんでしたが、本当にベテランなんだな、と。自分の状態がよくなくてもやらなければいけないことを的確に見極めてやることができました」と総括。そして、3連覇がかかる世界選手権へ向けて「この3年の中で一番難しい戦いになると思います。僕の競技人生の中で最高の演技をしなければ勝てないというのは分かっているので、まずは最高の調整を。無難な演技をしても勝てないので、(大会までの3カ月)優勝を狙える練習をしたいと思います」と闘志を燃やしました。

宇野昌磨が6度目の全日本王者に!「全日本選手権2023」男子シングルの熱戦をリポート
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 2位になったのは、鍵山優真選手。ショートは93.94点で3位、逆転を狙うフリーでは、冒頭の4回転サルコウを4.30の加点がつく出来栄えで着氷。そのほかのジャンプもすべて決め、フィニッシュ後は渾身(こんしん)のガッツポーズが飛び出しました。得点はフリー198.16点、合計292.10点。

 試合後のインタビューでは「まだ(気持ちの)整理ができていないので簡単なことしか言えないのですが、一言で言うと『うれしいけど、悔しい。悔しいけど、うれしい』という感じです。ジャンプはグランプリ(シリーズ)からそろえられなくて悔しい気持ちがあったので、全部降りられてうれしいなという気持ちもありますが、最後のステップは気合を入れ過ぎて足にほとんど力が入らなかったので、そこがもっと伸ばせる部分かなと思いました」と振り返り、シーズン終盤戦へ向けて「まだまだ構成も上げられる段階なので、帰ってから新しい構成を考えてやっていきたいと思います。ショートもフリーもしっかりそろえていけるように、体力や体作り、プログラムのブラッシュアップも含めてもっともっと磨いていきたいと思います」と意欲を語りました。

宇野昌磨が6度目の全日本王者に!「全日本選手権2023」男子シングルの熱戦をリポート
宇野昌磨が6度目の全日本王者に!「全日本選手権2023」男子シングルの熱戦をリポート
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 3位になったのは、山本草太選手。ショート2位発進で迎えたフリーでは、4回転サルコウ、4回転トウループのコンビネーション、4回転トウループの単独ジャンプを着氷。ショート94.58点、フリー192.42点で合計287.00点を獲得。10度目の全日本選手権で初の表彰台入りを果たしました。

 試合後インタビューでは「調子を右肩上がりで上げてきたわけではなく、本当に山あり、谷あり…苦しい日々の方が多かったんですけど、頑張ってきてよかった。報われたなと思います。今シーズン、この全日本の表彰台を目標に掲げてきましたが、ここがゴールではなく、もっともっと先を見据えてやっていかなければいけない立場だと思うので、ここからもっと成長できるように。4回転の種類を増やしたり、演技ももっと密度濃く演じられるように。年末年始ちょっと休みつつ、また気持ちを切り替えて頑張っていきたいと思います」と、さらなる高みを見据えました。

宇野昌磨が6度目の全日本王者に!「全日本選手権2023」男子シングルの熱戦をリポート

 なお、大会終了後の12月25日には「世界選手権2024」の日本代表会見が行われ、代表に選ばれた選手たちが大会へ向けての意気込みを述べました。

宇野昌磨が6度目の全日本王者に!「全日本選手権2023」男子シングルの熱戦をリポート

 「グランプリファイナル2023」では、体調不良の中、気迫の演技を披露した三浦佳生選手が世界選手権初出場。「出場するからには勝ちに行きたいと思っています」と闘志を燃やし、「世界選手権についてのイメージを教えてください」という質問では、「子どもの頃からの夢でした。2年前、補欠選手から繰り上がりで出場予定でしたが、けがをしてしまい出られなかった悔しい大会でもあるので、(再び)代表の座をつかむことができて本当にうれしいです」と喜びました。

 また、三浦選手、佐藤駿選手と共に焼き肉を食べながら代表入りを確認したという鍵山選手は「代表に選ばれてうれしい気持ちもありますが、今のままではトップに立てないと感じているのでもっともっと構成もクオリティーも上げていきたいと思っています」とコメント。

 3連覇が懸かる宇野選手は「順当にいけば、僕は優勝できないと思っています。今までで最高の演技をしなければ優勝はないと思っているので、3連覇に重圧を感じている場合ではないかなと。最善を尽くすことだけを考えて調整し、試合に臨みたいと思っています」と話し、「今シーズン、4回転サルコウをプログラムから外していますが、ステファン(・ランビエールコーチ)と(構成に)“入れる、入れないは別として少しずつ練習していこうと話しました。また、サルコウに限らず今跳べているジャンプをより奇麗に跳ぶということが今一番やらなければいけないことかなと思っています」と今後の展望を明かしました。

 そのほか、女子シングルは坂本花織選手、千葉百音選手、吉田陽菜選手、ペアは三浦璃来&木原龍一選手組、長岡柚奈&森口澄士選手組が代表に選ばれました(長岡選手&森口選手組はミニマムスコア取得が条件。アイスダンスは保留)。

「世界選手権2024」は3月18日に開幕。世界の頂きを目指す選手たちを全力で応援しましょう!

写真/高橋学

【雑誌情報】

宇野昌磨が6度目の全日本王者に!「全日本選手権2023」男子シングルの熱戦をリポート

「KISS&CRY 氷上の美しき勇者たち Vol.50 2023-2024シーズン グランプリシリーズ特集号」(表紙・巻頭特集/宇野昌磨選手) 
発売中
https://honto.jp/netstore/pd-book_32984403.html



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