「ONE PIECE ON ICE～エピソードオブアラバスタ～」開幕！ルフィ役・宇野昌磨「全力でやり切っているぞという達成感があります」2023/08/15

　コミックの全世界累計発行部数が5億1000万部を突破し（2023年4月時点）、テレビアニメや映画、ゲームなどさまざまなジャンルでも人気を獲得している「ONE PIECE」が、初のアイスショーに。日本男子シングル初となる世界選手権連覇を果たした宇野昌磨選手をはじめとした国内トップスケーターたちが多数出演することでも話題を呼んだ本作の横浜公演が、8月11～13日に神奈川県・KOSÉ新横浜スケートセンターで開催されました。今回は、8月10日に行われた公開リハーサルの模様をリポートします。

　描かれるのは、ファンからも人気の高いエピソード「アラバスタ編」。謎の秘密結社「バロックワークス」の陰謀によって崩壊の危機に陥った砂漠王国・アラバスタを舞台に、ルフィ率いる麦わらの一味と王女・ビビが繰り広げる大冒険を、演出・金谷かほり氏、振り付け・宮本賢二氏でアイスショー化。声優たちによるセリフに合わせ、スケーターたちがスケーティングや技でキャラクターと物語を表現しました。

　麦わらの一味の頼れる航海士・ナミを演じるのは、本田望結選手。女優としても活躍中である望結選手ならではの演技力が光りました。

　キャスト発表時から“ハマり役”と話題を呼んだ、ウソップ役の織田信成選手。麦わらの一味のムードメーカーであるウソップをはつらつと演じました。

　渡辺倫果選手は、“ヒトヒトの実”を食べて人間の能力を得た青っ鼻のトナカイ、トニートニー・チョッパーに。キュートな笑顔で観客を魅了しました。

　麦わらの一味のコックであるサンジ役の島田高志郎選手は、抜群のスタイルを生かし、華麗なハイキックを披露。キレのあるスケーティングでも魅せます。

　田中刑事さんは、剣士のロロノア・ゾロを熱演。3本の刀とダイナミックなスケーティングで表現する戦闘シーンは迫力満点です。

　アラバスタ王国の王女で、麦わらの一味と旅をするネフェルタリ・ビビ役は、本田真凜選手。ストーリーの核となる難役ですが、持ち前の豊かな表現力でビビの葛藤や成長を表現しました。

　また、反乱軍のリーダーであるコーザ役で友野一希選手、秘密結社「バロックワークス」のボスであるサー・クロコダイル役で無良崇人さん、敵ながら憎めないキャラクターのボン・クレー役で本郷理華さんが出演しています。

　そして、主人公であるモンキー・D・ルフィを演じたのは宇野選手。開催前のインタビューで「任されたからには少しでも素晴らしいものになるよう、何ができるかを模索し続けて、とにかく全力で頑張っていきたいです」と語っていた宇野選手ですが、その言葉通り、コミカルなシーンからシリアスなシーンまで、スケーティングや技、表情といったすべてを使ってルフィになり切りました。

　リハーサル後の会見では「1カ月ちょっと、長い時間の練習で、本当に素晴らしいものになったと思います。（練習期間の）一日一日が楽しかったですし、まだ明日からお客さんの前で滑らせていただくわけですが、もう今から寂しいような、まだまだ皆さんと一緒に滑っていたいという気持ちです」と「ONE PIECE ON ICE」への熱い気持ちを告白。

　また、「新しい発見ばかりでした。皆さんにアドバイスをいただいたりしながら、みんなで一つのものを作り上げられたなと思います。今、僕がこうして“いつもの自分らしく”ではなく、“最高のものを”という意思でこの『ONE PIECE ON ICE』ができているというのは、皆さんが環境を作ってくれて、全力でやることを後押ししてくれたからだと思います。僕にとって貴重な経験になっています」と周囲への感謝を口にし、「ルフィは喜怒哀楽が顔に全面的に出るキャラクターという印象が強いです。僕は表情を顔に出すということをやってこなかったので難しいことではありましたが、アドバイスをもらいながら、どうやったらこの大きな会場でお客さん一人一人に伝わるのかを考えました。『全力でやり切っているぞ』という達成感があります」と手応えを明かしました。