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「18歳、新妻、不倫します。」新章突入――矢内達也プロデューサーがクライマックスに向けた見どころを語る! さらに、主演・藤井流星へ伝えたい“感謝の思い”とは2023/12/02

「18歳、新妻、不倫します。」新章突入――矢内達也プロデューサーがクライマックスに向けた見どころを語る! さらに、主演・藤井流星へ伝えたい“感謝の思い”とは

 藤井流星さんが主演を務めるドラマ「18歳、新妻、不倫します。」(テレビ朝日ほか=ABCテレビ制作)。高校卒業と同時にお見合い結婚が決められていた「三条グループ」本家の一人娘・三条明花(矢吹奈子)が、本物の恋を見つけるために幼い頃からボディーガードとしてそばにいた藤宮煌(藤井)にお互いが恋愛OK=不倫OKの“偽装結婚”を持ち掛けることから始まるラブコメディーは、今夜12月2日、新章へと突入。

 月瀬遥(山本涼介)の「三条帝国を手に入れよう」という言葉を皮切りに、今夜放送の第8話では煌の壮絶な過去、そして煌たちが抱いていた三条家への“ある思い”がいよいよ明かされる。物語のターニングポイントともなる第8話だが、本作のプロデューサーの矢内達也さんは「ここが勝負だと思っています」と力強く意気込んでいる。王道ラブストーリーから一転、クライマックスに向けて大きく動き始めた「新妻不倫」について矢内さんに話を伺った。

――まず、本作のドラマ化のきっかけを教えてください。

「ABCテレビが2018年頃から立ち上げたドラマLという枠を、ここ4年ぐらい担当しておりまして。ドラマLの“L”ってLadyとかLoveのLらしくて、柄にも合わず、少女漫画コーナーには日頃から行くようにしているんです(笑)。きっかけとしては、本当に『18歳、新妻、不倫します。』というタイトルにひかれたところが非常に大きくて、いつも通り1巻だけ先に購入して読ませていただいていました。王道なラブコメと思っていたので、『ビジュアル的に強いキャストが集まるといい作品になるのかな』と思いながら読み始めたら、8巻、9巻ぐらいで、それまで作り上げてきた王道のラブコメのラインを大きく裏切るような、いわゆる主人公が虐待を受けていた過去が明らかになって、復讐(ふくしゅう)のためにヒロインに近づいていたという部分が、読んでいて声が出るぐらいびっくりしたので、そこをうまく全10話のドラマ作品として映像化に落とし込めると面白くなるんじゃないかなと。通常のラブコメドラマとは違った驚きが出てくるのではないかと思って、企画させていただきました」

――煌を演じる藤井さん、明花を演じる矢吹さんのキャスティングはどのように決まったのでしょうか?

「まず藤井さんは、僕が1巻の表紙を見た時点で『これは藤井くんでいけないかな』というぐらい、僕の中ではあまりほかの方のイメージがつかなかったことが正直なところです。もともとバラエティーをやっていて、14年頃に、藤井さんたちがデビューする直前ぐらいからバラエティ番組でご一緒していたんです。ドラマ班に異動して、この5年ぐらいはドラマを制作するにあたって『いつか彼らと一緒にドラマを作りたい』という気持ちを持っていました。企画する上でキャラクターと僕の思いが一致する作品に出合えたことは僕としても本当にうれしかったですし、キャラクター自体もすごく寡黙なキャラクターなので、僕の知っている藤井流星の人物像と非常にマッチするのではないかなと思いまして、かなり早い段階からオファーをさせていただきました」

「18歳、新妻、不倫します。」新章突入――矢内達也プロデューサーがクライマックスに向けた見どころを語る! さらに、主演・藤井流星へ伝えたい“感謝の思い”とは

――では、矢吹さんの起用はどういった経緯だったのでしょうか。

「藤井さんが決まったことで、彼が180cmで股下もあんなに長くて、本当に漫画みたいなスタイルの持ち主なので、映像表現としてどういうヒロインが望ましいのかなと監督と話していたんです。もしかしたら藤井さんみたいなスタイルだと、女性にとってはもう非現実的すぎて、あまり感情移入できないのではないかというところも気にしていて。キスシーンなどが出てくるのは僕らも想定していたので、身長差をうまく使って“女性にときめいてもらえるようなキスシーンができる方”というポイントも考えて、矢吹さんにオファーをさせていただきました。僕たちのイメージする明花にぴったりでしたね。2人のキャスティングでは“身長”という部分が一つ大きかったかもしれないです」

――オファーに対する2人の反応はいかがでしたか?

「藤井さんに演じていただく藤宮煌には壮絶な過去があり、第8話で回想シーンとともに明かされていきます。藤井さんもこの第8話がとても大事だと感じ取ってくださっていて、クランクイン前からこの話に向けてお芝居に挑んでいただきました。それ以外のところで言うと、藤井さんはラブコメの漫画を読んだことがなかったみたいで。原作はもっと艶やかなシーンが多くて『少女漫画って、そもそもこんな感じなん…?』『結構いくんやね』みたいなリアクションはしていましたね(笑)。セリフとしても日常生活であまり言わないようなセリフが多くて、『これ、俺が全部言うの?』と恥ずかしそうにしていたのが印象的です。矢吹さんは、『(明花の感情の動きが)すごく分かりやすい』と言っていました。ほかの作品と比べて心の声がだだ漏れの役なので、あまり自分で『ここどうなんだろう?』と悩むところがなかったからやりやすそうかな、というのが最初の印象でした。今お話しながら思い出したんですが、『どこまでふざけるか?』という部分は藤井さんと矢吹さんとスタッフで最初に決めていました。『あまりふざけすぎないようにしましょう』という話はよくしていましたね」

――撮影を通して、「藤井さんは煌っぽいな」「矢吹さんは明花っぽいな」と感じた瞬間はありましたか?

「矢吹さんって、本人いわく、現場によってキャラクターが変わるらしいんです。この『18歳、新妻、不倫します。』の現場では、『本当に人との壁がゼロなんじゃないか?』というぐらい、スタッフやキャストとずっとコミュニケーションをとってくれていてですね。その天真らんまんさ、いい意味で周りに気を使わずにいるお姫様(おひいさま)みたいなところは、現場の矢吹さんを見ていてもすごく感じました。“かわいらしい素朴な18歳のお姫様”という感じは、普段からお持ちなんだなと日々感じておりました。藤井さんは…やっぱりいい声なんですよ。その声にみんなが聞き入っちゃうというか、『実写化ってこういうことだな』と思いましたね。あの低い声にみんながやられましたし、身長差を作ったこともあって、ポケットに手を突っ込んで、グッとかがみながら明花に詰め寄っていく時に見せる煌のオラオラした感じも、非常にうまく出してくれていたなと思います」

――2人を選んでよかったと感じることも?

「そうですね。満足度はかなり高いですし、自分でも『ナイス!』って思っています(笑)」

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――第7話までは王道ラブコメの展開が描かれてきましたが、お気に入りのシーンを教えてください。

「第5話で初めて2人が初夜を迎えましたが、その前に海に行くシーンがあって。そこで水をかけ合うところはしばらくフリーで(カメラを)回したんです。『自由に楽しみながらやってください』と監督からオーダーが出ていたので、そこの煌と明花からは、“藤井流星と矢吹奈子”も感じられるというか、見ていても『あ、いいなぁ』と思いながらほほ笑んでいました。正直めちゃくちゃ暑かったですけど、画になる2人だから『このシーン、10分流しても耐えられそうやな』って思っていました(笑)」

――第7話までを王道ラブコメとして描いていく中で、演出面のこだわりは何かありましたか?

「湯浅弘章さん、張元香織さん、吉田卓功さん、3人の監督がいい意味でみんな戦ってくれたと言いますか、台本上では『ここで2人はキスをする』というシーンでも、普通に撮影したらどのシーンも似てしまうので、いかに現場で工夫するかみたいなところはロケハンの時から監督陣が考えてくれていましたね。その一つが第4話。2人の自宅の階段を使ってのキスシーンがあるんですけど、ライティングもかなりこだわっていて。あのシーンの時だけ初めて使ったライティングがあるんです。1階から2階を見上げた時の空間の照明は、劇中でもあの時だけ全く違う作り方をしていて、2人の背景をあえて日本人には映えないとされている黄色がかった色味をあててもらっています。1階と2階で違う色味のライトを当てることで、カットが切り替わった時のちょっとした違和感のある画は、監督含め、撮影部、照明部が楽しみながらこだわってくれました。その様子を現場で見ていた張元監督も『私も何かしないと』と、撮影中に家の中をウロウロし始めて、そこから見つけた(煌と明花の家の)階段の下にあった家具を工夫して撮影されたのが、カウンターテーブルのキスシーン。『ほかと似たシーンにならないように』という工夫は至るところでしてくれていました」

――身長差のあるビジュアルも印象的ですが、藤井さんからアイデアを出すこともあったのでしょうか?

「出してくれましたね。第2話のラストで煌がしゃがみながらキスをするシーンの続きで、第3話冒頭、煌だけが座りながら話すシーンは、明花に押されている感を出して2人の関係性を描きたいから、座って演じたいと。撮影中は指を折りながら『壁ドンやって、頭ポンポンもやって、お姫様抱っこもやったし、あとは何があるかなぁ…あ、“ソファドン”いけるんちゃう!?』と監督と話していて。かわいいですよね(笑)。『ソファドンいけるかな…この体勢はしんどいか』『ここでカット終わってくれたらこの体勢でいけます』と動きをつけながらアイデアを出してくれていました。最終話でも、どうやったら奇麗に見えるかと考えながらやってくれたシーンがあるので、楽しみにしていただきたいです」

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――煌と明花の周りにはいろいろなキャラクターが出てきますが、キャスティングにもこだわりはあったのでしょうか?

「藤井流星、矢吹奈子という2人に『ビジュアルとして負けないキャスティングを』という点では『衣装合わせ間に合わないよ!』と怒られながら、現場の皆さんには申し訳ないぐらい粘りまして。藤井さんが180cmあるので、ライバルとして出てきた時にビジュアルで負けそうな感じは出せないと思ったので、藤井さんと並んだ時に迫力で負けない人を意識しました。小宮璃央さんは180cmで、山本涼介さんは187cm。矢吹さんと山本さんは37cm差になりますね(笑)。かなり身長差ができているのですが、見た目としての説得力が出たと思います。三条周は子犬みたいにかわいい高身長のイケメンでなければいけないと思ったので、僕の中では『小宮くんしかいないだろう』と。月瀬遥は“大ボス”として出てくる説得力のあるお芝居ができる人でありながら、コミックから出てきたような迫力も併せ持つようにと山本さんにお願いしました」

――高身長だらけに囲まれた矢吹さんの反応はいかがでしたか?

「上を見て話すシーンが多いので『首が疲れる!』と言っていました(笑)。最終的には不採用にはなりましたが、第3話の月瀬が明花の手にキスをするシーン。明花の手を月瀬が持っているところで煌が月瀬の手をつかむところで、大きい2人から手だけを持たれてしまい、明花がぶら下がっている状態で足をパタパタさせる漫画みたいな画を撮ろうとしたんですけど、やっぱり生身の人間では無理だったみたいです(笑)。矢吹さんは『確かにそれ面白そうですね!』と言いながらトライはしてくれたのですが、『腕がちぎれる〜』となっていました」

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