Feature 特集

蒔田彩珠&髙石あかりが幼なじみを熱演! 就職活動から社会人までを描いた作品を演じた感想とは――ドラマ「わたしの一番最悪なともだち」インタビュー2023/09/11

蒔田彩珠&髙石あかりが幼なじみを熱演! 就職活動から社会人までを描いた作品を演じた感想とは――ドラマ「わたしの一番最悪なともだち」インタビュー

 NHK総合で放送中の夜ドラ「わたしの一番最悪なともだち」。第3週(9月4日〜7日放送)で、主人公・笠松ほたる(蒔田彩珠)は、「こんな自分だったらいいのに」と思っている幼なじみ・鍵谷美晴(髙石あかり)のプロフィールを書いたエントリーシートで、次々と選考を通過していく。そんなほたるの元に、家出をした美晴が泊まりに来て、涙を見せ…。

 今回は、複雑な関係の幼なじみを演じている蒔田さんと髙石さんにインタビュー。作品の魅力や撮影の裏話について伺いました!

――まずは、お二人が演じた役についての感想を教えてください!

蒔田 「ほたるは自分が思っている以上に魅力があって、強さがたくさんある女の子です。演じていく上でもどんどん魅力に気付いていって、好きだなって思うことが増えていきました。このドラマが見た人に愛されるような作品になっていたらうれしいです」

髙石 「美晴はみんなから憧れられるような女の子です。私も台本を読みながら、どんどん好きになっていきますし、『この人は何を考えてるんだろう』と知りたくなります。人一倍明るくて、みんなを巻き込んでいくようなキャラクターなので、そういう魅力を見ている方にしっかり伝えられればいいなと思っています」

蒔田彩珠&髙石あかりが幼なじみを熱演! 就職活動から社会人までを描いた作品を演じた感想とは――ドラマ「わたしの一番最悪なともだち」インタビュー

――物語はいよいよ社会人パートに向かっていますね! 撮影はいかがでしたか。

蒔田 「社会人になって、ほたるは外見も含めてガラっと変化があって。就職してから3年後で、美晴の個性を盗んで就職したので、“仕事のできるちゃんとしている子”として登場するんです。撮影は、社会人なので大学生の時よりもすごくセリフが多くて大変でした」

――会議のシーンなど難しそうですよね。

蒔田 「そうですね。プレゼンのシーンなども結構あって、緊張しました。ほたるは化粧品メーカーで働いているんですけど、新しい商品を開発する会議では専門的な横文字が多くて」

蒔田彩珠&髙石あかりが幼なじみを熱演! 就職活動から社会人までを描いた作品を演じた感想とは――ドラマ「わたしの一番最悪なともだち」インタビュー

――髙石さんはいかがですか?

髙石 「ほたるが東京で仕事をしている時の美晴は描かれていないので、何をしているのか想像していただけたらうれしいです。それは後々、分かるんですけど。ほたるがいろいろ悩んでいる時に偶然、美晴に出会っちゃうシーンを読んだ時は、明るい光が差すように奇跡的で鳥肌が立ちましたし、『やっと来た!』という喜びがありました」

――美晴を取り巻く環境も、3年の間にいろいろ変化がありましたよね。

髙石 「髪の毛もちょっと巻いてみたり、衣装も結構変わりました。3年後に食事をするシーンでは、ほたるは黒にピンクの洋服だったんですけど、美晴は逆に、青のジーンズに真っ白なTシャツという衣装の対比もあるので、そういったところにも注目していただけたらうれしいです」

――今回脚本を手掛けている兵藤るりさんは、20代の作家で就活経験者です。彼女の書く台本の中で心に残っているフレーズはありますか?

蒔田 「美晴とほたるが珍しく長い時間一緒に過ごした日の最後に、『今日、楽しかった。それだけでよくない?』って美晴に言われるんですね。そのシーンが本当に好きで、ほたるはずっと悶々(もんもん)と悩んでいるのに、美晴はすごく明るく、遠回しに、でも簡潔に言ってくれるところがすごく格好いいなと思うし、それがほたるにはできないことだから、また悶々とするっていうシーンで。あの一言にいろいろと詰め込まれているなという気がしました」

――台本の言葉選びの印象はいかがでしたか?

蒔田 「台本ではセリフになっていないんですけど、かっこで(ほたるはこう思っている)と心情が結構書かれていたので、それがセリフになったらすごく面白いのにって思うことが多くて」

――かっこで書かれたほたるの心情は、視線などで芝居に反映するんですか?

蒔田 「そうです。かっこに書かれている複雑な心情を、表情で演じるのがすごく難しかったです。“美晴に何かされてすごいモヤモヤしているけど、まあ、美晴が喜んでるから、私もうれしい。まあいいか”というようなことが書かれていたりするんですよ。そういう表現はすごく難しいけど、この台本を読んでいるとほたるの人となりがよく見えます」

――髙石さんはいかがですか?

髙石 「美晴がほたるにかける言葉で、『せっかくなら明るいとこ歩きーよ』っていうセリフがあるんですけど、美晴は常日頃ポジティブというか、明るい方面を見ていたい思いがあるのか、そういう言葉がすっと出てくるのは美晴のいいところだなと思って。『明るいとこ歩きなよ』って言って、光の当たる方にほたるを連れ出すようなシーンがたくさん出てくるので、楽しみにしてもらえればなと思います」

――そのシーンの台本を読んだ時にどんな印象を持ちましたか?

髙石 「『美晴っぽいなー』って思いました。私からは絶対に出てこない言葉ですし、やっぱり彼女には周りの人を巻き込む力があるんですよね。今のご時世もそうですし、普通だったらそんなに人と関わろうとしないけれども、彼女は関わっていこうとするし、やっぱりみんなが憧れる部分があると思える一言なので、私はすごく好きです」

蒔田彩珠&髙石あかりが幼なじみを熱演! 就職活動から社会人までを描いた作品を演じた感想とは――ドラマ「わたしの一番最悪なともだち」インタビュー

――就職活動をする人たちの気持ちを演じるに当たって、参考にしたものはありますか?

蒔田 「ちょうど私たちと同い年の方たちが、今年、来年が就活の時期なので、周りの友達や地元の友達はちょうど悩んでいる時期なんです。愚痴を聞いて参考にしたりしています。去年は一つ上のお兄ちゃんが就活をしていたので、そういうのも参考にしつつやっていました」

髙石 「きっと個人差がすごいものだからこそ、触れちゃいけないものだと台本を読む前から感じていましたし、あらためて考えさせられました。今回知ったのは、意外と就活を経験してから自分をより知れて、新たな道が見つかったっていう部分もあったりして、もちろん大変なものではあるけど、自分と向き合う場でもあるので、乗り越えた先に何かあるんだろうなというのはこの作品を通して感じました」

――もし就活をするとしたら、どんな仕事に挑戦してみたいですか。

髙石 「昔から子どもが大好きで、保育園のような子どもと触れ合えるお仕事に興味があります」

蒔田 「私は犬が大好きなので、警察犬や盲導犬のドッグトレーナーになりたいって一時期本気で考えていました」

蒔田彩珠&髙石あかりが幼なじみを熱演! 就職活動から社会人までを描いた作品を演じた感想とは――ドラマ「わたしの一番最悪なともだち」インタビュー

――作品の舞台は神戸ということで、関西弁で芝居されていますよね。どのように勉強されたんでしょうか。

蒔田 「方言テープをもらって、それをひたすら聞いて練習するんですけど、やっぱり難しかったですね。普通の神戸ことばとはまたちょっと違っていて、脚本も標準語に寄せているところがあったので、その微妙な調節も難しかったです」

髙石 「今回の方言は標準語混じりなので、そのニュアンスがすごく難しかったなという印象があります。お互いに助け合いながら、ずっと練習していました」

蒔田 「倉(悠貴)くんをはじめ、関西出身のキャストの人がすごく多くて。共演者のみんなにも助けてもらいながら練習していました」

――神戸の街並みはいかがでしたか?

蒔田 「神戸は坂道がすごく急で、ほたると美晴の家の前のシーンは、下から登る時に1回休憩挟まないと家までたどり着かないっていうくらいで、暑くて大変でしたね」

髙石 「暑かったけれど、坂の上から見る夜景は本当に奇麗で、神戸ならではでいいなと思いました」

――関西の空気感はどうでしたか?

蒔田 「撮影現場がすごくアットホームで、“みんなでいいものを作りたい”っていう気持ちが強いなと感じました」

髙石 「私たちが話していないところで、スタッフさんが盛り上がっていることがよくありました。ほかにも、撮影中に通りかかった学生さんが、『おはようございます』ってあいさつしてくれて。この間は、おうちを借りたお母さんとずっと話していたんですけど、『見てるよー』って言ってくれたり、皆さん優しいなと思いました」

――今回、20代前半の同世代が多い撮影現場でしたね。

蒔田 「普段は同世代の人とお仕事することは少ないので、今回、あかりちゃんも含めて年の近い人といっぱいお芝居できたのは新鮮で楽しかったです」

髙石 「お芝居中はもちろん、みんなのいいところもいっぱい吸収できました。撮影外では待ち時間にゲームをしたり、みんなでわちゃわちゃできて楽しかったです!」

蒔田彩珠&髙石あかりが幼なじみを熱演! 就職活動から社会人までを描いた作品を演じた感想とは――ドラマ「わたしの一番最悪なともだち」インタビュー

――市川実日子さんとのクリーニング店のシーンでの撮影の思い出はありますか?

髙石 「ずっと楽しかった。ずっと!」

蒔田  「平和だったし、にぎやかで、市川さんがすごく場を明るくしてくれる方だったので、楽しかったです」

髙石 「結構食べるシーンが多かったんです。カットかかっても食べ続けちゃうので、止められました(笑)」

――お二人は作中の劇中歌を歌われていますよね! その感想を聞かせていただきたいです。

蒔田 「楽しかったですね!」

髙石 「歌って1人ずつでとることが多いと思うんですけど、一緒にとらせてもらって。PUFFYみたいだねって言っていました」

蒔田 「そうなんです。歌収録の前にも、一緒にカラオケに行って練習していました!」

――お二人は“こんな自分だったらいいのに”と思ったことはありますか?

髙石 「私は、理想像にどうしたら近づけるだろうと、常日頃思っています。例えば、私は蒔田さんに憧れていて。現場での立ち居振る舞いもそうですけど、本当に愛される方なので。現場ごとに憧れる人はたくさんいるので、ほたるの気持ちはすごく分かるような気がします」

蒔田 「ありがとう。文化祭の美晴のダンスを見るシーンがクランクインの日だったんだよね。だから、まだ敬語も抜けていないくらいの関係の時に舞台の上で踊っていたのを見て、『あ、格好いい』と思って、本当にほたるの表情のまま見つめていましたね。本当にキレッキレで、私にはできないし、美晴が『こんな自分だったらいいのに』って思うことがおこがましいぐらい、すごかったです。その時は、本当ほたるの気持ちがよく分かった気がします」

蒔田彩珠&髙石あかりが幼なじみを熱演! 就職活動から社会人までを描いた作品を演じた感想とは――ドラマ「わたしの一番最悪なともだち」インタビュー

――美晴はゾンビ好きで不思議な趣味を持っていますよね。お二人も少し変わった趣味はありますか?

蒔田 「最近はもう、霜降りチューブ(霜降り明星のYouTubeチャンネル)」

髙石 「朝のメーク時間ずっと、声出して笑っているんですよ。そういう声を聞いて面白いなあと思います。あと、編み物していたりとか」

蒔田 「現場の待ち時間をいかに楽しむか、工夫しています」

髙石 「私は、夏は洗濯物がよく乾くので洗濯が好きです。その待ち時間が好きで台本を読んでいたりします」

――いいですね! ほたると美晴ではなく、お二人の素の性格をお互いに教えていただけますか?

蒔田 「あかりちゃんは、ストイックです。いつも自分磨きをされています」

髙石 「蒔田さんは、ギャップです。本人にもずっと言っているんですけど。お芝居されている蒔田さんをずっと映画やテレビで見ていたので、どういう方なんだろうと思っていたら、意外と猫が大好きで。ペットカメラを見て、携帯に向かってずっと話しかけているんです」

――今回のドラマのキーワードとして出てくるものが「共生」だと思いますが、お二人がそれぞれ生きる上で必要なもの、これがないと生きていけないというものはありますか?

蒔田 「ワンちゃんと、猫ちゃんです」

髙石 「ご飯がないと駄目です」

――かわいらしいですね! 最後に、ドラマを通して伝えたいメッセージをお願いします。

蒔田 「各回で、それぞれが抱えている悩みに奮闘している姿が描かれています。本当にいろんな悩みがあるからこそ、人に寄り添える作品になっていると思います」

髙石 「ほたると美晴のように、真反対で全然違う人たちなど、本当にいろんなキャラクターが出てきて、それぞれ考えや導き出す答えみたいなものがあるんです。だから、自分に似ているなと思うキャラクターがいたら、ヒントになると思います。いろんな人に感じてもらえる作品だと思うので、ぜひ見てもらえたらうれしいです」

――ありがとうございました!

蒔田彩珠&髙石あかりが幼なじみを熱演! 就職活動から社会人までを描いた作品を演じた感想とは――ドラマ「わたしの一番最悪なともだち」インタビュー

プロデューサー押田友太さんからのコメント

 このドラマの一番の魅力は、“ただ者ではない”蒔田さんと“怪物”である髙石さん2人のセッションです。蒔田さんは、仮面をかぶって就職活動をするという非常に難しい役柄を演じていて、面接シーンなどでセリフも多く、しかもそれは方言だらけという座長として本当に大変な日々ですが、現場では弱音も吐かずに頑張っています。ただ者ではありません。髙石さんは、実は繊細で、人一倍気を使う優しい方です。さらに、撮影が終わっても筋トレをしていたりと、非常にストイックに役に向き合っていて、まさに怪物のようだなと思っています(笑)。そんな2人が交じり合った作品で何も起きないはずがないと思っています。

 ドラマを制作する前に現役の就活生の皆さん、コロナ渦で思うような学生生活を過ごせなかった方たちに取材をさせていただきました。話を聞いた中で印象に残っているのが、『今このままでいいのか』という焦りみたいなものを非常に強く感じていたことです。だからこそなのかもしれませんが、就職活動に対して、自分を変えるきっかけとして、すごく真面目に一生懸命向き合っている、もがいている、そんな印象を受けました。そんな姿を少しでも伝えられたらなという僕の思いが、このドラマの大きな道しるべになりました。

 作家の兵藤さんも20代で、就職活動も経験された方です。そのリアルな経験があることで、皆さんの心に刺さるような、等身大のセリフというものがたくさん出てきているのかなと思っています。一筋縄ではいかないところや、胸が痛くなるようなシーンもたくさん出てくるドラマです。でも、そういうシーンがあるからこそ、今の人たちに突き刺さるし、今だからこそできるドラマだと感じています。就活現役世代にとってのバイブル、そして応援歌になっていったらいいなと思っております。

【プロフィール】

蒔田彩珠(まきた あじゅ)
2002年8月7日生まれ。神奈川県出身。ドラマ「ゴーイングマイホーム」(12年/フジテレビ系)に出演した際に、是枝裕和監督から演技を高く評価され、女優の道を志すように。映画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」(20年)では第45回報知映画賞助演女優賞などを受賞。主な出演作に、映画「万引き家族」「猫は抱くもの」(18年)などがある。21年前期NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」では、ヒロインの妹・未知を演じた。24年には、W主演を務める映画「ハピネス」の公開が控えている。


髙石あかり(たかいし あかり)
2002年12月19日生まれ。宮崎県出身。19年より俳優活動を本格化。映画「ベイビーわるきゅーれ」(21年)で映画初主演。主な出演作に、ドラマ「日本統一 関東編」(日本テレビ)、映画「わたしの幸せな結婚」(23年)などがある。23年、ドラマ「墜落JKと廃人教師」(MBS)では、ヒロイン・落合扇言を演じた。

【番組情報】

夜ドラ「わたしの一番最悪なともだち」
NHK総合
月~木曜 午後10:45~11:00

【プレゼント】

蒔田彩珠&髙石あかりが幼なじみを熱演! 就職活動から社会人までを描いた作品を演じた感想とは――ドラマ「わたしの一番最悪なともだち」インタビュー

サイン入り生写真を2名様にプレゼント!

TVガイドweb公式X(Twitter) @TVGweb (https://twitter.com/TVGweb)をフォローし、下記投稿をリポスト。
https://twitter.com/TVGweb/status/1701154796785590581

【締切】2023年10月8日(日)正午

【注意事項】

※ご当選者さまの住所、転居先不明・長期不在などにより賞品をお届けできない場合には、当選を無効とさせていただきます。
※当選で獲得された権利・賞品を第三者へ譲渡、または換金することはできません。
※賞品をオークションに出品する等の転売行為は禁止致します。また転売を目的としたご応募もご遠慮ください。これらの行為(転売を試みる行為を含みます)が発覚した場合、当選を取り消させていただくことがございます。賞品の転売により何らかのトラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いませんので、予めご了承ください。
※抽選、抽選結果に関するお問い

取材・文/Kizuka(NHK担当) 撮影/蓮尾美智子



この記事をシェアする


Copyright © TV Guide. All rights reserved.