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鈴鹿央士、「何かを決めないといけない瞬間はいまだに難しいです」――「スイートモラトリアム」インタビュー2023/06/06

鈴鹿央士、「何かを決めないといけない瞬間はいまだに難しいです」――「スイートモラトリアム」インタビュー

 TBS深夜ドラマ枠「ドラマストリーム」にて放送中の「スイートモラトリアム」で柏木心役を務める主演の鈴鹿央士さん。

 本作は累計1800万ダウンロードを突破し、人気漫画家の新作連載が無料で読めることで大好評のマンガアプリ「マンガボックス」で連載していた、たまいずみ氏による同名漫画を実写化した作品です。社会的な責任や義務を果たすことを猶予された、自分探しのための試行錯誤の時間=“モラトリアム”。そんなモラトリアム期の若者たちが悩み傷つき、もがきながら成長する姿を描く、じれったくて切なくて甘い等身大のラブストーリーです。

 「MIU404」「ドラゴン桜」(ともにTBS系)や、2022年に放送され話題となった「silent」(フジテレビ系)にも出演した鈴鹿さんが、2人の女性のはざまで揺れる大学生を好演しています。ここでは鈴鹿さんに、本作の見どころや役作りで気をつけたこと、さらには2人の女性・大森りんご(小西桜子)と上条小夜(田辺桃子)に対する心の心情についても語っていただきました。

鈴鹿央士、「何かを決めないといけない瞬間はいまだに難しいです」――「スイートモラトリアム」インタビュー

――原作や台本を読まれて面白いと感じた作品の魅力を教えてください。

「元カノが突然家に来るところから物語が展開し、予想外のことばかり起きる台本だったので面白いなと思いながら読んでいました。読み進める中で、どうして心はこんなことをするのだろうと思う部分もあったのですが、そこに面白さがあるんですよね。見ていても驚くような展開が多いと思います」

――原作から役作りに生かせたところはありますか?

「所々に出る表情の緩み具合などは原作を参考にしています。原作を実写化する過程で少し変わるところもあるのですが、基本的なところは原作を大切にして演じています」

――演じてあらためて感じた心の魅力を教えてください。

「決断が苦手で悩みがちな心ですが、意外と男らしいところもあるんです。そこはギャップでもあり、魅力だと思います。キスシーンなどではより男っぽさを感じながら演じていました」

――心に共感する部分はありますか?

「何かを決められない性格は似ていると思います。学生時代の僕は本当に夢がなくて、将来の夢を書く時には、周りが書いていたサッカー選手やパン屋などの夢をまねして書いていました。高校生までずっとそういうタイプだったので、何かを決めないといけない瞬間はいまだに難しく感じますし、選択を迫られると困ってしまうところは共感しながら演じています」

――心は演じやすい役柄ですか? それとも難しいですか?

「難しい役柄だと思います。台本から想像できる心の心情はたくさんあるのですが、あまり決断しないキャラクターだからこそ答えが書いていなくて。どういうふうに悩んでいるかだけでも無限に出てくるので、監督と相談しながら心という役を作り上げています」

鈴鹿央士、「何かを決めないといけない瞬間はいまだに難しいです」――「スイートモラトリアム」インタビュー

――演じる時に特に大切にしていることはありますか?

「眼鏡をかけていて前髪も目にかかるくらいの長さなので、目の開き方には気をつけています。目の開き方一つで見え方が変わりますし、少し顔を下げただけでも隠れてしまうので、隠す時と出す時でしっかり差をつけているんです。そういった細かいしぐさもなるべく意識せずにできるようになろうと頑張っています」

――目を開くタイミングは決まっているのでしょうか?

「あまりルールは決めずに、その時の感覚やお芝居の流れで変えるようにしています。ほかにも手の動きを気にしていて、スタイリストの方と相談して、アウターのポケットには手を入れないけれど、パーカーのポケットには入れるようにしています」

――ご自身の眼鏡姿のビジュアルを初めて見て、どんな感想を抱きましたか?

「“ハリー・ポッター”…ですね(笑)。実は中学生くらいまで眼鏡をかけていたので、小さい頃からハリーに似ていると言われ続けていました。当時はふに落ちませんでしたが、今回衣装を合わせてみて、確かに似ているのかもと初めて思えました」

鈴鹿央士、「何かを決めないといけない瞬間はいまだに難しいです」――「スイートモラトリアム」インタビュー

「みんなが楽しめる現場にすることを大切に」

鈴鹿央士、「何かを決めないといけない瞬間はいまだに難しいです」――「スイートモラトリアム」インタビュー

――心の元カノ・りんご役の小西桜子さんの第一印象と、共演してみた感想を教えてください。

「初めて小西さんとお会いしたリハーサルでは、ふわふわしている印象がありました。りんごとは全く違う雰囲気だったのでどういう人なのかなと思っていたのですが、実際に現場入ると真っすぐ脚本やお芝居と向き合っていて、やりたい方向性がはっきりしている方でした。自分の意見をしっかり言葉にして、監督やスタッフの方と話されている姿が印象的です」

――では、今カノ・小夜を演じる田辺桃子さんはいかがでしたか?

「田辺さんは真面目そうなイメージだったのですが、現場では意外と面白いことを言うタイプ。一緒にふざけ合うこともあれば、真剣にお芝居の話をする時もあります。小西さんや田辺さん、監督やカメラマンさんとみんなで熱い話し合いをする時間がたくさんある現場で、お芝居が大好きな2人から刺激をもらいながら幸せな時間を過ごしています」

――本作で座長として気をつけていることはありますか?

「僕はあまり真ん中に立って引っ張っていくタイプではないので、みんなが楽しめる現場にすることを大切にしています。普段から縮こまっていると、お芝居にも影響していい作品を作れなくなってしまうので、みんなで楽しみながら面白くできたらいいなと。スタッフの皆さんが本当にすてきなので、僕が気を使う必要がないくらいいい雰囲気を作ってくださっています」

鈴鹿央士、「何かを決めないといけない瞬間はいまだに難しいです」――「スイートモラトリアム」インタビュー

――先輩の立場になることも増えたかと思いますが、先輩らしい振る舞いを意識されることはありますか?

「あまり考えていないですね。もともと先輩っぽい感じではないので、リードするよりは、しゃべりやすいような雰囲気や受け皿を作れたらいいなと思っているくらいです。共演者の方々も含め、年下の方からでもタメ口でしゃべってもらうことが多いかもしれません」

もし元カノが突然家にやってきたら…「僕は泊めないと思います。一度終わりにした恋ならお互い前に進むべきかなと」

鈴鹿央士、「何かを決めないといけない瞬間はいまだに難しいです」――「スイートモラトリアム」インタビュー

――本作には深夜ドラマならではの胸キュンシーンもあるかと思います。演じる時はどんなことに気をつけていますか?

「監督とは、慣れた感じにもなってはいけないし、おどおどしすぎてもいけないので、恋人たちが初めて接近する時の空気感を表現できたらいいねという話をしました。小西さんと田辺さんとも、手の位置や顔の角度をはじめ、どのタイミングで手を握るのか、どういう触れ方にするかを都度相談しています」

――これまでの芝居の中でも挑戦的なシーンが多そうだと感じました。

「相手を見つめるお芝居という部分は基本的に変わらないかもしれません。そうはいっても普段のお芝居と比べると相手との距離が近くなりますし、お芝居では手をつなぐシーン一つとっても関係性が色濃く出るので、服を脱いだり触れ合うシーンになったらどういう距離感になるのか考えながら演じています」

――ちなみに、心と同じ立場だったら、突然家に転がり込んできた元カノを泊めますか?

「あくまで想像ですが、僕は泊めないと思います。泊めてしまうような関係だと2人とも前に進めないですし、一度終わりにした恋ならお互い前に進むべきかなと」

――実際にりんごを泊めてあげた心に対して、客観的にどんな気持ちでしたか?

「そうかそうか…と見守る思いで演じていました。個人的にはあまりいいことではないと思ったのですが、彼らの行動はお互いの関係性や人間性もあってのこと。心はあまり自分で何かを決めない人で、自分より先に歩いてくれる人がいたら着いていくタイプです。2人の場合はりんごがずっと前を走ってくれているので、そういう関係にもなり得るよなと思っていました」

――りんごと小夜それぞれに対する心情は、どのように捉えられて演じましたか?

「高校時代に付き合っていたりんごとの思い出や印象が強い中、小夜とも付き合っている心の心情の描き方にはかなり悩みました。自分の好きなものに真っすぐ向き合って1人走っていくりんごと、家族や他人の目を気にするタイプの小夜は、正反対ですがどちらも魅力的。そんな2人に心がどのようにひかれていくのかはかなり考えました。最初は2人への思いを天秤にかけて考えていたのですが、だんだんとそれ自体が間違いだったかもと思うようになりました」

――ご自身の目線からでも、それぞれにひかれるところはありますか?

「個性的で勢いのあるタイプと、穏やかで自分のことを見守ってくれる人という、それぞれが持つ魅力があると思います。どちらか選べと言われても決められないですね…。中間の人がいたら一番いいかも(笑)」

――作中では心が刺激と安定で迷うような見せ方もあると思いますが、鈴鹿さんはどちらを選びますか?

「穏やかな生活を送りたいから安定…かな。刺激は自分で行動することによって受けられるものでもありますし、人に頼らなくてもいいのかなと。あ、でも人のカって大きいですよね。(真剣に悩み)どっちだろうな…」

――迷ってしまうほど捨てがたい刺激があるのでしょうか?

「人に薦められた映画、音楽、本はチェックするようにしているのですが、それがきっかけでたくさんのすてきな作品と出合えています。そういうことも考えたら刺激なのかも…(とさらに顔をしかめながら熟考)。いや、やっぱり安定にします。理由を考え出すと止まらなくなってしまうので、とりあえずは今のところ迷った末に安定ということにしておいてください!(笑)」

鈴鹿央士、「何かを決めないといけない瞬間はいまだに難しいです」――「スイートモラトリアム」インタビュー
鈴鹿央士、「何かを決めないといけない瞬間はいまだに難しいです」――「スイートモラトリアム」インタビュー

【プロフィール】

鈴鹿央士、「何かを決めないといけない瞬間はいまだに難しいです」――「スイートモラトリアム」インタビュー

鈴鹿央士(すずか おうじ)
2000年1月11日生まれ、岡山県出身。集英社「MEN’S NON-NO」モデル。19年、映画「蜜蜂と遠雷」にて映画デビュー。主な出演作は、映画「決算!忠臣蔵」(19年)、映画「ホリミヤ」(21年)、NHK連続テレビ小説「なつぞら」、「ドラゴン桜」(TBS系)、「六本木クラス」(テレビ朝日系)、「silent」(フジテレビ系)、映画「ロストケア」など。ファースト写真集「omen-前兆-」が発売中。Netflixでは「君に届け」が配信中のほか、6月1日からは「THE DAYS」の配信もスタートする。7月には火曜ドラマ「18/40〜ふたりなら夢も恋も〜」(TBS系)への出演も控えている。

【番組情報】

ドラマストリーム「スイートモラトリアム」
TBSほか
火曜 深夜0:58〜1:28 (※一部地域を除く)
※Paravi、U-NEXTでは各話地上波放送の1週間前毎週火曜正午に先行有料配信中
※地上波放送後、TVer、TBS FREEにて各話無料1週間見逃し配信あり

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【締切】2023年7月3日(月)正午

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取材・文/TBS担当 松村有咲 撮影/蓮尾美智子



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