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「酸いも甘いも書いてあるところが人間らしい」――「壁こじ」W主演の松岡広大&中尾暢樹が作品の魅力を語る2022/10/03

「酸いも甘いも書いてあるところが人間らしい」――「壁こじ」W主演の松岡広大&中尾暢樹が作品の魅力を語る

――漫画練習やダンス練習の時間というお話がありましたが、特に大変だったエピソードはありますか? 

松岡 「俺は時間的に中尾くんが大変そうだなって思ったよ。スケジュール見たらぎゅっとしてたから」 

中尾 「2日で3曲のサビの部分を覚えなきゃいけないとかあったんですけど、別にダンスがうまい人たちが集まってるわけじゃないし、初めて会ったからフォーメーションとかも合わなくて、それは結構大変でした」 

――SHINY SMILEのメンバーは劇中でも個性が強いからこそ、練習でも大変なのかなと感じました。 

中尾 「そうですね。役含めての振り付けもあったし、それが一番最初に来たから、『初めまして!』って言って、ダンス練して『じゃあ本番よろしくお願いします!』みたいな」 

松岡 「そうだったんだ。土台がないからそれは大変だったよね」 

――SHINY SMILEというチームはどうでしたか? 

中尾 「あっぱらぱあな感じです(笑)。ほんとにみんな明るいし、雰囲気が全然違うから(猫屋敷との)高低差がありましたね。広大くんちょっと引いてたもんね、苦笑いしてた(笑)」 

松岡 「ああいう場にはちょっと耐えられなかった…1日だから大丈夫だったけど、ずっとはちょっときついかも(笑)。僕がずっと暗いシーンをやっていたのもあるかもしれないんです」 

――松岡さんは、漫画練習で大変なことはありましたか? 

松岡 「漫画だと、一から描くのってやっぱり大変なんだなと思います。先に申し上げておくと、僕はめちゃくちゃ不器用なんですよ。手先が細かい作業はほんとに苦手で。Gペンって、力の加減によって濃いとか薄いとか、そういったものを繊細に表現できるんですけど、力が強すぎると先が欠けたり折れたりしてしまって、すぐ劣化するんですよ。しかもなかなかの値段もするし、何枚か描いたら交換するぐらいペン先を変えたりする消耗品なんです。自宅で練習してた時に原稿用紙に描いたんですけど、Gペンが鋭いっていうこともあって、原稿用紙を軽く引き裂くこともあって」 

中尾 「へぇ…そんなムズいんだ」 

松岡 「力の加減も、インクを付けすぎるとにじんでそこがもうふやけたりして、そこはほんとに自分の感覚しか頼れないところが難しくて。感覚をつかむのって『石の上にも三年』状態で、一朝一夕じゃできないですよ」 

――撮影期間が1カ月弱となると、メンタル的にも大変だったのではと思います。 

松岡・中尾 「それは、そうですね(笑)」 

中尾 「体力と精神はね、つながってますから」 

松岡 「そうだね。僕はデッサンが難しかったです。一番シンプルなものを鉛筆で描くから難しいのかなと思うんです。輪郭を整えるだけでもすごくノイズが出やすいからなかなか難しくて、自分でも制御が効かない時があるんですよ。なんというか、鉛筆の芯の炭素を呪いそうになった感じがあって『なんでこんなに融通利かないんだ!』みたいな、そこが面白かったかな」 

「酸いも甘いも書いてあるところが人間らしい」――「壁こじ」W主演の松岡広大&中尾暢樹が作品の魅力を語る

――逆に、演じていて印象に残っていたり、楽しかったシーンを教えてください。 

中尾 「僕はアイドルのシーンが好きでした。みんな汗ダクになってたけど」 

松岡 「俺はそれを見てるのがめっちゃ楽しかった」 

中尾 「短い期間だったけどアイドル役をやれて楽しかったな。芝居で『キャーってやってください』ってエキストラさんが言われたらほんとにやってくれていて、それに手振ったりするんですよ。いきなり人気のある役なので(笑)」 

松岡 「あれすげえ面白かったよ!」 

中尾 「役とはいえ気持ちよかったな」 

松岡 「なんだろうね、あの時のみんなの顔がちょっと腹立つというか、若干鼻につくというか(笑)」 

中尾 「はははは!」 

松岡 「でもテストの時は格好つけきれてないのか、モテてる感覚で手を振ってる感じもあって」 

中尾 「すごい恥ずかしかったんだよ。でも、気持ちいいんだなとも思いましたね(笑)」 

松岡「でも、本番になると4人ともパンって切り替えるんですよ。あとマネジャーの仕事もめちゃくちゃいいです。(片桐舞を演じる)宮下かな子さん最高だった」 

――松岡さんはいかがですか? それこそコミケのシーンがかなり重要になってくるのかなと思うのですが。 

松岡 「コミケのシーンは、実際に手渡しで感謝を伝えるんですけど、映像の中で猫屋敷の内面というか、現実とはちょっと違う精神世界というか、そこを見てほしいですね。言語化しないけど映像として象徴的なシーンがあって、そこはぜひ見てもらいたいです」 

「酸いも甘いも書いてあるところが人間らしい」――「壁こじ」W主演の松岡広大&中尾暢樹が作品の魅力を語る

――最後に作品の見どころとドラマを楽しみにしている皆さまにメッセージをお願いします。 

中尾 「取材の前にポスター用の写真も撮っていたんですけど、タイトルも相まってポップな仕上がりになると思うんです。だけど、人の心に刺さるようなセリフとかシーンがたくさんあるので、見た人の心をぐっと動かせたらうれしいなって思います。華やかなアイドルシーンがある一方で、それぞれの葛藤が描かれていて、パッて軽い気持ちで見た人がウッてなってくれればうれしいです。伝わるかなこれ(笑)」 

松岡 「読んだ人びっくりするよ。『パッでウッ』って(笑)。今って自分のことを外に話せる機会と話す勇気を持つ人ってなかなか少ないと思うんですよ。猫屋敷自身も自分のセクシャリティーとか、自分の同人作品が世の中になぜこんなにも頒布されてどんどん流布していかないんだろうってことに悩んだりして。自分のやりたいことがはっきりしない人って、たぶん世の中にたくさんいるんだろうなと思っていて、そういった方たちの好きとか何かやりたい気持ちを公明正大に言うために、ちょっと背中を押してくれる作品だなと思います。ただいいことを言うだけじゃなくて、現実を突きつけるような作品だなと。ミナモト先生も、漫画家を主人公にした時に自分自身も投影されたと思うんです。それが顕著に表れて人間の本質に踏み込んでいる作品かなと思います」 

「酸いも甘いも書いてあるところが人間らしい」――「壁こじ」W主演の松岡広大&中尾暢樹が作品の魅力を語る

【プロフィール】 

「酸いも甘いも書いてあるところが人間らしい」――「壁こじ」W主演の松岡広大&中尾暢樹が作品の魅力を語る

松岡広大(まつおか こうだい) 
1997年8月9日生まれ。東京都出身。O型。主な出演作に「ムチャブリ!私が社長になるなんて」(日本テレビ系)、「ベイビーステップ」(Amazon Prime Video)、ライブ・スペクタル「NARUTO-ナルト-」(16、17、19年)、ミュージカル「スリル・ミー」(21年)など。俳優業10周年アニバーサリーブック「再会」が発売中。 


中尾暢樹(なかお まさき) 
1996年11月27日生まれ。埼玉県出身。AB型。主な出演作に「動物戦隊ジュウオウジャー」(テレビ朝日系)、「あなたの番です」(日本テレビ系)、映画「一礼して、キス」(2017年)、「チア男子!!」(19年)、ミュージカル「刀剣乱舞」(21〜22年)、舞台「東京リベンジャーズ」(21~22年)など。現在、上演しているライブ・スペクタル「『NARUTO-ナルト-』~忍界大戦、開戦~」に出演中。 

【番組情報】 

「壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている」 
10月3日スタート
ABCテレビ 
月曜 深夜1:38〜2:10 
※放送終了後、Rakuten TV、TVerで配信あり 

【プレゼント】

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【締切】2022年10月30日(日)正午

【注意事項】

※ご当選者さまの住所、転居先不明・長期不在などにより賞品をお届けできない場合には、当選を無効とさせていただきます。
※当選で獲得された権利・賞品を第三者へ譲渡、または換金することはできません。
※賞品をオークションに出品する等の転売行為は禁止致します。また転売を目的としたご応募もご遠慮ください。これらの行為(転売を試みる行為を含みます)が発覚した場合、当選を取り消させていただくことがございます。賞品の転売により何らかのトラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いませんので、予めご了承ください。
※抽選、抽選結果に関するお問い合わせにはお答えできませんので予めご了承ください。

取材・文/平川秋胡(ABCテレビ担当) 撮影/蓮尾美智子

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