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「ドクターX~外科医・大門未知子~」に出演中の一ノ瀬颯が抱く覚悟「失敗できないプレッシャーは常に感じています」2021/12/09

「ドクターX~外科医・大門未知子~」に出演中の一ノ瀬颯が抱く覚悟「失敗できないプレッシャーは常に感じています」

 100年に一度のパンデミックにより新局面を迎えた日本最高峰の大学病院「東帝大学病院」を舞台に、群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌うフリーランスの外科医・大門未知子(米倉涼子)が、外科医の本質である手術や治療を成し遂げるため、一切の妥協を許さず突き進む姿を描いた医療ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)。

 シリーズ開始から10年目となった今シーズンでは、パンデミックに加え、メディカルソリューション本部長・蜂須賀隆太郎(野村萬斎)による組織変革などさまざまな壁を前にして、未知子が“患者を救うとは何か”、“命を救うとは何か”に向き合う姿も描かれています。

 物語はいよいよクライマックスへと向かっていますが、前回の宮本茉由さん(https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1237867/)に続き、今回は研修医・蟻原涼平を演じている一ノ瀬颯さんを直撃! 蟻原は「世界一の外科医になる!」と豪語するも一癖ある外科医局の先輩たちにもまれ、悩みながら日々奮闘しています。そんな蟻原を演じている一ノ瀬さんに撮影時のエピソードやご自身の役どころ、さらに役者としての“失敗できない思い”などについてたっぷりと伺いました。

「ドクターX~外科医・大門未知子~」に出演中の一ノ瀬颯が抱く覚悟「失敗できないプレッシャーは常に感じています」

――「ドクターX」への出演が発表された際に、“アットホーム感ある現場”とコメントされていましたが、あらためて現場の雰囲気、共演者の方との印象的なエピソードを教えてください。

「レギュラーでずっと出演されている米倉さんや勝村(政信)さんと仲良くなる一番最初のきっかけは、手術シーンだったと思います。(手術シーンは)出る人数も少ないし、かなり手が込んでいるので、時間がかかるシーンなんですよ。だから、待っている時間も含めてご一緒する時間もすごく長くて、お話できる機会があったんです。今回、僕は助手として手術シーンに参加させていただいたのですが、そういった機会があったのはとてもありがたかったです。米倉さんや勝村さんとお話ししているうちに、次第に話しやすくなって、結果的にそれが“いいお芝居を作るために相談して教えていただくこと”につながっているのかなと思います」

――米倉さんや勝村さんとのエピソードで特に印象に残っているものはありますか?

「例えば手術シーンの時に、助手として血液を吸引して術野を見やすくするなどのサポートをする場面があるんですけど、なかなかうまくいかないこともあるんですよ。医療演技の指導で来てくださっている先生には、『実際の研修医も最初はうまくいかないことが多い』と言っていただくんですけど、うまくいかないことが続くと『うまくやらなきゃ』みたいに考え込んでしまっていたんです。そんな時に、勝村さんたちが僕のことをいじってくださって、その場をすごく居心地よくしてくれたというか、変な緊張を解いてくれたことで、そこから先輩方ともだいぶお話しできるようになりました」

「ドクターX~外科医・大門未知子~」に出演中の一ノ瀬颯が抱く覚悟「失敗できないプレッシャーは常に感じています」

――では、これまで演じられて印象に残っているシーンについてはいかがですか?

「第1話の、大門先生がラッサ熱にかかって倒れて、先生をみんなで運んだシーンかなと思います。医師として強く、そういった病気にかかるイメージもない大門先生が生死をさまよっているところは、ドラマ的にも究極だと思います。僕はまだ患者の方とご一緒するシーンが少ないので、防護服を着てビニールで囲ったストレッチャーをみんなで運んでくるということは、なかなか経験できないことだったなとすごく印象に残っています」

――そのシーンは撮影的にもハードなことが多かったのでしょうか?

「カメラが回っていない時はみんな和やかな感じで、そういったオンオフの切り替えが本当にすごいなというのをあらためて感じました。常に気を張り過ぎずに、そういうメリハリを皆さん全員がつけていることで、あそこまで緊迫したシーンができているんだなと思いましたね」

「ドクターX~外科医・大門未知子~」に出演中の一ノ瀬颯が抱く覚悟「失敗できないプレッシャーは常に感じています」

――今回「ドクターX」が10年目を迎え、研修医という役柄はシリーズでは初登場になりますが、蟻原のキャラクターについてどのように捉えていますか?

「蟻原は、“真っすぐに外科医を目指すという純粋さ”が一番の特徴かなと思います。医学生の時に大門先生のオペを見て、そこから“外科医になりたい”と決めたという描写がスピンオフの『ドクターエッグス~研修医・蟻原涼平~』(TELASA)にあるんですけど、大門先生に憧れを抱いて世界一の外科医になりたいという強い意志を持って日々頑張っています。自分が思い描いている理想と現実とのギャップにもがきながら、何とかそれを乗り越えようと奮闘しているキャラクターかなと思って演じています」

――台本を初めて読まれた時に「こういうふうにキャラクターを作っていこうかな」と考えることもあったかと思います。実際に撮影に入って、役作りで変えたことはありますか?

「研修医みんなが、いわゆる最近の若者みたいな描かれ方をしていると思うんですよ。少し冷めてるというか、先輩たちが『忖度(そんたく)』とか『御意!』ってやっていることに疑問を持ちつつ、『なんかやってるよ』くらいのテンションで見ていることが多いし、そんな世代をイメージして作られているのかなと台本を読んで感じました。そういう意味で、蟻原はテンションがあまり上がらないことが多い気がしていたんです。でもそうすると、キャラが濃い皆さんの中に埋もれてしまうなと思ったので、今はもう少し感情の部分を出してみたりしています。先輩たちが作り出すコメディーのテンションやテンポ感にできるだけ合わせていくことで、今どきの若者感を意識しつつも、『ドクターX』の世界観に寄せていくようにしています」

――そのテンポ感というのは、アドリブのような部分もあると思いますが、外科医局で共演シーンの多い遠藤憲一さんや勝村さんたちと一緒に撮影されてみていかがでしょう?

「そうですね、撮影中は先輩方に引っ張っていただいています。いざ撮影に入ってみると、自分で思い描いていた以上にテンポが速くなったりしているなと感じていて、その部分はこのドラマ特有のものなのかなと思います」

「ドクターX~外科医・大門未知子~」に出演中の一ノ瀬颯が抱く覚悟「失敗できないプレッシャーは常に感じています」
「ドクターX~外科医・大門未知子~」に出演中の一ノ瀬颯が抱く覚悟「失敗できないプレッシャーは常に感じています」

――研修医たちの奮闘が描かれている「ドクターエッグス」では、同じ研修医役の宮本茉由さん、上川周作さんとのシーンも多いと思います。あらためてお二人の印象を教えてください。

「上川さんはすごくおとなしくて、最初は『人とあまり話さない方なのかな…?』と思っていたんですよ。でも、撮影でずっと一緒になると思って僕の方からお話ししたら、気さくに話してくださったんです。その後は、だんだん時間を重ねるごとに少しずつ親しくなっていって、最近は素を出してくださるんですけど、その素がすごく面白くて、いつもみんなを笑わせてくれています。その部分は最初のイメージとは変わったなと思います」

――上川さんは少し人見知りっぽいのでしょうか…?

「最初はそうみたいです(笑)。宮本さんは、見た目的にクールなのかなと思っていたんですけど、実はすごく面白い方なんですよ。変に距離を置かない感じで、最初から壁なく接してくださいました。そういう意味では、最初からすぐに打ち解けて、いろいろなお話ができたので、今ではいい関係性が築けているかなと思います」

――本編の撮影中は3人で一緒に行動されることが多いのでしょうか?

「そうですね。シーン的にも一緒になることが多いですし、同じ場所にいることも多いです。『ドクターエッグス』でも一緒にやらせていただいたので、みんなの連携は取れていると思っています。すごく居心地がよくて、今日も宮本さんとは『5歳の時から一緒にいるみたいな感じだよね』と話していて、そうやって言い合えるくらいには仲良くなれていると思います」

「ドクターX~外科医・大門未知子~」に出演中の一ノ瀬颯が抱く覚悟「失敗できないプレッシャーは常に感じています」

――大門未知子の決めゼリフ「私、失敗しないので」にちなみ、これまでに一ノ瀬さんが「失敗できない」とプレッシャーを感じたエピソードを教えてください。

「失敗できないプレッシャーは常に感じています。特に、ベテランの先輩が(カメラに)抜かれて僕が相手として演じているシーンでは、自分がセリフを間違えてしまったり、気持ちが入っていなかったり、そういったことで演技の邪魔にならないようにと考えることがすごくあるので、自分が抜かれている時以上に緊張していますね。『ドクターX』でも、手術シーンに長いセリフがあったり、一連で撮ったりするので、それだけでプレッシャーがかかるのかなと感じています」

――では最後に、今後の「ドクターX」の見どころや、蟻原の見どころを教えてください。

「研修医3人とも最初と比べて、少しずつ外科の医局に慣れてきて、その裏では『ドクターエッグス』での出来事も経験していると思います。尊敬できる先輩たちにいろいろ挑戦させてもらって、アドバイスをいただいているという意味では、医師としても役者としても成長していると思うので、そこの部分は注目してほしいです。あとは『ドクターエッグス』の方でも、本編にはない人間らしさが描かれていて、研修医たちの頑張りや考えていること、見ているものが本編とはだいぶ違うので、そこも合わせて見ていただければ、より研修医のやっていることや言っていることの映り方、受け取り方が変わってくると思います。ぜひスピンオフも見ていただいて、本編を何倍も楽しんでいただきたいです」

――ありがとうございました!

「ドクターX~外科医・大門未知子~」に出演中の一ノ瀬颯が抱く覚悟「失敗できないプレッシャーは常に感じています」
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【プロフィール】

一ノ瀬颯(いちのせ はやて)
1997年4月8日生まれ。東京都出身。牡羊座。B型。2019年にドラマ「騎士竜戦隊リュウソウジャー」(テレビ朝日系)で俳優デビュー。「いいね!光源氏くん し〜ずん2」(NHK総合)、「この恋あたためますか」(TBS系)、「ナイト・ドクター」(フジテレビ系)、配信ドラマ「東京、愛だの、恋だの」(Paravi)などに出演。また、「王様のブランチ」(TBS系)にレギュラー出演中。22年1月より放送の「ゴシップ#彼女が知りたい本当の〇〇」(フジテレビ系)に出演予定。

【番組情報】

「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」
木曜 午後9:00〜9:54 ※12月9日は午後9:00~10:00

「ドクターエッグス〜研修医・蟻原涼平〜」
TELASAにて前編・後編独占配信中

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【締切】2022年1月5日(水)正午

取材・文/平川秋胡(テレビ朝日担当) 撮影/蓮尾美智子



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