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高橋文哉、“梨央”吉高由里子との再会シーンは「優としても、役者としてもすごくドキドキしていました」――「最愛」インタビュー2021/11/12

高橋文哉、“梨央”吉高由里子との再会シーンは「優としても、役者としてもすごくドキドキしていました」――「最愛」インタビュー

 TBS系で放送中の金曜ドラマ「最愛」。本作は、殺人事件の重要参考人となった実業家・真田梨央(吉高由里子)と、梨央の初恋の相手であり事件の真相を追う刑事・宮崎大輝(松下洸平)、そして、あらゆる手段で梨央を守ろうとする弁護士・加瀬賢一郎(井浦新)の3人を中心に展開するサスペンスラブストーリーです。

 2006年、梨央が青春時代を過ごしていたのどかな田舎町で失踪事件が発生。15年後、時代をけん引する実業家となった梨央の前に事件の関係者が現れたことにより、当時の記憶とともに封印したはずの事件が再び動きだします。本作は、「アンナチュラル」「MIU404」(同系)のプロデューサー・新井順子さんと演出・塚原あゆ子さん、そして「夜行観覧車」「リバース」(同系)で2人と組んだ奥寺佐渡子さんと清水友佳子さんの脚本による完全オリジナルの物語。第4話の放送では情報屋・生田誠の正体が、梨央の弟・朝宮優であることが明かされ、優を演じる高橋文哉さんの絶妙な表情とはかないお芝居に引き込まれた方も多いのではないでしょうか。

 本日放送の第5話で、自ら殺人の罪を告白するという難しいシーンを見事に演じた高橋さんに、優の役柄や本作の見どころについて語っていただきました。

高橋文哉が語る、謎多き役柄・朝宮優

高橋文哉、“梨央”吉高由里子との再会シーンは「優としても、役者としてもすごくドキドキしていました」――「最愛」インタビュー

――第4話までは優ということは明かされず生田誠として演じていましたが、どんな気持ちで演じていましたか?

「誠として行動していた時も優であることは変わりなかったので、演じている側としてはそこまで気持ちの差はありませんでした。でも、ただの情報屋として存在するのではなく、お姉ちゃんの映像を見ているシーンなどに優らしさを入れることは意識していました」

――どんな部分で優らしさを表現したのでしょうか?

「お姉ちゃんを守るために真田ウェルネスの前でハッキングをして様子を見ているという設定だったので、お姉ちゃんが嫌いな食べ物の話をしているのを見た時に表情が緩むシーンがあるんです。誠の正体を知らない人にとっては悪巧みの笑みに見えると思うのですが、正体を知ってもう一度見ていただいた時には優の表情としても見てもらえるのではないかなと」

――確かにあのほほ笑みは絶妙な表情でした…! 第4話の終わりでは、ついに梨央と再会を果たして「姉ちゃん」と呼ぶことができましたね。優のはかない表情にも心を打たれたのですが、その時の心境はいかがでしたか?

「優としても、役者・高橋文哉としてもすごくドキドキしていました。物語の中で1本の軸となるようなセリフだったので、そこに対しての緊張もあり、優としての覚悟もあり、罪悪感もあり…。いろいろな思いが交錯して感情が込み上げてきた瞬間でした」

高橋文哉、“梨央”吉高由里子との再会シーンは「優としても、役者としてもすごくドキドキしていました」――「最愛」インタビュー

――高橋さんから見て、朝宮優はどんな人柄かあらためて教えていただきたいです。

「優はとにかくお姉ちゃんが大好きで、姉ちゃんの人生に大きく関わる大ちゃん(大輝)や加瀬さんのことも大切にしているので、演じながら優の“最愛”はお姉ちゃんなのだと強く感じています。お姉ちゃんのためなら自分がつらくても生きていけるし、自分の安否を知らせることだけを生きがいにできるほど。その気持ちをベースに、お姉ちゃんと対する時はこういう気持ち、加瀬さんと対する時はこういう気持ち、と一人一人への思いを大切にしています」

――高橋さんは本作で唯一過去のシーンを演じていないかと思います。その立場から皆さんの15年前の姿を見ていかがでしたか?

「第1話の過去パートはほとんど真っさらな気持ちで見ることができました。皆さんの現代と過去の演じ分けが素晴らしくて、本当に15年たったように錯覚しましたし、一気に作品に引き込まれる感覚がありました。現代の梨央の登場シーンもインパクトがあって、描かれてはいない15年の間で梨央だけではなくそれぞれの登場人物が成長したことが伝わってきました」

――幼少期の優を演じる柊木陽太さんのお芝居をご覧になった感想も教えていただきたいです。

「めちゃめちゃかわいかったですね!(笑)。そして、自分で15年前を演じていないので、子役時代の優を演じていた陽太くんのお芝居からすごくヒントをもらったんです。最初に陽太くんのお芝居を見た時は、まだ情報屋として2日ほど撮影したくらいだったので、優を作り上げていく上で15年前の優らしさやお姉ちゃんと大ちゃんへの思いをくみ取らせてもらいました。特に本作では優の中で過去がフラッシュバックするシーンもあるので、そこのシーンは何回も見ましたね」

吉高由里子、松下洸平、井浦新の印象は?

高橋文哉、“梨央”吉高由里子との再会シーンは「優としても、役者としてもすごくドキドキしていました」――「最愛」インタビュー

――吉高さんとは第5話でたくさん共演シーンがありましたね。現場ではどんなお話をされていますか?

「吉高さんとは一緒にお芝居するまでに時間があったのですが、最初にご一緒した時からずっとお姉ちゃんとして居続けてくださって、カメラが回っていない時も弟・優として存在しやすいようにしてもらっています。いつも楽しそうに和気あいあいとされていて、現場を持ち上げてくれているので、シリアスなシーンが多い作品ではありますが、変な緊張感を感じることなく現場に行かせていただいています」

――松下さん、井浦さんの印象はいかがでしたか?

「松下さんとは第4話で追いかけられた時に初めてご一緒しました。僕が本気でダッシュしたら松下さんも本気で追いかけてきてくださいました。松下さんの『逃げんなよ!』というセリフがあったのですが、そのシーンが終わってからも『もう逃げんなよ!』って冗談を飛ばして現場を和ませてくれていました。明日からもどんどん共演シーンが増えていくので楽しみですし、プライベートな話もできたらうれしいです。井浦さんとは共演シーンが多い一方、2人でバッチリっていうシーンがなくて。まだしっかりお話したことはないのですが、優として罪悪感を抱きながらお芝居をしていると加瀬さんの正義感の強さに救われますし、テストでされるお芝居を受けるだけでもすごく救われる気持ちになるので、役としてとてもありがたいと思いながらご一緒しています」

高橋文哉、“梨央”吉高由里子との再会シーンは「優としても、役者としてもすごくドキドキしていました」――「最愛」インタビュー
高橋文哉、“梨央”吉高由里子との再会シーンは「優としても、役者としてもすごくドキドキしていました」――「最愛」インタビュー

役者としての価値観が大きく変わると確信

高橋文哉、“梨央”吉高由里子との再会シーンは「優としても、役者としてもすごくドキドキしていました」――「最愛」インタビュー

――お話を伺っていると、本当に難しい役柄ですし、やはり本品のキーマンになっているなと思います。オファーされた時からご自身の役柄についてご存知でしたか?

「実は(2021年4月期放送の)『着飾る恋には理由があって』(同系)の終わりの方には本作出演が決まっていたので、最終話の撮影で塚原監督から『10月期もよろしくお願いします!』とお話したのを覚えています。その時に『ちょっと難しい役柄になると思うんだけど頑張ろう!』って話してくださったのですが、役柄の詳細については知りませんでした。後日、梨央の弟という役柄を知ったのですが、その時点でもどんな展開を迎えるかも知らなかったので、僕も台本をいただいてから自分の役柄が明かされていくのが楽しみでした」

――そうだったんですね! いつ頃役柄の詳細を伝えられたのでしょうか? 大役を任されると知った時のお気持ちも聞かせていただきたいです。

「自分の役柄の全貌を初めてしっかり把握したのはポスター撮影の時でした! 以前ご一緒させていただいたスタッフの方々と全然違う役柄でご一緒させていただけるのは、役者の醍醐味(だいごみ)でもあるのでとにかくすごくうれしかったです。一方で、緊張してドキドキしていた部分もありました…」

――緊張…しますよね。

「はい。とはいえ最初は優は優でも情報屋という感情が見えない方がいい役柄だったので、まずはそこに向けて役作りをしていました。第4話以降は優としての感情をしっかり表現しながら、でもむき出しにはせず。絶妙なバランスを保てるように演じています。こういう役柄は今までやってこなかった役だなと実感しながら毎日奮闘しています」

――塚原監督からはどんな指示をもらっているのでしょうか?

「優のパートが入ってきてからは、毎シーン優が何を思っているのかを細かく教えていただいています。そのおかげで自分の中でも優にもっと寄り添えるようになってきた感覚がありますね。一番細かく指示してもらうのは、罪に関する言葉への恐怖について。『僕があの人を殺した』と言う時の責任感や、どんなテンションで言うべきかとか。僕のお芝居に対して違うと思った時は、『そうじゃない。もっと重たいことだから』とストレートに伝えてくださるんです。それ以降はそういうセリフが出てくる度に、重たい気持ちを抱えながらお芝居しています」

高橋文哉、“梨央”吉高由里子との再会シーンは「優としても、役者としてもすごくドキドキしていました」――「最愛」インタビュー

――先日のインタビューで、桑田仁美役の佐久間由衣さんが「役者の皆さんが塚原さんの言葉に耳を澄ましている」とおっしゃっていました。高橋さんから見てもそのような雰囲気は感じ取れますか?

「僕がまだ皆さんとがっつり一緒になるシーンが少ないこともあるのですが、周りを気にするというよりは僕自身が塚原監督の言葉を一つも逃さず自分の中に取り込めるようにめちゃめちゃ集中しています…」

――塚原監督との対話により丁寧に作り上げられている役柄なんですね…!

「そうですね。僕の中で描いている優と、塚原監督の中で描かれている優がバシッと合っているものを皆さんにお見せするのが一番だと思うので、僕の話を聞いていただいて、塚原さんからの意見もいただいて、お互いのイメージをすり合わせながら日々取り組んでいます!」

――難しい役柄を演じる本作を経験して、高橋さんの中で何かが変わっている感覚はありますか?

「あります! この役をやり終わった後は自分の役者としての価値観が大きく変わると思いますし、一回りも二回りも大きくなれる現場だと思っています。今後もどんな役にも真っすぐぶつかっていきたいです!」

――では最後に、視聴者の皆さんに向けてメッセージをお願いします!

「初めての役柄への挑戦で、毎日苦戦しながら頑張っています。この作品が終わった時には何かが自分の中で変わっていると確信しながら毎日現場にいるので、皆さんが現場で言ってくださることや感じることを素直に吸収して、何回りも大きくなってこの現場を終えたいと思います。そして、今後物語が動くにつれて優の人間性や表情がもっと見えてくるはずなので、その移り変わりにも注目していただきたいです。たくさん見どころはあるけど、まだ言っちゃいけないことがいっぱいあって難しいですね(笑)。僕も結末は分からないのですが、どんどんスピードアップしていく本作を楽しんでみていただけたらうれしいです!」

高橋文哉、“梨央”吉高由里子との再会シーンは「優としても、役者としてもすごくドキドキしていました」――「最愛」インタビュー
高橋文哉、“梨央”吉高由里子との再会シーンは「優としても、役者としてもすごくドキドキしていました」――「最愛」インタビュー

【プロフィール】

高橋文哉(たかはし ふみや)
2019年、令和初の仮面ライダー作品「仮面ライダーゼロワン」の主人公・飛電或人/仮面ライダーゼロワン役に抜てき。その後、ドラマ「先生を消す方程式。」(テレビ朝日系)、「夢中さ、きみに。」(MBS/TBSほか)、「着飾る恋には理由があって」(TBS系)、「うきわ-友達以上、不倫未満-」(テレビ東京系)、映画「DIVOC-12」、プロジェクト短編「死霊軍団 怒りのDIY」、映画「かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 ファイナル」と話題作に出演。今後は映画「牛首村」の公開が控える。

【番組情報】

「最愛」
TBS系
金曜 午後10:00〜10:54

TBS担当 A・M



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