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「appside」神谷浩史 インタビュー2022/12/16

「appside」神谷浩史 インタビュー

「『希望の渦』に関しては、聴いてすぐに“flumpoolさんだな”と分かる雰囲気がありつつ、物悲し気で前向きなところが気に入りました」

 声優活動のみならず、男性声優が参加するレーベル・Kiramune所属のアーティストとしても活躍している神谷浩史。12月21日には、約11年ぶりのフルアルバム「appside」をリリースする。今回は、収録された楽曲についてのエピソードや、Kiramuneでの活動を通し、エンタメへの思いがのぞくインタビューをお届けする。

――今回のアルバムのコンセプトと、タイトルの意味は?

「収録楽曲は、それぞれスマートフォンのアプリをモチーフにしたもの。このコンセプトはディレクターさんからご提案いただきました。『appside』というタイトルは自分で付けています。『upside』という英単語の頭を、アプリケーションの『app』に変えた、造語みたいなものですね。エレベーターに乗っている時にひらめきました(笑)。直訳すれば『アプリ側から』つまり、『スマートフォンの中から』といったニュアンスです。ビジネス用語で『アップサイド』は『ここからちょっと伸びしろがありますね』といった意味合いで使うらしいので、いろんな意味が読み取っていただけるかなとも思ったんです」

――各楽曲はどんなアプリをモチーフにしているのでしょうか?

「収録曲のうち、最初にできあがった『Drive』はナビゲーションアプリ。『モアライブラリ』は分かりやすく写真アプリ、『パラレルピンチョス』は動画再生アプリ、『しんこきゅう』は心拍数などを測ってくれる健康管理系のアプリ、『Day by Day』はメモアプリです。『HEART BEAT』はちょっとひねりを入れて“スマートフォンを探す”アプリ。スマホをなくしてしまった時に使うやつですね。『Re-answer』はリマインダーです。『アサカゼ』の作詞作曲を手掛けてくださった指田(フミヤ)さんは鉄道好き。なので、乗り換え案内アプリがモチーフとなっています。『ソーシャルネット・ワーカホリック』はその名の通りSNSで、『希望の渦』はボイスメモアプリです」

――このアルバムの制作が発表された22年5月開催の「Kiramune Presents Fan×Fun Time 2022」は有観客開催でした。21年3月発売のシングル「BRAND NEW WAY」リリース時のインタビューでは、「コロナ禍にエンタメを止めないために…」という思いを語ってくださいましたが、「エンタメが動いた」と思われた瞬間はありましたか?

「いつの間にか動いていましたね。『BRAND NEW WAY』のシングルに収録された『more than Zero』を制作しているタイミングでは、週に1回のラジオ収録以外はほぼすべての仕事が止まっていました。その中で、『いずれ必ずコロナ禍は明ける。その時のためにエンタメが止まっていないことを皆さんにお伝えしたい』と作ったのが、『more than Zero』でした。あの曲のMVにあたる映像を撮影している時も、エンタメが動いている感覚はなかったですね。“久しぶりにみんなに会ったな”という感じで。でも、21年からはお客さんの前に立てる瞬間が増えてきて…」

――21年8月、9月にはソロライブツアー「Kiramune Presents Hiroshi Kamiya LIVE TOUR 2021“Sunny Box”」を開催されました。

「あの時はまだ、お客さんを客席にフルで入れられる環境ではありませんでしたね。それでもやっぱり皆さんが来てくださって、声は出せないもののリアクションをしてくださっているのを見て、ありがたいなと思いました。22年に入って、まただいぶ環境が変わってきています。エンタメが動いているなと、本当に徐々に徐々に実感してきたという感じでしょうか」

――「appside」には、「Kiramune Presents Fan×Fun Time 2022」で初披露された疾走感ある「Drive」、トリッキーな「パラレルピンチョス」、flumpoolの山村隆太さんが作詞、阪井一生さんが作曲をされた「希望の渦」などバラエティー豊かな楽曲が収録されています。レコーディングはいかがでしたか?

「収録曲の中で、『希望の渦』だけはflumpoolさんがあげてくださった3曲の候補から、『これがいいです』と僕が選びました。それ以外の楽曲では、スタッフさんが提案してくださるものを全面的に受け入れる姿勢でチャレンジしています。だから、正直、どの曲も難しかったです。事前に練習して“こんな感じだよ”と曲を覚え、現場に行って歌ってみる。レコーディングされたものを聞いてみると、“あれ? 歌として全然成立していないな”と感じることが多くて…。リズムがズレたり、音を外したりしているわけではないのですが、“全然乗れてないな”ということに気付くんです。『もうちょっと歌い方を工夫しないと、曲としてカッコ良く聴こえないんだな』と試行錯誤することの連続でした。そんなプロセスは、たぶん、全曲にあったと思います」

――flumpoolさんが制作した3曲の候補曲から「希望の渦」を選んだ経緯を、もう少し詳しくお伺いできますか?

「3曲とも素晴らしく、甲乙付けがたかったのですが、リード曲として選ばせていただくならこれかなと。3曲全部それぞれ違った良さがあってスタッフさんの間でも意見が割れました。『希望の渦』に関しては、聴いてすぐに“flumpoolさんだな”と分かる雰囲気がありつつ、物悲し気で前向きなところが気に入りました。そう提案したところ、プロデューサーさんもディレクターさんも納得してくださったんです」

――先ほど、「レコーディングは難しかった」とおっしゃいましたが、この「希望の渦」は…?

「やっぱり難しかったですね。音程がズレているわけでもないのに、あまりしっくりこなくて…。それに対し、どうアプローチしたらちゃんと聴こえるのかが分からないままにレコーディングが始まってしまう。歌っているうちに結果、正解にたどり着きはするんです。ただ、“確実にこうだ”とビジョンが見えた上でそこにたどり着いているわけじゃないので、しんどかったですね」

――09年から始まったKiramuneでのアーティスト活動も13年目となりましたが、原動力は何でしょうか?

「基本的に声優の仕事は受け身で、自分で仕事を作ることはできないんですね。作品に生かされているので。僕にとっては、声優としてのそういった活動を続けさせていただいている中で、プラスアルファとして“作品より自分の名前が先に出る”アーティスト活動があるんです。これは言い訳のように聞こえてしまうかもしれませんが、僕にとって興味があるのは、『声優活動の一環としてこういう楽曲を作りましょう』というご提案に対して、自分の声でどうアプローチしたらそれを成立させられるか。だから、最初の段階から受け身な関わり方は変わっていません。能動的に『こういうものを作りたいです』、『表現したいです』と言うところまで思考が至っていないんです。だからこそ、Kiramuneというレーベルの中で、今回のように『アルバムを作りましょう』とお声掛けいただけるのはありがたいこと。CDって、個人の力でリリースできるものではないですからね。いつまでそうおっしゃっていただけるか分からないですけれど…。お声掛けいただける限りは、できる限り頑張ろうというスタンスです」

【プロフィール】

神谷 浩史(かみやひろし)

1月28日、千葉県生まれ。A型。アニメ「うる星やつら」(フジテレビほか)、「ブルーロック」(テレビ朝日系)に出演中。映画「金の国 水の国」が23年1月27日公開予定。「Kiramune Presents Fan×Fun Time 2022 Live Blu-ray」が発売中。

【作品情報】 

「appside」神谷浩史 インタビュー

2ndフルアルバム「appside」
12月21日(水)リリース
【豪華盤(CD+BD)】¥5,500 ※写真 【通常盤(CD)】¥3,080
Kiramune Project

「ハレゾラ」(11年)以来のフルアルバム。flumpoolのメンバーが提供した、前へと歩みを進める希望を歌ったリード曲「希望の渦」、疾走感ある爽やかな「Drive」、アップテンポな「パラレルピンチョス」など、バラエティーに富んだ10曲を収録。

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応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/tvguide_enquete
(応募期間:12月16日正午~12月27日午前11:59)

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①神谷浩史 特典生写真A

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②神谷浩史 特典生写真B

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③神谷浩史 特典生写真C

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④神谷浩史 特典生写真D

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⑤ 神谷浩史 特典生写真E

「appside」神谷浩史 インタビュー

⑥ 神谷浩史 特典生写真F

「appside」神谷浩史 インタビュー

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取材・文/仲川僚子 撮影/藤木裕之 ヘアメイク/NOBU(HAPP’S.) スタイリング/村田友哉(SMB International.)



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