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TVアニメ「『オリエント』第2クール『淡路島激闘編』」前野智昭 インタビュー2022/07/20

TVアニメ「『オリエント』第2クール『淡路島激闘編』」前野智昭 インタビュー

「僕は人見知りなんですけど、ヨシキくんはそんな僕からしても結構近い所にいる後輩だなと勝手に思っています」

“最強の武士団”を夢見る主人公・武蔵(内田雄馬)たちの戦いを描いたTVアニメ「オリエント」。1~3月に放送された第1クールに引き続き、7月からは第2クールが放送中。武蔵は圧倒的な強さと規模を誇る武士団“上杉武士団”と出会う。そんな“上杉武士団”を束ねる上杉竜臣を演じているのが、前野智昭だ。そこで、今回は前野にインタビュー! 竜臣の魅力や現場での裏話、さらに“誇りに思うこと”など、さまざま聞いてみた。

――ご出演にあたり、原作は読まれましたか?

「オーディションの段階から少しずつ読ませていただいていました。バトルシーンは迫力がありますし、キャラクターそれぞれのバックボーンもちゃんと描かれているので、純粋に“面白いな”と思いましたね。あとは、武蔵が感情型というか、感情移入しやすい少年じゃないですか。そこも、読んでいて楽しいポイントでした」

――そんな中で、前野さん演じる竜臣は異彩を放つ存在です。とにかく強いということで…。

「日ノ本最強と言われる“五傑将”の1人ですし、カリスマ性があって器も大きいキャラクターですからね。こういったポジションを任せてもらえるキャリアと年齢になってきたのかなと、うれしく感じました」

――キャスト発表時には、「自分にないものを持ち合わせているキャラクター」とコメントされていましたが、そんな中でも共感する部分はありますか?

「“弱いところを見せない”というスタンスでしょうか。竜臣の場合、信頼関係がある直江兼竜(花江夏樹)には心情を吐露するシーンがありますが、やっぱり強い人物なので、基本的には弱みを見せないんです。僕も、メンタルが弱って弱音を吐きたくなったとしても、それをお客さまに見せるわけにはいかないですから。そういう考え方は似ているのかなとは思いますね」

――では、演じるにあたってどんなことを意識していましたか?

「“この人がトップにいるから戦える”という安心感を何とか表現したいと思いながらやらせていただきました。いかんせん、僕自身そこまでの器でもリーダー気質でもないですが、声やお芝居の端々にちょっとでも出ていればいいなと。あと、僕の声質っていわゆる『重低音』と呼ばれる方々と比べたら、そこまで低くないんです。なので、“低い声でなくても、軽くならないようにしたい”という意識は持って臨んでいたつもりです」

――また、竜臣といえば、いわゆる“家族”とそうでない人とでは対応がまるっきり違いますよね。

「キッパリ分かれていますよね。一度家族と認めれば手厚くサポートするけれど、そうでなければ血も涙もない態度を取るので…。ただ、その区別を芝居で出そうとはそんなに思っていませんでした。というのも、気持ちは分かるんですよ。僕は人見知りなので、会って間もない人と仲の良い人とでは懐き方が全然違いますから。なので、きっと竜臣も似たような感覚なんだろうなと捉えてやらせていただいた感じですね」

――その感覚を持っているだけで、にじみ出るものがあるのかもしれませんね。では、収録現場はどんな雰囲気でしたか?

「“上杉武士団”のキャストである兼竜役の花江くん、宇佐美黒子役の日笠(陽子)さん、甘粕政紀役の(中島)ヨシキくんの3人か、武田尚虎役の日野(聡)さんと掛け合いさせていただくことが多かったんですが、よくお会いする方たちなのでコミュニケーションも取りやすくて、終始和やかでした。特に、日笠さんがにぎやかな方なので、話題を提供してくださるんです。『オリエント』のオーディションの話とか、花粉対策の話とか、たわいのない話で盛り上がっていた記憶があります」

――そういう方がいる現場って、自然と明るくなりそうですね。

「そうですね。キャスト、スタッフ関係なくみんなに愛されていて、イジられる存在でもありますし、それを笑いに変えて現場の空気を和らげてくれる方なんです。『オリエント』のキャストでは、日笠さんのほかに、犬飼四郎役の下野(紘)さんもそう。まさに、天性の明るさ。面と向かって言ったことはありませんが、あの明るさに助けられたことも多いです。それから、先程言ったとおり僕は人見知りなんですけど、ヨシキくんはそんな僕からしても結構近い所にいる後輩だなと勝手に思っています。コロナ禍前は彼の家で一緒に飲んだりしたこともあるんですよ。同じ作品に出ていた方たちと一緒に…」

――そんなに近い仲なんですね。

「彼のコミュニケーション能力がすごく高いので、良い距離感で接してくれるんですよ。一見パリピっぽい感じですけど、すごく真面目だし、役へのアプローチもしっかりされる方。それでいて縁の下の力持ちっぽい雰囲気もあるので、政紀役と聞いた時にはすごくしっくりきました」

――今後の「オリエント」では、“上杉武士団”の活躍が存分に見られますね。

「核心に迫るのはこれからですよね。今後は、“上杉武士団”の強さの秘密が徐々に明らかになっていくと思います。特に、兼竜が中心となって大活躍してくれますので、ぜひ楽しみにしていただけたら。そして、その中で武蔵たちがどうあがいていくのかもぜひ注目してください」

――では最後に、“誇れること”を教えてください。竜臣は自身の家族を誇っていますが、前野さんはいかがでしょうか?

「これまで演じてきたキャラクターや応援してくださる皆さんなどなど、誇れるものはたくさんありますが、一つ挙げるなら自分のキャリアです。20歳で事務所に入って、長いこと下積みをしていたので、結構苦労しているんです」

――現在に至るまでに、どんなことを積み上げたきたのでしょうか。

「事務所のマネジャーさんに自分を売り込んでいました。例えば、自分で録音したテープを持って行って『聞いてください』と渡したり、電話をかけて『見学させてもらえるような現場はありませんかね? できるなら、ガヤとかやらせてもらいたいです』と伝えたり。とにかく、がむしゃらにやっていました。時代も時代だったので『10年早いよ!』と無慈悲に怒られることもあったんですけど(笑)、それでも諦めなくてよかったなと。そうやって積み上げてきたキャリアだからこそ、誇りたいです」

TVアニメ「『オリエント』第2クール『淡路島激闘編』」前野智昭 インタビュー

【プロフィール】

前野智昭(まえの ともあき)

5月26日、茨城県生まれ。A型。アニメ「デリシャスパーティ♡プリキュア」(テレビ朝日系)、「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」(テレビ東京ほか)、「組長娘と世話係」、「シュート!Goal to the Future」(ともにTOKYO MXほか)などに出演中。「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」が11月25日に公開。

【作品情報】 

TVアニメ「『オリエント』第2クール『淡路島激闘編』」前野智昭 インタビュー

「『オリエント』第2クール『淡路島激闘編』」
7月25日
テレビ東京ほか
毎週月曜 深夜1:30~2:00

「マギ」を手掛けた大高忍の最新漫画をアニメ化。武蔵(内田)は、竜臣(前野)率いる“上杉武士団”と出会い、淡路島での戦いに加わることになった。しかし、襲ってきた鬼に歯が立たないなど、兼竜(花江)らとの力の差を感じる。

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取材・文/松本まゆげ 撮影/藤木裕之 ヘアメイク/安田晶 スタイリング/MASAYA 衣装協力/三松/三松 お客様相談室



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