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iri☆2020年必聴のニューアルバムをリリース!2020/03/11

2016年にメジャーデビューを果たしたシンガー・ソングライターのiri。R&Bやヒップホップなど、さまざまなエッセンスを内包したサウンドと、ソウルフルで深遠な歌声で大きな注目を集めた。近年では、Sexy Zoneや私立恵比寿中学への楽曲提供や、井上陽水の名曲「東へ西へ」を独自のセンスでカバーするなど、その活動はさらなる広がりを見せている。そんな彼女が、満を持して4thアルバム「Sparkle」を3月25日にリリースする。「前作とはちょっと違う」と自らが語るこのニューアルバムは、現在の彼女の思いが反映した楽曲が並んでいるという。さらなる飛躍を期すiriの音楽への思いに迫る。

──新作「Sparkle」についてお聞きする前に、音楽を始めたきっかけから教えていただけますか?

「小学校の時に、スクールカウンセリングの仕事にすごく憧れていたんです。自分の悩んでいることなんかを、カウンセリングの先生に聞いてもらっていて。そんなふうに誰かのためになる仕事ってすごいな、いいなって思って。それで自分もスクールカウンセリングの先生になりたいと思うようになりました。同時に、音楽をたくさん聴くようにもなっていて、音楽にもすごく助けられたし、支えられたんです。それで、音楽でもカウンセリングのようなことができるなと思ったんです。そこからですね、音楽をやりたいと思うようになったのは。もちろん歌うことも大好きでした」

──音楽が好きになったのは、ご家族の影響もありますか?

「どうだろう…母はジャズやボサノバが好きで、よく聴いていましたね。これがいいよって薦められたりはしませんでしたけど。でも家では音楽が流れていたので、それを自然に聴いているという感じでした。これは誰の曲とか、曲名とかは分からないまま(笑)。覚えているのは、小野リサさんが流れていたことかな」

──そういえば、お母さんには英語を教わっていたそうですね。

「そうなんです。英語は小さい頃から母が教えてくれていました」

──歌詞で英語が印象的に使われているのは、お母さんの影響かもしれないですね。

「どうなんでしょう(苦笑)。歌詞で意図的に英語を使おうとは意識していないので。むしろ、安易に英語をフックにしないように気をつけています。やっぱり日本語が母国語なので、逆にそこは意識します」

──新作のリードトラック「Sparkle」は、この曲のサウンドプロデュースを担当したKan Sanoさんから上がってきたトラックがキラキラしたサウンドだったので、そこから発展して歌詞ができたということですが、音からのイメージで歌詞を作っていくのですか?

「Kan Sanoさんにアルバム全体のイメージを伝えてトラックを作ってもらったら、すごく弾けていくイメージのサウンドだったんです。自分の今の気持ちとすごくリンクしているように感じて。そのイメージから歌詞ができていったんです。『Sparkle』って、今の自分を表している言葉だと思うし、このアルバムを象徴している言葉だとも思うので、アルバムのタイトルにもしたんです」

──では、今回はどんなアルバムにしたいと思っていたのでしょうか?

「前作『Shade』は、その当時、いろいろと悩んでいたこともあって、そんな気持ちが作品にも出ていたと思うんです。しっとりとした曲が多くなりました。もちろん、ネガティブな作品を作ろうと思っていたわけではないんですけど。そこを経て、悩んでいた時期を抜けて、少し前向きに明るくなった、今回はそんな感覚の作品にしたいなと。あまり意図したわけではなくて、自然とそうなっていった感じではありますけどね」

──前作の制作時は、具体的にどんなことに思い悩んでいたんですか?

「一時期、分かりやすいものを作ろうと思っていたんです。そういう曲があってもいいんですけど、それが今やりたいことなのか。果たして、自分がやりたい音楽、好きな音楽とはなんだろうとか。あとはアーティストとしてのキャラクターも…。本当の自分は、いろいろな面があるのに、それを隠して真面目風というか(笑)、クールなところを見せがちだったんですよね。そういうイメージを壊したいなという気持ちもあって、弾けてはっちゃけたアルバムにしたいなと。今は、どうやったらもっと音楽を楽しめるかってことを意識しているんです。もっと楽しんでいく、もっと弾けていく…今回はアッパーな曲が多いこともあって、そんなイメージのアルバムになったかなと思っています」

──曲はどのように作っていくんですか?

「最初に“こういう曲をやりたい”というイメージが浮かぶんです。それをトラックメーカーやプロデューサーに伝えて、トラックを作ってもらう。その時に、自分のムードやテンションも一緒に伝えて、そこもサウンドに落とし込んでもらいます。そうやって作ってもらったトラックに歌を乗せていく。もしくは、ギターで基になるデモを作って、それをトラックに仕上げてもらうこともあります。だいたいそんな二つのパターンですね。でも、最近はギターから作ることは減ってきたかな。あとは、バンドのみんなで一緒に仕上げていくこともあります」

──トラックメーカーやプロデューサーからトラックが上がってきた時に、自分のイメージを超えているということはありましたか?

「最初の段階では、トラックも完璧に出来上がっているわけではないんですよ。聴かせてもらって、こんなふうにしたいという要望を伝えてというやりとりを繰り返して完成していくんです。その段階で、自分にはない発想が盛り込まれて、なるほどと思うことは多いですけど。特に(プロデューサーの)Yaffleくんは、毎回、驚くことが多いですね」

──「Coaster」はベースラインが印象的ですが、これは誰のアイディアですか?

「ハマ(オカモト)くんが弾いているんですけど、この曲はバンドのみんなで、“こんなふうにしよう”ってリファレンスを出し合って作り上げていったんです」

──トラックメーカーとやり取りを重ねたり、バンドで意見を出し合いながら徐々に形を作り上げていったりと、どの曲もじっくりと時間をかけて完成させていったんですね。

「そうですね。でも、レコーディング当日にスタジオで、実験的に即興で試してみることもありますよ」

──どの曲も思い入れがあるとは思いますが、特にお薦めの曲はありますか?

「いや、今回は全部ですね(笑)。そう聞かれてあらためて考えてみると“全部思い入れがあるな”って思いました。選べないですね」

──では、最も難産だった曲は?

「『Freaking』は、難産だったのとはちょっと違うんですけど、ロック的なサウンドを取り入れていて、今までの自分の音楽にはなかったタイプの曲なんです。すごく新鮮でした。もちろん、こういう歪んだギターが入って、ビートもヒップホップっぽくて、そこに自分のラップが入ってというイメージがあったので、こういう曲になったんですけど。でも、やったことがなかったので、すごく難しかったです(笑)。歌詞を乗せるのもけっこう苦労しました。これまでも一緒にやってきたケンモチヒデフミさんにトラックを作ってもらって、事務所の先輩のReiちゃんにギターを弾いてもらって。何でも話せる人たちと一緒に作っていったので、とても楽しい作業でした。みなさんの協力があって、自分のイメージした世界が形になりましたね」

──最近はSexy Zoneや私立恵比寿中学など、他のアーティストにも楽曲を提供されていますが、自分の曲を作る場合とは勝手が違いますか?

「Sexy Zoneさんの時は初めてだったので、どうやって作ったらいいのか分からなくて(笑)。でも、世代的には近いと思ったので、うちら世代が思うことを表現したらいいのかなと。それが男の子だったらどういうふうに思うかなとイメージしながら書きました。エビ中さんはちょっと年齢が下なので、私がその年齢の時にはどんなことを考えていたかなと思い出しながら作っていきました。他の方に曲を作るのは難しいですけど、意外と楽しいです(笑)。(曲を提供する相手を)イメージして書けるので。自分の曲だと、自分自身が見えてきてしまって、すごく苦痛になってしまうことがあるんですよね(笑)」

──現在の趣味、仕事の合間の息抜きとしてやっていることなどがあれば教えてください。

「趣味がないんですよね。強いて言えば、今はエスプレッソにハマっています。1月に友達とイタリアに行ったんですけど、エスプレッソがすごくおいしかったんですよ。まあ、イタリアで飲んだからそう感じたのかもしれないですけど(笑)。それ以来、日本に帰ってきても、エスプレッソがある店だったら必ず頼んでいます。そのくらいのもので、趣味と呼べるものはないんですよね…」

──音楽が一番の趣味であり、楽しいことなんですね。

「そうですね(笑)。息抜きができているという意味では、お風呂に入っている時間が一番ですけど(笑)。今年は趣味を見つけたいですね。もっと体を動かしたりしたいです。ボルダリングとかやりたいな」

──今は、お休みの日はインドア派ですか?

「主に家にいます。なので、今年はアウトドア派になりたいですね(笑)。ガンガン動きたいです!」

──春からはツアーも始まりますが、ご自身にとって最大規模のものになるそうですね。どんなライブにしたいですか?

「新曲はバンドサウンドだったり生音が多く使われていたりするので、そういう部分がいい感じでパフォーマンスできたらいいですね。今まではトラックを使って曲を丸々再現するという感じが多かったので、ライブアレンジみたいなこともできたらいいなと思っています。今度のツアーは、これまで行ったことのない場所にも行くので楽しみですね。地方によってテンション感が違うし、かけてくれる言葉も違うので面白いですよ。そんなふうに各地のお客さんに会うのはすごく楽しみです。もちろん、各地のご飯やお酒も(笑)」

【プロフィール】

iri
1994年3月15日東京都生まれ。魚座。’16年にアルバム「Groove it」でデビュー。4月からはニューアルバムを引っ提げ全国11箇所を回るツアーをスタートさせる予定。

【作品情報】

4thアルバム「Sparkle」
3月25日リリース
初回限定盤CD+DVD ¥3,800(+tax) 
通常盤CD ¥3,000(+tax)

取材・文/竹内伸一 撮影/尾崎篤志 
ヘア&メーク/足立真利子 スタイリング/服部昌孝

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