Cheer up! アスリート2020

連載

ハンドボール女子日本代表キャプテン・原希美選手

負けず嫌いが導く 勝利への道

 自らを「負けず嫌い」と言い切る、笑顔が素敵な彼女。ハンドボール女子日本代表“おりひめジャパン”のキャプテンとなった今、「負けず嫌い」の強い気持ちで“おりひめ”たちを牽引する。目標はもちろん、メダル!

 小学校3年生から28歳の現在までハンドボール一筋だ。

「地元宮崎のスポーツ少年団で始めて、小学校4年生の時は全国4位にまでなりました。そのころから今まで、苦しい時も仲間と助け合うことができたし、喜びもみんなと共有できる。そんなチームスポーツというところが魅力ですね。もちろん中高生のころは練習も厳しかったし、(練習に)行きたくないと思うこともありましたが、逃げたら負けだとも思いました。私、すごく負けず嫌いなんです(笑)」

 負けず嫌いの性格は、大学卒業後の進路にも表れている。

「強い企業チームからも声をかけていただいたのですが、もともと強いチームに入って日本一になるよりは、弱いチームを自分の力で強くしたい、という思いがあったんです(笑)。自分が強くするぞ、という思いと1年目からしっかり試合に出て活躍したい、という思いもあって、環境も厳しいと分かっていて三重バイオレットアイリスを選びました。でも、入ったばかりのころは専用体育館もなくて、練習は部活が終わった後の高校の体育館。みんな職場もバラバラで残業とかもあるので全員が揃って練習できなかったりとか。最初の1、2年は“私、何しにここに来たんだろう”と思ったりもしました。日本代表に初めて選ばれたのもそのころだったので、プレーもうまくいかず、先輩たちにもついていけなかったりでメンタル的にもやられて。さすがにその時だけはハンドボールが面白くない、と一度思ったことはあります」

 よく乗り越えられましたね、と言うと「やっぱり負けず嫌いなので」と照れ笑いを浮かべた。

「今はチームに半面の専用コートを作ってもらえて、残業で遅れて練習に参加する人も減りました。食事面のサポートもしてもらえるようになりましたし、いろいろと良くなっています」

 昨年行われたアジア選手権では、強豪の中国を破り決勝に進出したが、韓国に敗れて準優勝に終わった。

「おりひめジャパンはディフェンスからの速攻を武器にしているので、しっかりと粘って守れている時は相手がどこであれ自分たちのペースに持っていけるんです。中国戦はディフェンスがうまく機能したことと最後まで全員が諦めずに同じ方向を向いて戦えたのが良かったと思います。決勝戦であたった韓国は、体格も日本より大きくてスピードもあるので、個人で突破する力は韓国の方が長けている。そこが韓国の強みですね」

 体格差はおりひめジャパンの弱点でもある。秘策はあるのか。

「世界には身長185㎝、体重80㎏とか、そんな大きな選手もいます。そんな選手を日本の選手が1人で守ることは難しいので相手1人に必ず2、3人で守るようにしています。パスが出ると、またそこに2、3人が集まって、という機動力や組織力で対抗していかないと。ラグビーの日本代表のように集散を早くしないといけないので、めちゃくちゃ疲れます(笑)。それだけトレーニングも厳しくて、今日も朝から走って午前中にボールを使って練習。これから午後はウエイトトレーニングをガッツリとやります。3部練です(笑)」

 そんな苦しい練習も11月30日から熊本で始まる世界選手権で結果を出すためだ。

「メダルをとることが目標なんですけど、その前に予選グループの上位3チームに入ってメインラウンドに進みたいと思います。ラグビー日本代表の自分の身を捨てて相手にタックルにいく姿勢などは、まさにハンドボールにもつながると思って刺激になりましたし、すごく感動ももらいました。リオ五輪金メダルのロシアとも予選グループで対戦するので頑張りたいです」

 世界選手権の先には東京五輪がある。女子ハンドボールの五輪出場は、実に44年ぶりだ。

「東京五輪が決まった時は大学生だったのですが、やった、きたぞ、と思いました(笑)。代表に入ればチャンスがあると思ったので、絶対に代表に入るぞと思いました。ただ、五輪がどういう舞台か、まだイメージが湧かないんです。その前に世界選手権でしっかり結果を出してハンドボールも注目されるようになれば、自信にもなると思います。世界選手権での自分たちの頑張りがそのまま東京五輪につながるんじゃないかと思います。五輪に出場するチームは12チーム、本当に強いチームしか出てこないのですが、逆にチャンスはいくらでもあると思っています。やっぱり東京五輪でもメダルが欲しいですね」

 柔らかな笑顔で語る原。その笑顔の中に“負けず嫌い”という強い気持ちが見えた気がした。

【TVガイドからQuestion】

Q1 印象に残っているスポーツ名場面を教えて!

澤穂希さんを尊敬していて、澤さんのようなキャプテンになりたいんです。その澤さんがなでしこジャパンとして戦っていた時に「苦しい時は私の背中を見て」というのをおっしゃった、というのをテレビで知りました。その澤さんの名言を教えてくれた番組はすごく印象に残っています。

Q2 好きなTV番組/音楽(応援歌)を教えて!

「はじめてのおつかい」(日本テレビ系)がめっちゃ好きです。私、子どもが大好きなので、毎回録画して家で何度も見ています。音楽は最近LittleGleeMonsterが好きになりました。曲も結構聴くようになりました。「ECHO」も聴いていますよ(笑)。あの歌詞にはグッとくるものがあります。

Q3 “2020”にちなんで、“20”日間のオフでしたいことを教えて!

う~~ん、20日間かぁ…。めっちゃ長いお休みですね(笑)。ハンドボールはしなくてもいいんですよね? だったら温泉旅行に行きたいですね。温泉の場所はどこでも構いません。ただ、おじいちゃんやおばあちゃん、家族みんなを連れて行きたいと思います。


ハンドボール競技概要
1チーム7人でパスやドリブルでボールをつないで、相手ゴールへ投げ入れ得点を競う。1チームは1人のゴールキーパーと6人のコートプレーヤーで構成。ボールを持ったまま3歩を超えて歩いてはならず、1人の選手がボールを扱えるのは3秒まで。選手交代は無制限。ゴールから6mのゾーンにはゴールキーパーしか入れず、シュートはその外側からジャンプして打たねばならない。体正面からの接触プレーは許されており、激しいボディーコンタクトも。
【プロフィール】
原希美(はら のぞみ)
1991年3月9日宮崎県生まれ。魚座。A型。

▶︎姉の影響で小学校3年生からハンドボールを始める。「足も速くて身長も高かった。肩の力も強かったのでハンドボールに適していたみたいです(笑)」
▶︎宮崎学園高校時代は日本代表U-16に選出。’09年女子ジュニアアジア選手権の日本代表U-20に選出、’10年日体大で関東学生ハンドボール・春季リーグ優秀新人賞受賞。’11年春季・秋季リーグで優秀選手賞を受賞。「大学での4年間は練習も厳しかったけど、楽しかったです」
▶︎’13年、三重バイオレットアイリスに加入。同年、日本代表に初選出。全日本社会人ハンドボール選手権大会で最優秀新人賞を受賞。
▶︎印象に残る試合はリオ五輪アジア予選での韓国との決勝戦。「本当に厳しい練習をやってきて“勝てる”と信じていたのですが、結構な点差で負けてしまった。立ち直るまでに時間がかかりました。忘れられない試合です」
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(応募締切:2019年11月20日午前11:59)

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取材・文/田村友二 撮影/奥山智明





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