Cheer up! アスリート2020

連載

トライアスロンの世界で躍動する熱きアスリート・古谷純平選手

“努力の才能”を、力に。

トライアスロンという過酷なレースで頂点を極めるべく奮闘する古谷純平。競技との出合いや続けることの葛藤、そして自身の運命を変えたとも言える東京五輪の開催決定──。五輪への揺るぎない思いを語ってもらった。

 海で泳ぎ、自転車で走り、ランニング。これらを立て続けに行うと聞くだけで、過酷さを想像するに難くない。そんなトライアスロンと古谷純平の出合いはどんなものだったのだろうか。

「小さい頃からスポーツが大好きで、小学校6年間は水泳とサッカーをやっていたし、マラソン大会にもよく出ていたんです。そしたら小3の時に父が、トライアスロンをやれ、って。小6まで続けたけどしんどかったし、最初は嫌いで仕方なかった(笑)」

 トライアスロンをやめ、中高は陸上の長距離に熱中。“再会”をはたしたのは高2の冬だった。

「高2の春に陸上をやめて、半年ぐらい何もしていなかったんですが、父から、日本トライアスロン連合主催の記録会に出てみないか、と言われて。強化指定選手に選ばれるタイムを聞いたら、いけるんじゃないかな、と思って気軽に出てみました。結局、スイムで0コンマ何秒足りずダメでしたが、半年休んでいてこのタイムなんだから、本気でやれば…って思ったんです」

 とはいえ、1種目ではなくて3種目をやるとなると負担が増えるだけではないのか。

「僕、競技をやる以上はやっぱり勝ちたいけど、陸上だけ、競泳だけ、となると才能に恵まれていて、どうやっても勝てない選手がいて、そこで頂点を極めようと思ったら本当に難しい話で。でもトライアスロンは3種目あるので、全部が超一流じゃなくてもトータルで上をめざせる。努力すれば、才能を超えることができるんです」

 高3になってすぐに地元・関西にあるクラブチームに入り、本格的に始動。東京の大学に進学しつつ競技を続けたが、惰性的になっていた部分もあり…。

「明確な目標がなく、モチベーションが上がらなくて。卒業したらやめようと決めて、4年の時、最後の1年は悔いがないように頑張ろう、と。そうしたら成績がどんどん伸び始めたんです」

 学生選手権で優勝したり、日本ランキングも急上昇したりと頭角を現す。楽しくなってきたが、就職活動をして内定も出ていたため就職はするつもりだった。そんな時、ʼ20年に東京五輪が決定し、まさに明確なモチベーションが目の前に出現。競技をやめることを、やめた。

「就職先の三井住友海上はスポーツ振興に取り組んでいる会社だと思ったので、ダメもとで、『トライアスロン部を作ってください』とかけあったんです。まずリオ五輪に行って、その後4年間で強化して東京五輪でメダルを獲ります、と。会社に創部を決断してもらい、ありがたく続けることができています」

 結局、リオ五輪には補欠として現地へ帯同。その悔しさと経験は大きな影響を与えた。

「よく〝五輪には魔物がいる〟と言うし、そんな中でどう戦うのか、というイメージがあったんです。でも実際に肌で感じたのは、魔物なんていない、ということ。4年に一度なので気負ってしまい、普段起きないようなことが起きているだけで、平常心で臨むことができれば普通のレースと変わらないのでは、と思えて。それは大きな心情の変化でした。昨年のアジア大会で金メダルを獲得できたのは、その経験があったからこそです」

 あまりプレッシャーを感じず、負けた時も反省はしても落ち込まない。しかし平常心を保つのは容易ではないはずだ。その秘訣は何かと聞くと、「何なんですかね(笑)」と朗らかに笑った。

「でも最近は練習前やレース前に、必ずではないですが、座禅を取り入れるようにしていますね。高揚する心が落ち着きます」

 3種目の中で古谷が一番得意としているのは、幼少期からやっていたスイムでもランでもなく、バイクだという。

「高校時代、学校まで25キロぐらいの道のりを自転車で走っていたからかな(笑)。バイクでは積極的に攻めるタイプで、特にカーブが得意なんですけど、写真などで見たら、めちゃめちゃ傾いていて、ようこれでコケへんな、って自分でもビックリします(笑)。周回コースなのでカーブはたくさんありますから、ぜひ注目してほしいです」

 ほかの大会と変わらない、と実感した五輪だが、やはり特別な思いも否めない。

「子どもの頃からの夢なんです。もちろんトライアスロンで、とは思っていなかったですけれど。リオの時もそうですが、出場は大前提として、目標はあくまでもメダル獲得。そこだけは自分の中でブレない芯として持ち続けているので、あと約1年と数カ月しかないですが、最大限、努力し続けていきたいです」

 その努力と平常心はきっと、自分の運命を変えた東京五輪へと導いてくれるはずだ。


【TVガイドからQuestion】

Q1 印象に残っているスポーツ名場面を教えて!

競泳の北島康介さんがアテネ五輪(’04)の100m平泳ぎで金メダルを取って、レース後のインタビューで「チョー気持ちいい」と言っていた場面です。その言葉含め、めちゃめちゃかっこいいなと思いました。やっぱり憧れますね。

Q2 好きなTV番組/音楽(応援歌)を教えて!

好きな番組は「~イッテQ!」や「~さんま御殿」(ともに日本テレビ系)などバラエティーです。音楽は阿部真央さんの「Believe in yourself」。合宿の時に監督が「俺たちのテーマソングだ」と。歌詞も心情とマッチして、いい感じです。

Q3 “2020”にちなんで、ゴールの“20”秒後に考えている事を教えて!

今日の夕飯は何を食べよう…いや、やっぱりそのレースのことですね(笑)。勝った時は、もちろん良かったところを、負けた時は、何で負けたのか、あの時はああするべきだったな、とかすぐに反省というか、敗因を考えていますね。

トライアスロンとは?
水泳(スイム)・自転車(バイク)・長距離走(ラン)の3種目を、この順番で連続して行う。競技名は、ラテン語の“3”(トライ)と“競技”(アスロン)を組み合わせたもの。距離は、世界選手権など多くの大会で採用されている通称“オリンピック・ディスタンス”で、スイム=1.5km、バイク=40km、ラン=10km(計51.5km)。また、“第4の種目”とも呼ばれるトランジション(種目から種目への切り替え)を、いかにスムーズに行うかが重要なポイントでもある。
【プロフィール】
古谷純平(ふるや じゅんぺい)
1991年5月18日高知生まれ。牡牛座。O型。

▶︎スポーツ少年で幼少期から水泳やサッカーを習う。父に勧められ、小学校3~6年生までトライアスロンの大会に出場。本格的に取り組んだのは高校3年から。
▶︎早稲田大学在学中に急成長し、日本学生選手権2連覇、日本U23選手権優勝など実績を残し、’14年に三井住友海上入社。
▶︎思い出深い大会は、「ずっと勝つことを目標にしてきた大先輩の3選手に、やっと勝つことができた」という優勝をはたした’15年の日本選手権。
▶︎アピールポイントは「ピンクの自転車。最初は試乗車で、とんでもない色だと思ったんですが(笑)、皆にかっこいいって言ってもらえて。目立つと海外の選手にも覚えてもらえて優位に働くこともあるので、そういう狙いもあります」という。自転車に合わせ、ヘルメットやサングラスもピンクを選んでいる。
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(応募締切:2019年4月17日午前11:59)

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取材・文/四戸咲子 撮影/髙橋定敬

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