横山夢樹、三井寺眞――Jリーグ“フレッシュ王子”6選! 躍動の10・20代選手“推し”ピックアップ2026/09/14 12:00

ヨーロッパ各国のリーグと同じスケジュール(秋春制)で進行する“世界基準の新・元年”を迎えた明治安田Jリーグが開幕して、約1か月が過ぎた。昨季の王者・鹿島アントラーズが4連勝で開幕ダッシュを決めたかと思いきや、J1では初の茨城ダービーで水戸ホーリーホックの渡邉新太に4点を決められて敗れるという波乱をはじめ、早くもさまざまなドラマが起こっている。中でもトピックと言えるのは、10~20代前半の若い選手たちが躍動していることだ。……そんなわけで、またまたやります! 題して「TVガイドWebが独断と偏見で選ぶ、Jリーグ『フレッシュ王子』6選」!!(異論は認めます)。序盤戦で輝きを放って話題を集めた若武者たちの活躍ぶりや注目ポイントにフォーカスしていきます。
【TVガイドWeb的・Jリーグ『フレッシュ王子』6選】
横山夢樹(セレッソ大阪)~ドリーミング・ドリブラー王子~
2000年9月23日生まれ、東京都出身。172cm、67kg。MF

父はジェフユナイテッド市原(現・ジェフユナイテッド市原・千葉)や横浜FC、ヴァンフォーレ甲府などでプレーした横山博敏、兄はKRCゲンク(ベルギー)に所属する横山歩夢という“フットボール・サラブレッド”。血統のよさは伊達じゃなく、夢樹も変幻自在のドリブルを武器にスターダムを上がりつつある。
名門・帝京高校サッカー部を経て、今治FCで2シーズンにわたりプレーし、ルーキーイヤーから主力として活躍。25年12月、セレッソ大阪に完全移籍で加入した。そのストロングポイントであるドリブルが多くの人の目にとまったのは、U-20日本代表の一員として戦った25年の「U-20ワールドカップアジア予選」。細かいタッチと緩急をつけたボール運びで左サイドを深くえぐり、何度もチャンスを演出した。26年2~5月に行われた「明治安田J1百年構想リーグ」では右サイドでもプレーしたが、ますますテクニックに磨きがかかり、セレッソでも不可欠の存在になりつつある。
ファジアーノ岡山とのJ1開幕戦では、1対1の同点で迎えた前半24分、香川真司のパスを受けるとゴールへ向けて短くドリブルした後に右足を一閃。J1リーグでの初ゴールを決めて勝利に貢献した。名は体を表すというが、まさしくボールを持つと夢が広がるように感じさせるのが、横山夢樹というドリブラーなのだ。
三井寺眞(横浜F・マリノス)~最年少王子~
2010年4月2日生まれ、青森県出身。174cm、65kg。MF

8月7日に東京・MUFGスタジアム(国立競技場)で行われた鹿島アントラーズとの開幕戦。横浜F・マリノスのスターティングメンバーには、約4か月前――16歳の誕生日にプロ契約を結んだばかりの三井寺眞の名前があった。しかも、J1開幕戦史上最年少記録を更新(16歳127日)したのみならず、開始早々の前半7分には、右サイドをドリブルで切り崩した近藤友喜の折り返しを左足で合わせて、先制点を決めてみせる。
また、自陣左サイドからのロングフィードをヒール(かかと)でトラップして元日本代表の植田直通をかわし、ベテラン・天野純へスルーパス。前半18分、その天野のクロスから谷村海那のゴールが生まれるという見せ場もつくり、スタジアムのサポーターと中継を見ていたサッカーファンをどよめかせた。試合は鹿島の終盤の怒涛の追い上げで逆転負けするが、一夜にして三井寺の名前は全国区に。
第3節・神戸戦では前半9分、天野のクロスが相手DFに当たってディフレクトした(方向が変わった)浮き球を、左足のボレーでゴールに突き刺し、その才能が本物であることを証明してみせた。この日のDAZN実況・下田常幸氏のアナウンス「なんという16歳! なんという2010年生まれ!」に、そのプレーのすごさが集約されていると言っていい。第6節・柏戦では自陣右サイドのセンターライン前からドリブルで持ち上がり、4人をかわしながらボールを運ぶなど、随所で非凡さを発揮。今シーズンの主役の1人であることは、まぎれもない。
吉田湊海(鹿島アントラーズ)~次世代怪物王子~
2008年7月15日生まれ、神奈川県出身。172cm、72kg。FW

“新Jリーグ元年”の始まりを告げる鹿島アントラーズと横浜F・マリノスの“MUFG国立開幕戦”では、三井寺眞とともに注目を集めた坊主頭の18歳がいた。吉田湊海。高校2年生だった25年4月、クラブ史上最年少(16歳288日)でトップチームデビューを果たした逸材は、その後なかなかトップでの出場機会には恵まれず、本来の主戦場であるユースで牙を研ぎ続けていた。しかし、「J1百年構想リーグ」でも1試合に出場したのみ。それだけに、Jリーグ自体が新たな一歩を踏み出す国立での開幕戦という大舞台での抜てきはサプライズと言えた。
ただ、マリノスが16歳の三井寺を先発起用したことで、はからずも“10代対決”的なくくられ方をされることに。しかも、三井寺がインパクトと結果を残したのに対して、吉田は存在感を示せずハーフタイムで無念の交代――。それでもなお開幕から3試合連続で先発、第4節・東京V戦と6節・浦和戦では途中出場と、ピッチに立つチャンスはもらえている。というのも、同年代と共に戦うプリンスリーグでの吉田の得点力と展開力は、やはり圧倒的だからだ。メディアでは“次世代の怪物”とも称されているだけに、まずはJ1での初ゴールが待ち望まれるところ。1点がとれれば勢いづき、波にも乗れるはずだ。
大関友翔(川崎フロンターレ)~生粋の川崎王子~
2005年2月6日生まれ、神奈川県出身。178cm、67kg。MF

川崎市麻生区で生まれ育ち、川崎フロンターレU-18出身の生え抜き。23年にトップチームに昇格するも出場はなく、翌年は福島ユナイテッドFCへ育成型期限付き移籍をして、経験を積んで川崎に帰還。25年からはゲームチェンジャーとして途中出場することが多いが、それも視野の広さと展開力の高さによるところが大きい。今シーズンの第6節・清水戦でも橘田健人に替わって入ると流れを変え、試合終了間際には中央から右サイドへ絶妙なスルーパスを出して、マルシーニョのダメ押しゴールの起点となった。
しかし、彼本来の持っているポテンシャルとスケールが存分に発揮されているとは言い難い。本人もそこは自覚しているようで、まずは先発での出場を勝ち取ることが必定であることはまぎれもない。層が厚いフロンターレだけに簡単ではないことも承知しているだろうが、早々にヨーロッパへ進出していった同学年の高井幸大の存在を刺激としつつ、「川崎の王子」から「川崎の王様」として君臨するシーズンとすべく、奮闘と飛躍を期待せずにはいられない。
中井卓大 ピピ(今治FC)~新ジーニアス王子~
2003年10月24日生まれ、滋賀県出身。182cm、75kg。MF

小さな頃から卓越したテクニックで注目されていた“ピピ”こと中井卓大。スペインの名門、レアル・マドリードの下部組織で育ったことは、サッカーファンなら誰もが知るところだ。マドリードに渡ってまもない少年時代、元ブラジル代表のマルセロが中井の足元の巧さに度肝を抜かれたのは、あまりにも有名なエピソード。多感な10代をスペインで過ごし、ラ・リーガでの活躍を目指していたが、やはり世界トップクラスのクラブの壁は厚く、ここ数年は出場機会を求めて下位カテゴリーのクラブへ期限付き移籍せざるを得ない状況だった。
そこへ声を掛けたのが、J2の今治FC。かくして、日本が生んだ屈指のジーニアス(優れた才能)は覚悟をもって故国の地へやってきた。開幕戦からボランチで出場した中井は、試合にこそ敗れたものの随所で才能の片鱗を発揮。相手のプレッシャーを受けながらもボールをキープしてみせ、サポーターを何度もうならす場面をつくった。とはいえ、チームも本人もまだ本調子とは言い難く、J2では厳しい戦いが続いている。ピピが真骨頂を見せた時、今治FCにも勝機が訪れるはずだ。
河野孝汰(ファジアーノ岡山)~覚醒(かくせい)王子~
2003年8月12日生まれ、山口県出身。177cm、73kg。FW

U-12からトップチームに上がるまで、一貫してレノファ山口FCで育った“山口の至宝”こと河野孝汰。高校1年だった19年には2種登録でトップチームでも出場、翌年にはJ2で初ゴールを記録。16歳11か月は当時の最年少ゴール新記録で、早くから神童として注目を集めてきた。しかし、24年9月に左膝前十字靭帯断裂、内側側副靭帯損傷、外側半月板断裂の大けがを負い、1年近く掛けた治療とリハビリの末、25年8月に復帰を果たす。だが、健闘むなしくクラブはJ3に降格。得点感覚に優れた河野の存在は他クラブも当然知るところで、争奪戦の末にファジアーノ岡山へ移籍することになった。
新天地でも早速頭角を現すが、圧巻だったのはやはり第6節、サンフレッチェ広島との“中国ダービー”を制したハットトリックだ。“重戦車”ルカオの突破からラストパスに丁寧に合わせた先制点、白井康介が左サイドを切り崩し折り返したボールを最後に押し込んだ2点目、右サイドからのクロスをドンピシャのヘディングでねじ込んだ3点目と、どれもがファインゴール。なお、クラブ史上初のハットトリックを決めた選手として、ファジアーノの歴史に名を残すことになった。“山口の至宝”から“岡山の至宝”へと覚醒(かくせい)しつつある河野もまた、今季の注目選手の1人であることはまぎれもない。
日本サッカーが「世界から選ばれる舞台」を目指すシーズンの元年となる今季も、DAZNではJ1はもちろん、J2とJ3の全カテゴリーの全試合をライブ配信。しかも一部の試合は無料でも見ることができる。
新たなフェーズへと入ったJリーグを彩るフレッシュ王子たちは、いずれ欧州へと活躍の場を移すかもしれない。しかし、オランダからFC町田ゼルビアへ電撃移籍した日本代表・小川航基や、40歳を迎えてもなおFC東京で現役を続ける長友佑都のように、Jリーグの舞台は常に最高峰であり続ける。その熱き闘いに胸焦がす日々を送るのも一興というものだ。
【コンテンツ情報】
「2026/27明治安田Jリーグ」
DAZN
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文/平田真人
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