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「11人に1人が私でした」――乳がんになったHTBディレクターの決断とは?2020/05/05

「11人に1人が私でした」――乳がんになったHTBディレクターの決断とは?

 HTB北海道テレビで5月9日にHTBノンフィクション「おっぱい2つとってみた~46歳両側乳がん~」(午後3:00、北海道ローカル)が放送される。乳がんになったHTBの阿久津友紀ディレクターが、自らの告知から手術に至るまでの経緯、そして手術中までも記録。4月の放送後に反響を受け、内容を拡大して再放送する。

 乳がん検診の啓発活動、ピンクリボン運動を応援してきたHTB。同局報道部でニュースデスクを務める阿久津ディレクターがまさかの乳がんになった。しかも、両側。どうしようもない不安がよぎる中、彼女の不安を支えたのは、これまで出会った患者と医師たちだった。「誰かの役に立てるかもしれない」――そんな思いから、阿久津は自らディレクターとして身に起こることをカメラに収めることを決意した。

 「11人に1人が私でした」。日本人女性で乳がんになる確率は11人に1人。阿久津は母も乳がんだったことから「少し覚悟をしながらこれまで生きてきた」といい、「健康診断で判明した時も思ったより冷静に受け止めたはずだった」と振り返る。しかし、両胸の同時再建を決め、入院後に聞かされたのは、再建手術ができなくなったという事実。唯一乳がん患者用に保険適用されていた人工乳房が、別のがんを引き起こすと自主回収になったのだ。両胸の全摘しか選択肢がなくなった阿久津は、その手術中をも記録する。

 ところが、手術を終えても安心はできない。再発・転移を防ぐ治療法を決めねばならない。どうすれば命が助かるのか? この治療でいいのか? 大丈夫なのか? 働く世代のがんは家族を巻き込む。子育て世代を直撃する。特に女性は非正規雇用も多く、深刻な問題となっている。阿久津は自ら患者会などに参加し、そこで出会った患者たちの叫びも伝える。

 同番組は、患者でありディレクターである阿久津自身が乳がん患者への感謝と敬意、使命感を持って取り組んだ渾身(こんしん)のドキュメンタリーといえそうだ。

【阿久津友紀ディレクター コメント】

「がんと生きていく…社会の理解を深める一助になればと自らカメラと向き合いました。4月4日の放送後、たくさんの反響・感想をいただきました。私や患者さんのその後、そして乳がんについて、もっと知りたいという声に応えたいと思っています」


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