「おじさんは一人でいいのに(笑)」佐藤浩市&遠藤憲一&光石研が語る「大追跡2」の理想の現場2026/08/05 05:30

テレビ朝日系のドラマ「大追跡~警視庁SSBC強行犯係~Season2」(水曜午後9:00)の第3話が8月5日に放送される。
大森南朋、相葉雅紀、松下奈緒がトリプル主演を務める本作は、水曜午後9時枠に10年ぶりの新シリーズとして2025年に誕生した刑事ドラマの続編。SSBCとは「捜査支援分析センター(Sousa Sien Bunseki Center)」の略称で、09年に警視庁に新設された分析・追跡捜査の専門部隊。その中でも“SSBC強行犯係”は、殺人・強盗・放火などの凶悪犯罪を担当する捜査一課を専門に支援する別班を指す。
若手からベテランまで幅広い年齢層のキャラクターがそろう本作。そんな中、存在感を放っているのが、光石研、遠藤憲一、佐藤浩市のベテラン3人衆だ。
警視庁刑事部SSBC強行犯係係長・葛原茂(光石)、警視庁刑事部捜査一課長・八重樫雅夫(遠藤)、内閣官房長官・久世俊介(佐藤)を演じる3人は、20代からの仲だといい、佐藤は自虐的に、そして愛情を込めて“老害トリオ”と呼ぶ。
Season1からの続投となる共演だが、実は3人そろってのインタビューは今回が初めてだそう。
本作の現場でのエピソードを中心に、キャリアを重ねたベテランならではの興味深く含蓄のあるインタビューを届ける。

──皆さんそろっての取材は今回が初めてだそうで、貴重な機会をありがとうございます。
佐藤 「3人一緒はなかったよね」
光石 「すっごいうれしい!」
遠藤 「これはレアですよ! Season2では3人がそろって出てくる場面はあるのかな?」
光石 「あってほしいね」
佐藤 「SSBCの場面で顔をそろえることはあるけど、3人での会話ってないからね。“老害トーク”をしたいなという気もしないでもないから、プロデューサーに交渉してみるか」
遠藤 「会話はアドリブで?」
光石 「え、アドリブ?(笑)」


──Season1からのご共演ですが、最初に本作のオファーを受けた時のご感想は?
遠藤 「俺は刑事ドラマをいろいろやってるけど、この世代(60代中盤)の役者が3人そろうことにびっくりしたの。『え?』って」
佐藤 「とっつぁんは一人みたいな風潮の中、同世代が3人一緒に出られることってあまりないからね」
遠藤 「中でも、浩市さんが出るということに相当インパクトがあって。『じゃ、やるか!』という気持ちが盛り上がったんだよね」
光石 「浩市さんがいてくれると安心感がありますよね。だって普通、一つの作品におじさんは一人でいいじゃないですか。なのにこの作品では3人もおじさんがいて。うれしいですよ」
佐藤 「大森南朋くんもそうだし、服部(宣之/ゼネラル)プロデューサーも僕はよく知ってるから。彼らが作る作品からオファーを受けて、遠藤くんと光石くんも出ると聞いて、『ぜひぜひ!』と返事したんですよ」

──佐藤さんはこの3人を“老害トリオ”と呼んでいますが、今作の主演もトリオです。現場の雰囲気はいかがですか?
遠藤 「大森くん、奈緒ちゃん、相葉くんは、心の根っこがとてもいいんですよね。周りに無理をさせないし、にぎやかな空気が流れている。すごくいいムードを作り上げてくれる3人だと思ってます」
光石 「誰か一人が目立つとか、そういう雰囲気も全然なくて。主演の3人がしっかりバランスを取ろうとしてくれているんですよね」
佐藤 「彼らは、出どころも出自も全然違うでしょ。でも、同列で並んだ時に、お互いがお互いをちゃんと立てつつ、自分は自分でしっかり立っている。それが見ていて面白いなと思いました。非常にフラットな関係性というかね。その上でとてもバランスのいいキャッチボールができているんじゃないかと思う」
遠藤 「フラットといえば、奈緒ちゃんは演技もしやすいし、ざっくばらんにやってくれて。俺は彼女との場面が多いから、すごく助けられてます」
光石 「若い人たちとのお芝居は楽しいですよ。教えてもらうこともいっぱいあるしね。例えば、スマートフォンのアプリとか、現場では何が何だか分からないものがはやっていたりするのでね。そういうこと、全部教えてもらえます(笑)」
佐藤 「教えを乞う(笑)」

──逆に、若い役者さんたちからアドバイスを求められたりは?
光石 「ないない! 逆に、こっちがトチって『ごめん、ごめん』って言うと、『大丈夫ですよ! 私たちだって間違えますから』って励まされます(笑)」
遠藤 「どこの現場でも励まされるようになっちゃったよね。ちょっと前に裁判もののドラマに出た時、セリフが難しくていっつもトチってたの。そんな時、『ドンマイ、ドンマイ!』って言われていたよ(笑)」
佐藤 「そうなるのが嫌だからセリフを覚えているんだよ(笑)」
光石 「(プレミアムトークイベントで)浩市さんが『セリフは入る。でもすぐ抜ける』って言ってたけど、本当にその通りなんですよ」
遠藤 「入れて忘れて、入れて忘れてって、そうやって自分にすりこませていくしかないんだよね(笑)」
佐藤 「特に危ないのは人の名前とか固有名詞」
光石 「刑事ドラマは固有名詞や人の名前がいっぱい出てくるしね」
遠藤 「もうね、全然入らない。そのうち自分の名前も忘れるかもしれない……」

──第3話は“証拠”と“憶測”の違いがテーマになった展開です。これにちなみ、皆さんが役者のお仕事をする上で判断基準にしていることやポリシーを教えていただけますか。
遠藤 「こういう渋い質問は……」(と佐藤を見る)
光石 「難しい話は……」(と佐藤を見る)
遠藤 「うちらに難しい話は無理だもんね!」
佐藤 「(苦笑)人それぞれに基準はあると思いますけどね。いい意味での貪欲さ、例えば『なんでも食ってやろう』という気概は僕にもかつてあったし、大事だと思う。でも、今となると、大事なのはやっぱり人ですね」
遠藤 「共演者ということですか?」
佐藤 「共演者もそうだし、制作サイドもそうかな。この人がやるならぜひ行かせてほしいと思えるかどうか」
遠藤 「浩市さんでも、スタッフさんや共演者と微妙な空気感になる時があるんですか?」
佐藤 「一人だけ突出した年齢であることが現場で多くなってますからね。そうすると、若い子たちは気遣ってくれるんだけど、いい意味で作用することもあれば、『これはつらいな』と思うこともある。光石くんや遠藤くんは、若い子たちとうまくやれるタイプだけど、俺はちょっと煙たがられる方だからね」
遠藤 「それはない!」
光石 「そんなことはないですよ!」
佐藤 「この3人が一緒に出られる現場って本当に珍しいんですよ。そこに、若い役者たちも違和感なく混ざってくれる。“他山の石”という例えが正しいかどうか分からないけれど、今回は、とてもいい具合に皆さんが混ざり合っている。そんな現場のような気がしています」
【プロフィール】
光石研(みついし けん)
1961年9月26日生まれ。福岡県出身。名バイプレイヤーとして多くの作品に出演。2026年も「コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店」(NHK総合)、「探偵さん、リュック開いてますよ」「ダブルエッジ〜甦った男」(ともにテレビ朝日系)、映画「ほどなく、お別れです」「ラブ≠コメディ」など多数の出演作がある。公開待機作は、映画「九条の大罪」(27年1月8日公開)、映画「存在のすべてを」(27年2月5日公開)。
遠藤憲一(えんどう けんいち)
1961年6月28日生まれ。東京都出身。「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズ(テレビ朝日系)の海老名敬など、個性の強いキャラクターを多く演じている。26年は「テミスの不確かな法廷」(NHK総合)、「さすらい釣り師 糸田三平」(テレ東系)、「エンジェルフライト THE MOVIE」(Prime Video)などに出演。 “エンケン”の呼び名で親しまれている。
佐藤浩市(さとう こういち)
1960年12月10日生まれ。東京都出身。80年にテレビドラマでデビュー。映画「青春の門」(81年)で「第5回日本アカデミー賞」「第24回ブルーリボン賞」で新人賞を獲得して以降、多数の受賞歴を持つ。25年に出演した「ザ・ロイヤルファミリー」(TBS系)の山王構造役が大きな話題に、26年は「北方謙三 水滸伝」(WOWOW)、映画「開戦前夜」などに出演。また、27年には映画「殺人の門」(2月19日公開)、「腹をくくって」(公開日未定)の公開が控えている。
【番組情報】
「大追跡~警視庁SSBC強行班係~Season2」
テレビ朝日系
水曜 午後9:00~9:54
取材・文/新井音羽
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