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豊原江理佳 走り切った『レベッカ』と、『民王』につなぐ新たな“サイン”【後編】2026/08/04

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豊原江理佳 走り切った『レベッカ』と、『民王』につなぐ新たな“サイン”【後編】

 実力派ミュージカル女優・豊原江理佳のインタビューを2日間にわたってお届け。8月15日にソロライブを控える彼女は現在ミュージカル『レベッカ』に出演中。今回は、『レベッカ』のこと、そして9月に控える新作ミュージカル『民王』について話を聞いた。

――ミュージカル『レベッカ』は8月2日が大千秋楽。この取材は6月30日に東京公演の千秋楽を終えた直後に行っています。豊原さん演じる若く純粋な「わたし」は、資産家・マキシム・ド・ウィンターと結婚し、彼の屋敷・マンダレイで新生活を始めますが、亡き前妻・レベッカの存在が今も屋敷中に色濃く残り、忠実な家政婦ダンヴァース夫人の執着も相まって、「わたし」は次第に追い詰められていく……そんなサスペンス・ミュージカルにここまで出演してきた感想を教えてください。

「東京公演は約2か月の期間で、長かったですね。これほど長期間の公演は初めてでした。とにかく持久走だったなって。共演の海宝直人さん、明日海りおさん、霧矢大夢さんは皆さんアスリートでいらっしゃって、どうやって最後まで喉を持たせるか、体を持たせるかってことに尽力し、研究を尽くしている。そんな方々に囲まれて、ここまでやってこられたことは本当に財産だと思います。どう健康な状態で最後まで走り切るか、自分を知ることを学んだなと」

豊原江理佳 走り切った『レベッカ』と、『民王』につなぐ新たな“サイン”【後編】

――体のメンテナンスなど、これまでとルーティンは変わりましたか?

「変わりました。肩が上がって首が前に出てしまうことが多いということが今回分かりました。歌う時も力が入っちゃうので、マッサージに頻繁に行った方がいいなとか。発声練習もやり過ぎると疲れてしまうので、10分くらいがいいなとか、そういう自分のレシピみたいなものを今回見つけられた気がして」

――演じた「わたし」という役についてはいかがでしょう?

「最初に原作を読んだ時、すごく人間らしい役だなと思って。ちょっとずるいところや弱いところがある精神的に少し未熟な誰しもが経験する、思春期の女の子の役だなと。そこを私なりに掘り下げて作り上げたヒロイン像なんですけど、私がすごくうれしかったのが、SNSの感想で『前半はいい意味でイライラしました』と書いてくださっている方がいて(笑)、私も原作を読んだ時、20代前半の自分と重なってイライラしたんです。自分がどう思われるかばっかり気にしていて人間らしくて青いなって。自分の方向性の役作りができて、多面的に人間を捉えることができたすごくやりがいのある役でした」

――ダンヴァース夫人をダブルキャストで演じた明日海りおさんと、霧矢大夢さん。それぞれの役作りの違いをどう捉えましたか?

「明日海さんはホラー漫画のような怖さがあって。すごく美しくてすごく怖いんです。年齢も分からない、人間なのかどうかも怪しい、みたいな魅力を感じていました。そしてレベッカに対する愛情を強く感じました。明日海さんのダンバースさんの目が時々ぎょろっと動くんですけど、それが恐ろしく怖くて。霧矢さんは、途中までは普通の人間という感じで仕事ができる人でちょっと厳しいところがあって。だから私も気に入られたいと思う。けれど途中で突然怖くなるんです。普通の人ほど怖くなった時のギャップが激しいじゃないですか。お二人ともに違う怖さがあって魅力的なダンヴァース夫人を演じられていて毎公演本当に楽しかったです」

――海宝さんのマキシムはいかがでしたか?

「2か月の東京公演中一度も失敗されたところを見たことないので、すごいなと思いました。シングルキャストで69回公演されていて、1度も失敗がない。本当に人間なのかなっていう完璧な方で。そんなプロフェッショナルな方と共演させていただけて光栄でした」

豊原江理佳 走り切った『レベッカ』と、『民王』につなぐ新たな“サイン”【後編】

――『レベッカ』の後はソロライブ、そして、9月はミュージカル『民王』への出演も控えています。池井戸潤さん原作小説のミュージカル化で総理大臣とその息子が入れ替わってしまうコメディー。ドラマも大人気でした。豊原さんは村野エリカを演じます。池井戸潤さんの作品が初めてミュージカル化されるのも楽しみです。

「すごいですよね。池井戸先生もミュージカルがお好きだとうかがっていてすごく楽しみです。まだお稽古は始まっていないのですが、絶対楽しい稽古場になるだろうなって今からワクワクしています。キャストの皆さまとの共演も楽しみです」

――舞台の本番とライブ、そしてバラエティー出演など大変お忙しいとは思いますが、お休みの時はどんなことをされているのでしょうか?

「お散歩が大好きなので、普段から一駅二駅ぶんは歩いて、お店を見たりシールを買ったり、おいしそうなお店を見つけたり。最近シール帳を作ったんです。ファンの方からすごくかわいいアリエルのシールをいただいたのではやりに乗ってみました。まだ交換はできていないのですが、友達の女優がシール帳を持っていると聞いたので、今度交換したいです。舞台やライブ、テレビのお仕事は“非日常”なので、オフの時は思い切り日常に溶け込みたくなります。仕事のことをあんまり考えないようにする、全部スイッチをオフにする、みたいな瞬間が私にとってすごく重要で」

――日常の自分、というのを大事にされているのですね。このお仕事をされている方って、オフもオンも華やかな方がいらっしゃると思いますが。

「その人であり続ける、という方もいらっしゃいますよね。私は自然の一部でいたい、一人の人間でいたいと思うタイプなんです」

――役と素顔の自分とを切り替えるポイントってありますか?

「昔は台本を抱っこしたまま寝てしまうぐらいずっと役を背負っていたんですけど、ずっと役のことを考えて張り詰め続けるのは、疲れてしまうようになって、パフォーマンスにも良くないと考えるようになったんです。今はメイクをするまではオフで、メイクをしたらスイッチを入れる。終演後メイクオフして楽屋を出たら完全に仕事のスイッチを切ります。毎公演ごとに新鮮な気持ちになるために“忘れること”を心がけています」

――毎回、新たな気持ちで舞台に臨まれているのですね。それでは最後に豊原さんのソロアーティストとしての表現に触れられる3rd LIVE「Sign」への意気込みを改めてお願いします。

「皆さんが応援してくださるおかげで、そして皆さんのライブをやってほしいという思いでライブが実現できます。本当にありがとうございます。楽しんでいただき、元気になっていただけるライブにしたいなと思っているので楽しみにしていてください。この夏の一番の思い出になるようなライブにしますのでぜひ遊びに来てくださいね!」

【プロフィール】
豊原江理佳(とよはら えりか)

1996年4月8日生まれ。2008年、ミュージカル「アニー」のアニー役でデビュー。2023年の映画「リトル・マーメイド」の日本語吹き替え版で主人公のアリエルの声および歌唱を担当。近年の主な出演作は、ミュージカル「SIX」、「LAZARUS-ラザルス-」、「ISSA in Paris」など。出演中のミュージカル『レベッカ』は8月1日~2日の東京・シアター1010で大千秋楽を迎える。9月6日~10月6日に東京・日比谷・シアタークリエで上演のミュージカル『民王』に村野エリカ役で出演。

【ライブ情報】
豊原江理佳 3rd Live「Sign」

豊原江理佳 走り切った『レベッカ』と、『民王』につなぐ新たな“サイン”【後編】

日程:2026年8月15日 開場 午後0:15/開演午後1:00 開場 午後5:15/開演午後6:00
会場:東京・吉祥寺 STAR PINE’S CAFE

取材・文/TVガイドPERSON編集部

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