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「豊臣兄弟!」小栗旬、“本能寺”で飛び出したアドリブの真意「無様に死にたかった」貫いた信長像2026/07/12 20:45

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「豊臣兄弟!」小栗旬、“本能寺”で飛び出したアドリブの真意「無様に死にたかった」貫いた信長像

 現在放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」(NHK総合 日曜午後8:00ほか)で、織田信長を演じる小栗旬のインタビューを前後編に分けておくる。

 豊臣秀長(小一郎)役の仲野太賀が主演を務める大河ドラマ第65作で描くのは、強い絆で天下統一という偉業を成し遂げた秀長と兄・秀吉(池松壮亮)の“兄弟”の物語。「秀長が長生きしていれば豊臣家の天下は安泰だった」とまで言わしめた天下一の補佐役・秀長の目線で、戦国時代をダイナミックに描く波瀾万丈のエンターテインメントだ。脚本は連続テレビ小説「おちょやん」(NHK総合ほか)や「半沢直樹」(TBS系)などで知られる八津弘幸さんが手がけている。

 前編では4年ぶりとなった本格的な大河出演や念願の信長役への向き合い方、また、主演の仲野、そして秀吉役の池松への思いなどを小栗に語ってもらった。

 後編では、信長にとってクライマックスの「本能寺の変」の撮影の裏側から、“あの名シーン”の秘話に迫る。小栗ならではの視点から、秀吉に未来を託す信長の思いが浮かび上がる。

――織田信長のクライマックスといえる第27回「本能寺の変」について、撮影を振り返ってください。

「『本能寺の変』のラストシーンはロケで、本物の火を使って撮影しました。炎に囲まれて撮影したことで、映像の迫力が全く違いました」

「豊臣兄弟!」小栗旬、“本能寺”で飛び出したアドリブの真意「無様に死にたかった」貫いた信長像

――信長を演じるにあたって「本能寺の変」は大事な見せ場だと思います。信長役に向き合う中で意識されたことはありますか?

「見せ場ではあるのですが、役者のエゴを出さないように気を付けました。過去の作品で、信長が本能寺で戦う描写をたくさん見てきたので、理想は逃げようとしたが諦めて、無様に死んでいく形でした」

――なぜ逃げるプランを考えられたのでしょうか?

「いろんな資料を読む中で、信長は逃げようと決めたら逃げ足が速かったという記述があったんです。なので、なぜ本能寺では逃げられなかったのかが疑問でした。その理由として『もう疲れたのではないか』と考えました。燃え尽き症候群のような、『これ以上、逃げた先に何があるのだろう』という思いが、信長の中にあったのではないかと。そう自分なりに解釈をして、八津さんに『1度は本気で逃げようとしたい』と相談させてもらいました」

「豊臣兄弟!」小栗旬、“本能寺”で飛び出したアドリブの真意「無様に死にたかった」貫いた信長像

――“役を生きた”からこそ生まれた演技だったのですね。幻の明智光秀(要潤)と対した際の「お前じゃない」というセリフが印象的でした。

「実はアドリブなんです。あれは光秀と向き合った時に、心から出た言葉でした」

――とっさに出たセリフの真意は何だったのでしょうか。

「もしもあの時、目の前に現れたのが光秀ではなく秀吉だったら……信長は喜んで死を受け入れたはずです。秀吉から『あなたが死んでくれないと次の世の中が作れません』と言ってもらえれば、信長も『喜んで君に席を譲る』と決意できたのに。実際には気難しい光秀がやって来て……許せなかったですよね(笑)」

――信長にそのように思わせたきっかけはあったのでしょうか?

「第26回で秀吉と2人で話すシーンがありました。その時には信長は既に引退しようと考えていたと解釈したんです。だから、第25回で長老格の林秀貞(諏訪太朗)や佐久間信盛(菅原大吉)、安藤守就(田中哲司)に相撲を取らせ、追放したのかなと。一緒に引退して次の世代に託しましょうと。あのシーンも皆さんの去り際が美しく、印象的なシーンになっていました」

――自ら身を引く流れを感じ取ったんですね。

「そこで自分が引退して、誰に後を任せられるのだろうと思い巡らせた時に、第26回の秀吉と2人で話すシーンが大事になるんです。『信長と一緒に新しい世の中を作り、人々を喜ばせたい』という秀吉の言葉を聞いて、どれだけ無理難題を課されても、人を喜ばせたいという秀吉なら任せられるという心境になりました」

――その上での「お前じゃない」は、確かに説得力があります。

「最後のシーンで弟の織田信勝(中沢元紀)の幻影から『我らの一生、ろくなものではござりませんでしたな』と言われるのですが、信長の本心は『いや、俺は違う』と。『俺には、未来を託せる秀吉がいる』と確信していたはずです。そんな気持ちで最期を迎えられたことは、“豊臣兄弟”あっての織田信長を演じる上で、1本、筋を通せてよかったです」

――今作では、信勝や浅井長政(中島歩)、さらには織田信澄(緒形敦)が関わる今までにない展開の「本能寺の変」になりました。

「信澄が絡んでいるというのは、新鮮でした。でも、それは信勝の存在が大きくて、本作は“兄弟”がテーマであり、それは豊臣だけではなく織田にも言えるわけです。死を悟った信長の前に信勝や長政の幻影が現れますが、あのシーンも信長が後悔していた部分で……最後に自分の弱さを感じたのではないかと」

「豊臣兄弟!」小栗旬、“本能寺”で飛び出したアドリブの真意「無様に死にたかった」貫いた信長像

――作品を通して、裏切られ続けた信長の生涯についてどう捉えたかを教えてください。

「資料を読むと裏切られている回数が多い人なんですよね。だから、疑心暗鬼にもなるでしょうし、人を信じることが難しいのではないでしょうか。現実では、平気で家族同士の殺し合いもあった時代で、その中でも“豊臣兄弟”のような関係を作っていた人たちがいたのも事実です。信長は弟の信勝と家督争いをしなければいけなかった。さらには、義兄弟の長政にも裏切られて……。しかも、松永久秀(竹中直人)に至っては、2回も裏切られながらも許していますから」

――なぜ信長は裏切られても許したと思われますか?

「修羅のような人のイメージですが、言い分がしっかりしていれば許す選択肢がある人なんじゃないかと。そんな中、秀吉は絶対に信長を裏切らないだろうと。秀吉と兄弟になれていたら、違う人生があったかもしれないと感じますし、殺しに来たのが秀吉だったなら信長にとっては一番いい幕引きだったんですが……」

――やはり、秀吉への思いの強さが物語の鍵になっているんですね。最後に、今後の大河ドラマ出演も期待してもよろしいでしょうか?

「『鎌倉殿の13人』(22年)の時にも思いましたが、大河ドラマって本当に大変なんですよね。なのに、また今回参加させてもらっていて……大変さは忘れるものなんですね(笑)。改めて大変さを再確認できたので、次回があれば2、3か月だけ出演する役で参加させてもらいたいですね(笑)」

――次回の出演も楽しみにさせていただきます。たっぷりお話していただき、ありがとうございました。

【プロフィール】
小栗旬(おぐり しゅん)
1982年12月26日生まれ。東京都出身。94年より芸能活動を開始し、ドラマ「GTO」(98年/フジテレビ系)で注目を集める。「花より男子」シリーズ(TBS系/05年、07年、08年)、「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」(07年/フジテレビ系)、「リッチマン、プアウーマン」(12年/フジテレビ系)など数々の話題作に出演。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(22年/NHK総合ほか)では大河ドラマ主演を務めた。映画では「クローズZERO」シリーズ、「罪の声」(20年)、「フロントライン」(25年)などで活躍。

【番組情報】
大河ドラマ「豊臣兄弟!」
NHK総合
日曜 午後8:00~8:45ほか
NHK BSプレミアム4K
日曜 午後0:15~1:00ほか
NHK BS・NHK BSプレミアム4K
日曜 午後6:00~6:45

取材・文/S.Kirinuki

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