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小林虎之介、“朝ドラ”初出演で見せる“真っすぐさ” 見上愛との関係性、島田への対抗心も語る「風、薫る」2026/04/09 08:15

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小林虎之介、“朝ドラ”初出演で見せる“真っすぐさ” 見上愛との関係性、島田への対抗心も語る「風、薫る」

 NHK総合ほかで放送中の連続テレビ小説「風、薫る」(月~土曜午前8:00ほか)に、主人公の一人・一ノ瀬りん(見上愛)の幼なじみで、同じ村で育った竹内虎太郎役として出演する小林虎之介。りんを思い続けながらも、その思いが報われるとは限らない。身分差や時代の壁、そしてそれぞれの人生の選択に翻弄(ほんろう)されながら、それでもただひたすらに相手を思う。虎太郎は、そんな不器用で真っすぐな人物だ。

 本作は、明治という激動の時代を舞台に、西洋式の看護を学んだ“トレインドナース”たちが新たな時代を切り開いていく物語。女性が職業を持つことすら難しかった時代に、一ノ瀬りん(見上)と大家直美(上坂樹里)が葛藤しながらも道を切り開いていく姿が描かれる。虎太郎は、りんの人生の原点ともいえる存在として、物語の序盤を大きく支える役どころだ。

 “朝ドラ”初出演となる小林は、出演決定時の率直な思いから、役への向き合い方、現場での共演者との関係性、そして芝居に対する葛藤までを飾らない言葉で語る。その言葉の端々から浮かび上がるのは、虎太郎とどこか重なるような、実直でひたむきな姿だった。

――まず、“朝ドラ”初出演が決まった時の率直なお気持ちから教えてください。

「歴史のある枠のドラマですし、幅広い世代の方に見ていただける作品として全国で認知されているので、素直にうれしかったです」

――役名にご自身と同じ“虎”の字が入っている点については、どのように受け止めましたか。

「縁を感じる部分もありつつ、少し恥ずかしい部分もあります。それと、今後『虎太郎』って役名で呼ばれたり、間違えられたりしそうだなとも思っています(笑)」

――演じる虎太郎という人物について、最初にどんな印象を持ちましたか。

「本当に真っすぐな子なんですよ。汚れた部分がなくてピュア。ただ、時代のタイミングが悪かったというか、りんの境遇とうまくかみ合わない部分もあったりして。でも虎太郎自身は、ずっとりんのことを思って行動している人物だと思います」

――ご自身と重なる部分もあるのでしょうか。

「素直なところは、似ていると思います」

――「朝ドラ」という放送枠に対する印象は、出演前後で変化はありましたか。

「正直に言うと、学生時代は部活動があったので、あまり“朝ドラ”を見れていなくて。ただ、友達が出演した時に、ファミレスにいたおじいちゃんや家族連れの方から声を掛けられているのを見て、『たくさんの人に見られているんだな』と感じたことはありました」

――実際に出演が決まった際、周囲の反応はいかがでしたか。

「正直あまり大きな反響はなくて。家族も『すごいじゃん』みたいな感じではなくて、『浮かれずに頑張れ』みたいに淡々としていました」

――最初に報告された相手は?

「一緒にオーディションを受けていた友達に、『“朝ドラ”に受かったみたいなんだよね』くらいの感じで話しました。まだどうなるか分からない状態だったので、『いい感じっぽい』くらいの伝え方でした」

小林虎之介、“朝ドラ”初出演で見せる“真っすぐさ” 見上愛との関係性、島田への対抗心も語る「風、薫る」

――虎太郎とりんの関係性は、この物語の中でも大きな軸になっています。

「幼なじみとしてずっと一緒に過ごしてきたので、第1週では『お嫁さんに迎えたい』という気持ちもあったと思います。でも第2週になると、りんはすでに結婚しているので、そこはもう諦めているというか。ただ、それでも好きな女性なので、苦しんでいたら助けたいという気持ちはあって」

――恋愛感情とは少し違うものなのでしょうか。

「そうですね。恋愛というより、『大切な人を守る』という感覚だと思います」

――さらに、その関係には身分差という要素もあります。

「2人でいる時はそこまで意識していないと思うんですけど、周りから見た時にはやっぱり差がある。時代的に、『自分たちの間には身分の差がある』という引け目は感じていたと思います」

小林虎之介、“朝ドラ”初出演で見せる“真っすぐさ” 見上愛との関係性、島田への対抗心も語る「風、薫る」

――第1週終盤の告白シーンは、視聴者にとっても印象的な場面でした。演じてみての実感はいかがでしたか。

「台本を読んだ時は、『ちゃんとキュンとさせないといけないな』くらいで、そこまで深く考えていなかったんです。でも実際に演じてみると、『虎太郎って本当にタイミングが悪いな』と思いました」

――わずかな違いで、結果も変わっていた可能性はありますよね。

「そうですね。行動する日が違えば、りんと結ばれていた世界線も全然あったんじゃないかなと思いながら演じていました」

――虎太郎本人としては、かなりもどかしい状況です。

「虎太郎としては意味が分からないですよね。普通にフラれた感じなので(笑)。『あれ?』みたいな」

――そうした不器用さも含めて、演じる上で大切にしたことは?

「不器用ながら伝えることですね。男らしくいく時は覚悟を決めて手を握るとか、緊張している感じが伝わればいいなと」

小林虎之介、“朝ドラ”初出演で見せる“真っすぐさ” 見上愛との関係性、島田への対抗心も語る「風、薫る」

――続く第2週では、りんと娘の環(宮島るか)を東京へ送り出す場面も描かれました。あのシーンにはどんな思いで向き合いましたか。

「あのシーンは、これまでの中で虎太郎が一番男らしいシーンでしたね。身をていしてりんと環を東京に送っていくシーンで、自分が東京に行けない悔しさもありつつ、りんに東京で頑張ってほしいから奥田屋から切り離したいという面もあって。奥田屋の人間が来たら戦うつもりだったと思うし、2人に普通の生活を送ってほしいという気持ちで、ああいうシーンができたと思います」

――まさに虎太郎の“男気”が凝縮された場面ですね。

「男気ありましたよね。かっこよかったと思います」

――明治という時代を生きる芝居については、難しさも大きかったのではないでしょうか。

「所作や話し方が現代とは全然違うので、普段の自分に近い感じでやると、現代の人間っぽくなってしまうんです。しゃべり口調や動きに制限があるので、そのあたりは難しかったですね」

――事前準備ではどのようなことに取り組まれましたか。

「NHKで所作の指導をしていただきました。ドラマでは使わないような動きも含めて教えていただいて、勉強としてやらせていただきました。方言もチェックしていただいて、少しずつブラッシュアップしていく形でした」

――栃木ことばの手応えはいかがですか。

「そんなに難しいというより、しゃべっていて楽しい言語だなと感じました。イントネーションが独特で。もちろん間違えることもありますけど、楽しくやれています」

小林虎之介、“朝ドラ”初出演で見せる“真っすぐさ” 見上愛との関係性、島田への対抗心も語る「風、薫る」

――見上さんとの関係性についても伺います。自然な距離感はどのように作られていったのでしょうか。

「特別に話し合ったりはしていなくて、もうお芝居で、という感じです。合間にちょこちょこ話したりはしますけど、関係性は芝居の中で作っていった感じですね」

――あえて距離を詰め過ぎないようにしていた部分もあったのでしょうか。

「自分があまりコミュニケーションを多く取るタイプじゃないというのもありますし、恋愛要素があるので、自分のことを知られて『あ、こんな人なんだ』って残念に思われたら向こうもやりにくくなるかなと(笑)。だからあまりたくさんはしゃべらない方がいいかなって」

――座長としての見上さんの印象はいかがですか。

「本当にたくましい座長って感じです。大変な現場だと思うのですが、いつも笑い声があって、元気で、強い人だなという印象です」

――現場で印象に残っているエピソードはありますか。

「栃木ロケが自然の多い場所で、虫の被害が1回あったんですよ。その翌々日くらいに見上さんが薬を持ってきて、『これを塗って』って塗り薬を持ってきてくれた時は、すごいなと思いました。この歳でそんな配慮ができるのかって、頼もしかったです」

――演技面ではどんな刺激を受けましたか。

「とても器用で、スイッチの切り替えがバチンとできる女優さんなので、同世代として刺激を受けました。りんが後悔してしまうシーンが、たびたびあって、『また間違えた』と言って泣き崩れるところをモニターで見ていたのですが、すごいなと感じて。そのシーンを見て、『いいドラマになるだろうな』と現場にいながら思いましたね」

――物語の中でも関係の深い一ノ瀬家の皆さんですが、現場ではどんな雰囲気なのでしょうか。

「すごく温かいです。会うたびに仲良くなっていく感じで、一ノ瀬家の皆さんはもう本物の家族みたいですね。僕がいないシーンも多いので、ちょっと置いていかれている気分になることもあるくらいです(笑)」

――その中でも印象的だった共演者とのエピソードを教えてください。

「りんの母・一ノ瀬美津役の水野(美紀)さんは人柄もお芝居もすてきで、助けていただいています。優しい方ですね。妹・安役の早坂(美海)さんはすごく人見知りで、最初は輪に入れていなかったので声を掛けました。『おしゃべりが難しかったら、大きい声であいさつするだけでも印象が変わるよ』、みたいな話をして。それで少しずつ打ち解けていましたね。そして、父・信右衛門役の北村(一輝)さんは最初の登場シーンやお祭りのシーンでお話しさせていただいたんですけど、作品によっては怖い役のイメージが強いじゃないですか。でも実際は虫が苦手など、かわいらしい一面があって。そのギャップも含めて、『この人はモテるだろうな』って現場で話していました(笑)」

――今後、島田健次郎(佐野晶哉/Aぇ! group)という存在も物語に大きく関わってきますが、虎太郎にとっては“恋敵”のような存在でもありますよね。

「現場でもその話は出ていて、『放送が始まったら島田派と虎太郎派に分かれるだろうな』って言われていました。公式SNSで『気になるキャラクターは?』って聞かれた時も、会ったことはなかったんですけど、島田って答えたんです(笑)。恋敵と聞いていたので」

――ご自身としては、やはり虎太郎に一票でしょうか。

「もちろんその意気込みでやっていますけど、佐野さんはアイドルもやられていますからね……ちょっと厳しい戦いになるかもしれないという感じはあります」

――その中でも、虎太郎ならではの強みはどこにあると感じていますか。

「やっぱり、体を張ってでも、りんを守ろうとするところじゃないでしょうか」

――確かに、あの行動力は虎太郎ならではですよね。

「そうですね。島田にはできない部分かな、という気持ちはあります(笑)」

小林虎之介、“朝ドラ”初出演で見せる“真っすぐさ” 見上愛との関係性、島田への対抗心も語る「風、薫る」

――ご自身の出演シーンは、すでにご覧になっていますか。

「まだ、ちゃんとは見られていなくて。現場で見ることはあるんですけど、どうしても気恥ずかしさが勝ってしまって……」

――ご自身の芝居を客観的に見ることへの抵抗もあるのでしょうか。

「自分がドラマに出ていること自体がまず照れくさいというか、大丈夫かなっていう不安と怖さがあって。なかなか思い切って見られないんです。完パケを見るのが一番怖いですね。見る時は『もうちょっとこうだったら』って反省することの方が多いです」

――今回の経験を通して得たもの、そして作品への思いを改めて聞かせてください。

「“朝ドラ”は所作なども含めて厳しくご指導いただくので、今回、きちんと時代劇の芝居をつけてもらって演じられたのは大きな経験でした。自分の未熟さにも気付けましたし、すごく勉強になっています。また時代劇をやることがあれば、今回の経験は必ず生きるはずですし、出演できてよかったなと思っています。ドラマが面白いと言ってくれる人が多ければ多いほどうれしいです」

【プロフィール】
小林虎之介(こばやし とらのすけ)

1998年2月12日生まれ。岡山県出身。俳優。主な出演作にドラマ「下剋上球児」(2023年/TBS系)、「ひだまりが聴こえる」(24年/テレ東系)、「宙わたる教室」(24年/NHK総合)、「恋は闇」(25年/日本テレビ系)、2026年秋放送の「俺たちの箱根駅伝」(日本テレビ系)で、青葉隼斗役を務める。

【番組情報】
連続テレビ小説「風、薫る」
NHK総合
月~土曜 午前8:00~8:15 ※土曜は1週間の振り返り
NHK BS・NHK BSプレミアム4K
月~金曜 午前7:30~7:45
※NHK ONEで同時・見逃し配信

取材・文/斉藤和美

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