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【「ラストチャンス」リレーインタビュー/第2回】ドラマで土下座しまくりの勝村政信のプライベートは、レレレのおじさん!?「思わず『お出かけですか?』って言いたくなっちゃう(笑)」2018/07/20

【「ラストチャンス」リレーインタビュー/第2回】ドラマで土下座しまくりの勝村政信のプライベートは、レレレのおじさん!?「思わず『お出かけですか?』って言いたくなっちゃう(笑)」

 人と企業の“再生”をテーマに、働くすべての人へ向けたドラマ「ラストチャンス 再生請負人」(テレビ東京系)。元銀行マンの樫村徹夫(仲村トオル)は、CFOとして「デリシャス・フード」の経営を立て直すべく奮闘しようとしますが、なんだか怪しい風向きで…。特に、創業メンバーで財務部長の岸野聡(勝村政信)とは最初から言い争いになってしまい、こんな状況で本当に再建できるのかと感じたのは私だけではないはずです。

 今回リレーインタビュー第2回は、その岸野を演じる勝村政信さん。樫村への不信感を抱く彼を演じる上での役づくりはもちろん、せりふや撮影期間に関する裏エピソード、リーダーに向いている性格かどうかなど明かしてくれました。また、視聴者の皆さんから募集した質問にもお答えいただきましたので、ラストチャンスの“L”がどこかに隠れた写真とあわせてご覧ください!

── 今回演じられた岸野について「謎な部分が多く、自由な発想で役にアプローチした」とのことでしたが、具体的にどのように役づくりをされていったのかを教えていただけますか?

「彼は元々小さな商社に勤めていて、それなりに稼ぎもある人で。プライベートでも、家を建てて、子どもも大きいという大変な状況の中で、なぜ、後輩の結城伸治(池田成志)とベンチャー企業を立ち上げるという大きな冒険をしたのかが謎でした。そこにどんな魅力があったのか? あとは、2人で始めたはずなのに、なぜ俺だけ部長で成志先輩が経営者…おかしいなって(笑)。成志さんは、僕が芝居を始めた頃からの先輩なので、それが公私ともに許せなくて。これが違う方だったら全然問題なかったんですけど…そこだけが、ちょっと納得できないかなって(笑)」

【「ラストチャンス」リレーインタビュー/第2回】ドラマで土下座しまくりの勝村政信のプライベートは、レレレのおじさん!?「思わず『お出かけですか?』って言いたくなっちゃう(笑)」

──仲村さん演じる樫村とは、最初かなり敵対していますよね。

「テレビ東「岸野は会社を愛していて、社員に対する感謝の気持ちなど根本の部分は変わっていないと思うんです。ただ、会社の崩壊が怖くて何とかしないといけないけれど、自分の手ではどうしようもない。それに対し、樫村は『会社が危ない』ということを一番誰よりもよく分かっている。だから、彼がCFOとして来た時に、そもそも信用していないし、そこで心を許してしまうとやっぱり会社がおかしくなり始めていることが分かってしまうから、ばれないように、あえて強く当たっていたと思うんですよね。でも、仕事で通じていくうちに、彼が会社や社員を真剣に守ってくれる、何とかしようと思ってくれているという真実を理解したんです。もともとの社長が本田博太郎さん演じる大友勝次で、彼こそ全く信用してませんでしたから。よそからやってきた人たちのことは基本的に信用していなかったので、本田さんの存在も大きかったんじゃないかな。おいしいものを食べてゴルフを楽しんで、社長なのに会社のことは何も知らないという素晴らしいキャラクターですけど、岸野たちにとってはたまらない人ですから(笑)」

──会社を建て直していこうとする方からすると…。

「そこから代わった社長が樫村ですから、やっぱり信用はできませんよね」

──それが、樫村の思いを感じ始めて…。

「少しずつ変わっていくという感じですね」

──飲食フランチャイズ企業の財務部長を演じるにあたり、意識したり、こだわったことがあれば、教えていただけますか? せりふには専門用語も多く、言い回しなど難しかったのではないでしょうか?

「大変でした(笑)。ドラマの撮影が始まる前に、(宮内亮役の椎名)桔平と連絡を取り合ったんですよ。仲村さんのせりふがあまりにも難しくて多いので2人で笑ったっていう(笑)。『これは大変だね』『俺たち、仲村さんに比べたらラッキーなんじゃない』って。仲村さんは出ていないシーンがないくらいで、さらにしゃべりっぱなしだったので。だから、自分より大変な人を見ると気持ちが楽になって、それでごまかしていましたね(笑)」

【「ラストチャンス」リレーインタビュー/第2回】ドラマで土下座しまくりの勝村政信のプライベートは、レレレのおじさん!?「思わず『お出かけですか?』って言いたくなっちゃう(笑)」

──私も台本を読ませていただいたんですが、漢字が並んだ長い専門用語が多かったですもんね。

「そうなんですよ。あとは、ロケも特殊で。撮影に一般のオフィスを使わせていただくので、基本的に土日に撮っていたんですね。そうすると、週休5日。もちろん、僕自身は休みではなかったですけど(笑)。なので、体が慣れてこないし、その5日間で緩んでいくんですよね。みんなそれぞれ他にもいろんな仕事をしているので、土曜日に現場に入る時に、一回それぞれ自分の中でアジャスティングを試みていました」

──毎週土曜日が来るたびに皆さん「ラストチャンス」仕様に…(笑)。

「そうなんです! 少しずつ頭と体を切り替えるっていう作業って、なかなか連ドラの撮影ではないので。普通は長期間ずっとその役に入ってますから、自然になんとなくその人になっていますけど。5日間のうちに一度緩むっていう」

──そうだったんですね。後半部分の撮影現場に入らせていただきましたが、皆さん撮るたびにOKばかりでそんなふうには見えなかったです!

「それはもう本橋圭太監督のおかげです! 本当に、僕たちの負担を減らしてくださって。俳優陣で気になることがあった時には、軽く話し合ってすぐに解決してくれました。しかも、連ドラではなかなかないんですけど、この作品は全話撮ってくださっているので、俳優陣全員が全幅の信頼を置いていましたね」

──都度、本橋監督とお話しされながら撮られていたんですね。

「そう「監督が『こういうふうにしましょうか?』と正確な交通整理をして、僕らの迷いを一瞬にして解決してくれましたね」

【「ラストチャンス」リレーインタビュー/第2回】ドラマで土下座しまくりの勝村政信のプライベートは、レレレのおじさん!?「思わず『お出かけですか?』って言いたくなっちゃう(笑)」

──今、仲村さんや椎名さんのお話がありましたが、銀行員の杉山誠三を演じる町田啓太さんの印象はいかがでしたか? 実は、町田さんに勝村さんの話をお伺いした時に「勝村さんがシーンを撮り終わった時に毎回『いつか土下座させてやる』」って僕に話してくださって、それがすごくモチベーションになってありがたかったです」とお話しされていました。

「町田くんはさらに撮影期間中、途中で長いスパンがありましたからね。僕らよりも大変だったと思います。撮影現場で会うと『前回の撮影は随分前でした』と言っていましたから」

──そんな町田さんに、勝村さんから結構話しかけられたりされていたんですよね?

「そうですね。仲村さんも含め、僕ら最初に死ぬほど土下座させられましたから! こんなに土下座させるのかっていう(笑)。いろんな角度から撮らないといけないから、その度に土下座して(笑)。屈辱以外の何物でもないですよ、もう。みんな役を離れつつありましたからね、後半になってきて。『なんで50過ぎてこんなに土下座させられなきゃいけないんだ』みたいな(笑)」

──全部で何回くらいやられたんですか?

「結構やりましたよ! 一番悪いのは(結城役の)成志先輩なのに!! だから、本当は僕たちじゃなくて、成志先輩が一番にみんなに向けて土下座しなきゃいけないんですよ(笑)」

── 一度逃げ出している人ですからね。勝村さんのそんな裏の思いがあったとは…。

「もう表です、それは。裏でも何でもないです!!(笑)」

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