東京オリンピックの競技を解説【ラグビー】スピーディーな展開が見ものの7人制。全大会4位入賞の日本男子はメダル奪取なるか2021/07/20
日本で開催された2019年ワールドカップ(15人制)により、その魅力、醍醐味(だいごみ)があらためて知れ渡ったラグビー。オリンピックでは1900年パリ大会で初めて15人制が実施され、その後、3大会で行われたが、1924年パリ大会を最後に正式競技から外された。しかし前回2016年リオデジャネイロ大会で男女の7人制が正式競技に採用。実に92年ぶりの復帰だった。フィールドの広さなど基本ルールは15人制と同じ。1チームの選手数が7人で、試合時間が7分ハーフの14分という点が大きな違いだ。選手の数が15人制の半分以下なので、必然的にスペースが生まれ、キックや長いパスでボールを大きく動かすプレーや、単独で突破することも多くなる。選手には走力と1対1で相手をかわす技術が求められる。また、ポジションはフォワードとバックスに分けられるが、15人制ほど明確に役割が決まっているわけではない。選手それぞれがゲームの流れに応じて、多くの役割をこなす必要がある。
男女各12チームが出場。4チームずつ3組に分かれて総当たり戦を行い、各組上位2チームと3位のチームのうち成績上位2チームの計8チームが決勝トーナメントに進む。男子はニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、イングランド(オリンピックにはスコットランドなどを含むイギリスとして出場)など15人制の伝統国が7人制でも強い。しかし、リオ大会で初代金メダルチームに輝いたのはフィジー。意表をつく曲芸的なパスや変幻自在な走りでトライを狙う「フィジアンマジック」と呼ばれるスタイルは7人制でより輝きを増し、フィジーに初のオリンピック金メダルをもたらした。連覇が懸かる今大会もさまざまな魔術を披露してくれそう。フィジーに対抗するのは、リオ大会銀メダルのイギリス、銅メダルの南アフリカ、メダルを逃した雪辱を期すニュージーランド、オーストラリアなど。女子は、リオ大会上位のオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、イギリス、アメリカなどが今大会も上位を占めそうだ。
リオ大会の日本男子は、ニュージーランドなど強豪を次々と破り、4位に入賞。メダルには届かなったが、堂々たる戦いぶりだった。今大会は、副島亀里ララボウラティアナラ、彦坂匡克らリオ大会の4強メンバーと、大会直前にメンバーから外れ、悔しい思いをした藤田慶和、松井千士、2019年に日本国籍を取得し初代表入りしたヘンリーブラッキンらの力を結集し、メダル奪取に挑む。女子で2大会連続出場となるのは小出深冬のみ。2人でキャプテンを務める清水麻有とバティヴァカロロライチェル海遥と、平野優芽、大谷芽生、松田凜日ら大学生を軸にした平均年齢22歳の若い布陣でメダルを狙う。
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