福地桃子初主演「ラジオスター」会見に甲本雅裕、常盤貴子と登壇「能登の思いが刻まれている」2026/03/06 18:35

NHK総合で、3月30日スタートの夜ドラ「ラジオスター」(月~木曜午後10:45)の完成試写記者会見が行われ、本作がドラマ初出演となる柊カナデ役の福地桃子、共演の松本功介役の甲本雅裕、小野さくら役の常盤貴子、企画・演出の一木正恵氏が登壇した。
「ラジオスター」は、地震と豪雨で傷ついた奥能登の町に小さなラジオ局が誕生する物語。大阪からボランティアでやって来た主人公・カナデ(福地)が、恩人の松本(甲本)の頼みでラジオのパーソナリティーを担当することになり、番組作りの経験がない町の住人たちとともに「笑いを届ける」ラジオ番組を作り上げていく姿を描く。福地が演じる柊カナデは、能登の地に飛び込んだ大阪育ちの若者で、外からの視点で町と人々に向き合いながら成長していく。甲本演じる松本は、カナデをラジオの世界へ引き込む発起人であり、ある理由から「笑えるラジオ」にこだわり続ける男だ。常盤が扮(ふん)するさくらは、おしゃべり好きで場を明るくするお姉さん的存在として、2人を支える。
まず企画・演出の一木正恵が口を開き、「まなざしはフェアでいたい、ということをずっと考えてきました」と制作への姿勢を明かした。能登半島が被災地・被災者という側面を持つ一方で、「コミュニティが傷ついた中でも人と人とのつながりを取り戻そうと、思いに燃えている人を描きたかった」と説明する。支援する側の物語ではなく、「発火するように燃えている方たちのエネルギーに尊敬と憧れを持って、そういう人間たちを描く」。そんな意志でスタッフ・キャスト一同が愛情を込めて仕上げたと熱を込める。

続いてあいさつした福地は、「今の能登の風景や人の思いが刻まれている作品になっています」と第1週完成の手応えを話し、キャスト仲間とともに「とってもいいドラマになったね」と言い合ったと紹介。甲本は「この年を重ねると羞恥心がなくなってきているのか、『面白いな』って思いました」と率直なひと言で笑いを誘いつつ「ただただドキドキしております。お手柔らかにお願いします」と頭を下げた。
常盤は「すごくいいドラマじゃなかったですか? 本当に感動しちゃいました」と興奮気味に口にし、「ゲラゲラ笑いながら涙がこぼれるという経験をして」と目を輝かせる。自身が出演するドラマを大きな声で「面白かった」と言いづらい中でも、「このドラマは本当に見られてよかったなと思いました」と言い切った。
記者から能登での撮影について問われると、3人がそれぞれの言葉で応えた。今作で初めて能登を訪れた福地は、撮影前のロケハンで地元の方々から話を聞く機会があったと明かし、「人から出た言葉や空気をなるべくそのままの温度感でドラマに刻んでいきたいという思いを強く感じました」と力を込める。撮影中は「美しいだけではない感情」を抱えながら過ごした、と吐露しつつ、能登の人たちの温かさに触れていく中でドラマが持つ「笑い」の力を確信したという。「土地や人の思いにすごく支えられてスタートできた現場だったなと思います」とかみ締めた。

被災前にも能登を訪れたことがあった甲本は、地元の方々との交流から「言葉ではなかったんですけれども、人が生きている限り笑いに向かっていくんだよと言われているような気がした」と表情を引き締める。「そういう方々が『笑いに向かっていくんだよ』と言っている。このドラマを見終わった後にみんなが同じ目線で笑いに向かって歩いていける、そんなドラマになったらいいなと思いながら、作品中ずっと笑いのことしか考えていませんでした」と熱を込めた。
連続テレビ小説「まれ」(15年)の撮影をきっかけに能登と縁が結ばれ、被災後もボランティアで支援を続けてきた常盤は、ロケ隊が能登の街にやって来た日を「もう本当に涙が出るほどうれしくて。受け入れてくださった皆さんの輝いた笑顔が忘れられなくて」と声を震わせた。「私は能登の人間でもないのに、本当にありがとうという気持ちで見ていました」と述べ、「能登に住んでいる方々が能登を誇りに思えるように、まだ帰れていない方々には『やっぱり帰りたい』と思ってもらえるような、そんなドラマになったらいいな」と願いを込めた。

さくら役については、「私の活動や発言をかなり組み込んでくださって、『これも使うんですか』って思ったくらい」と驚きをのぞかせつつ、一木が自分に限らず取材した人々の一言一言をセリフに入れてくれたことを説明した。「私の活動に一木さんが心動かしてくださったのなら、それをドラマを通じて多くの方に知っていただける。そういう意味合いもあって私はこういう活動をしているのかな、と逆に思えたりもした」と感慨深げに話した。
被災者を演じることへの葛藤に関しては、「私はやはり被災していないので、そこを語ることができない」と率直に口にした。この役で疑似体験させてもらえることで「少しでも近づくことができたのかもしれない」と打ち明け、「能登を大事に思うがゆえに、すべてのセリフに本当は涙が出そうになるんですけれども、能登の人たちがそうされているように笑顔でいることも大事だなと思って。あったことだと自分の胸に留めて、今を生きるということを心がけていました」と神妙な面持ちで振り返った。
ドラマ初主演について福地は、「どう現場にいようか、とつい考えてしまっていた」と素直に認めつつも、能登が初訪問だったことも大阪出身のカナデが未知の土地へ飛び込む勇気と重なり、「カナデが見て触れていくものへの新鮮な感情を、自分自身の初めての経験と重ねながら演じることができたらいいなと思っていました」とコメント。

2人の先輩との共演に関しては、「過剰に『大丈夫、大丈夫』と言われたわけではないのに、どこかでちゃんと見てくれているという安心感がものすごくありました」と明かしつつ、「大人としてしっかりそこにいてくれながら、子どもらしいチャーミングな一面もあった」とし、「みんなが巻き込まれていくような、ドラマと同じような空気感で現場に入れていたと思います」と顔をほころばせた。
また、「常盤さんが『この現場はみんな人がいい』っておっしゃっていて。誰かが話しかけた時にこぼれてくる言葉がすごく優しくて。演じられている方の普段のキャラクターが役と混ざって出来上がっている。みんなの普段の感じがちゃんと映っているなと思います」と声を弾ませた。

甲本は「撮影じゃないところでは『桃ちゃん』と呼んでいたんですが、それもちょっと違和感があるくらいカナデだった」と笑いながら、「カナデがいてくれてよかったな、いてくれてありがとうという思いで撮影できていた」と感謝を伝えた。撮影終盤に2人で「道のりをちゃんと僕たちは一緒に歩いてきてたんだね」と語り合ったエピソードも披露。「撮影は順番通りではないので、第1週の次に第8週を撮ったりする。だけどその中にちゃんと歩いた足跡があったんだね、ということをシーンを撮った後に気付いたりして」と目を細め、常盤も「桃ちゃんがいる現場はみんな穏やかで」と相好を崩し、さくらのセリフ「カナデちゃんがおるとみんな話しやすいね」が、そのまま現場の空気だったと回顧した。

最後に、甲本の問いかけで一木氏が現場を振り返ると、「福地さんがそういう空気感を作ってくれるから、全体的に『こうしなきゃいけない』という縛りが解放されていて。どういうセリフが生まれるだろうか、どういう動きになるだろうかということを常に鮮度を持ってみんなで挑むことができた。本当に幸せな時間でした」としみじみ。「僕たちも今どこを撮っているか分からないって感じになったりしてね」と甲本が笑えば、「1話の試験放送のところをすごい後に撮ったり」と常盤、「1話を撮った次に8話を撮ったり……」と福地がつなぎ、会見は和やかな空気の中、終了となった。

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